日本旅行 トップ > JR・新幹線+宿泊 > 鉄道の旅 > 汽車旅ひろば > ひろやすの汽車旅コラム 「万葉線「ドラえもんトラム」を2018年8月末まで継続運転」

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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

万葉線「ドラえもんトラム」を2018年8月末まで継続運転 [No.H168]

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人気の「ドラえもんトラム」は、2度目の運転期間延長で、2018年8月末まで引き続き走ることになった。
富山県の高岡市と射水市を走る万葉線は、2012年9月8日から「ドラえもんトラム」を走らせています。ドラえもんの作者として知られる藤子・F・不二雄氏が高岡市出身という縁で、「ドラえもん」生誕100年前を記念して走らせ始めました。
当初は1年間の走行予定でしたが、人気があるため2年延期して、2015年8月末までの運転としました。
ところが、その後「ドラえもんトラム」の人気は衰えず、他の車両と比べて明らかに利用者数が多い状態が続いているそうです。そこで、今年、さらに契約を3年延長して、2018年8月末までの運転と決まりました。結果、6年間もの長期にわたる運転となりました。

この「ドラえもんトラム」については、当コラムでも次の通り過去に2度取りあげていますので、併せてご覧ください。

・2013年6月21日 "ドラえもんトラム"と"動物電車"が走る万葉線 [No.H043]
・2014年8月15日 万葉線の「ドラえもんトラム」と「ハイブリッドトラム」 [No.H101]



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「ドラえもんトラム」に乗るなら夜? 車窓が暗くなる夜間は、このようにイラストがより見やすくなる。
ところで、「ドラえもんトラム」というと子供向けと思いがちで、それだからこそ昼間に乗るものというイメージがあろうかと思います。
ところが、過日、日が暮れてから乗車して驚きました。車内の壁面から天井にかけて描かれている「ドラえもん」をはじめとしたキャラクターたちが、実に鮮明に見えるのです。左の写真が、そのときに撮ったものです。窓に天井の蛍光灯が映っているのは致し方ないとして、それを除くと実に鮮明ですよね。
最初は、あれ? こんなだっけ? と思ったのですが、走りはじめてしばらくしたときに気付きました。窓外が闇夜となっているため、イラストの線画が黒色バックとなり、昼間よりハッキリクッキリと見えるのです。
さらに、座席台座の側面に描かれているイラストに至っては、室外光が入ってくる昼間は陰になっていて見づらいのですが、車内照明だけとなる夜間は、実に鮮明に見えました。
これは、考えてみれば当たり前のことですが、予想外だったので新鮮な驚きでした。


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天井画も、運転席横に座る「ドラえもん」のぬいぐるみも、昼間より、より鮮明に見える。
同じく天井に描かれている「ドラえもん」登場者たちも見やすいですし、運転席横に陣取っている「ドラえもん」のぬいぐるみも、背後が暗くなっているので、昼間より存在感が増す感じです。

「ドラえもんトラム」がいつ走るかは、万葉線のホームページで公開されています。
この時刻をみると、早朝から走りはじめますが、夕方の通勤・通学時間が終わると米島口の車庫に戻る運用が基本のようです。なお、火曜日は点検のため運転されません。
夏場だと、その時刻まで空が明るかったりしますが、冬場のいまは夜が長い時期です。それだけ、夜の「ドラえもんトラム」を楽しみやすい時期ともいえましょう。

北陸新幹線が開業して注目が集まる北陸へ行くなら、ついでに寄ってみてはいかがでしょうか。
なお、新幹線の新高岡駅は万葉線始発駅となる高岡駅とは別の場所になりますが、JR城端線のほか、新高岡駅~高岡駅間は10分ごとに路線バスが走っています。新高岡駅は新幹線改札をでてすぐのバス乗り場、高岡駅は、万葉線とは反対に位置する南口バス乗り場からの乗車となります。


掲載日:2015年12月18日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。