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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

鉄道日本一(2) 在来線最長定期列車は「サンライズ出雲」 [No.H271]

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在来線最長となる953. 6kmを、夜を徹して走る「サンライズ出雲」は、いま在来線で最長距離を走る定期旅客列車
前回、最長定期列車として東京~博多間を走る東海道・山陽新幹線「のぞみ」を紹介しました。
では、新幹線を除いた在来線で最長距離を走る定期旅客列車はというと、東京~出雲市間を岡山経由で走る寝台特急「サンライズ出雲」となります。東京~岡山間は新幹線に並行した東海道本線・山陽本線を走り、岡山~出雲市間で伯備線と山陽本線を走ります。
総営業距離は953. 6kmと、もう少しで1000kmの大台に乗る距離です。

東京を22時ちょうどに発車した下り列車は、岡山まで「サンライズ瀬戸」を併結して走ります。
浜松を午前1時12分に発車すると、同5時25分着の姫路駅まで旅客扱いはありません。途中、運転士が交代するための運転停車はあるのですが、客室扉が開かないのです。岡山には6時27分に着いて、7分停車のあいだに「サンライズ瀬戸」を切り放し、同列車が出発したあとに岡山を発車します。
米子駅には9時3分、松江駅が9時30分、終点の出雲市駅には9時58分到着と、鳥取県西部から島根県にかけてのビジネスや観光に使いやすいダイヤとなっています。
一方、上りは出雲市18時51分発、松江19時27分発、米子19時56分発、岡山22時34分発、大阪0時34分発と進み、翌朝は静岡着4時38分まで旅客扱いをしません。終着の東京駅には7時08分と、朝のラッシュ時間前の到着となります。首都圏での停車駅は熱海・横浜・東京で、品川すら停車しません。新幹線「こだま」よりも停車駅が少ないわけです。

「サンライズ出雲・瀬戸」専用の285系寝台電車は、7両編成をJR西日本が3編成、JR東海が2編成所有し、全5編成が共通運用となっています。同車は、JR西日本・JR東海に加えてJR東日本とJR四国にも毎日顔を出すという、4つのJR旅客会社を走る唯一の旅客車両ともなっています。


掲載日:2018年02月02日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。