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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

鉄道日本一(4) 私鉄最長は近鉄「しまかぜ」京都~賢島 [No.H280]

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私鉄最長となる195. 2kmを走る近鉄特急「しまかぜ」。豪華列車だけに2時間40分あまりはあっという間だ。
鉄道日本一は、ここまで最長距離を走る列車を取り上げてきました。しかし、すべてJRグループの列車でした。
そこで、最長距離列車の最後として、JRグループを除した最長距離を走る列車を取り上げます。
その最長列車は、近鉄の豪華特急として知られる「しまかぜ」です。「しまかぜ」は大阪難波・京都・近鉄名古屋の各駅から、志摩半島にある賢島駅まで原則として1日1往復していますが、そのうち、京都発着の便が最長距離列車となります。
3列車の走行距離を比較すると、次の通りです。

    大阪難波 賢島     176. 9km
京      都 賢島 195. 2km
近鉄名古屋 賢島 144. 8km

いずれも近鉄線内だけを走っての距離ですから、日本一の営業距離を誇る近鉄ならではといえるでしょう。

ちなみに、横浜の元町・中華街駅から東急・東京メトロを経由して西武鉄道の飯能駅まで週末に走っている「Fライナー」は、神奈川県~東京都~埼玉県と走るので、かなりの距離のはずと思いがちですが、80. 7kmに過ぎません。
同じ「Fライナー」として、元町・中華街駅から東急・東京メトロを経由して東武鉄道の森林公園駅まで行く列車は88. 8kmで、飯能駅までよりは長いものの、京都駅発着の「しまかぜ」に比べると半分以下の走行距離となります。


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東武特急「リバティ会津」は、野岩鉄道に乗り入れることで「しまかぜ」に匹敵する走行距離190. 7kmを誇る。
ところが、首都圏でも「しまかぜ」に張り合う長距離私鉄列車があります。東武鉄道の特急「リバティ会津」です。
「リバティ会津」は、浅草から東武線を走って鬼怒川温泉・新藤原を過ぎ、野岩鉄道を経て会津鉄道の会津田島駅までいきます。その走行距離は190. 7kmと、京都発着の「しまかぜ」に肉薄しています。
東京都を発車して、埼玉県・栃木県を経て、福島県まで足を伸ばしている列車です。
東武鉄道は、近鉄に次ぐ二番目の営業距離を誇る私鉄だけありますよね。
ただし、所要時間は3時間10-20分と「しまかぜ」より30分ほど多くなっています。これは、下今市駅から先、会津田島駅までの62.3kmが単線となっていることが原因のようです。この区間に約1時間半を要しているのです。

なお、近鉄の京都~賢島間の列車は、「しまかぜ」以外にも近鉄特急が1日3往復しています。これらも日本最長距離を走る私鉄の列車です。


掲載日:2018年04月06日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。