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学生旅行・卒業旅行特集

先輩の体験期その2 ~色彩の都にて~ (K.Kさん)

これから卒業旅行に行こうと考えている学生に一言!
本文中でも触れましたが、豊かな感性という若さゆえの宝物を存分に活かせる機会が旅行(特に海外)です。
法に触れない程度(←これ大事!笑)なら少々無茶をしてでも大丈夫!
ぜひ新しい世界へ踏み出してみてください!(体は壊しちゃダメですよ^^)
何年生で行ったの?
2回生の冬
誰といったの?
1人
旅行の総予算は?
30万円前後
大学での勉強内容は?
文学部仏文科
何日間?
ちょうど1か月
これが何回目の海外旅行?
初めてでした!

パリは白い街であった。
モンパルナス・タワーの屋上展望台。地上210メートルから望む異国の都会は、私が想像していた姿とはあまりに違っていた。芸術の国フランスと言われるくらいであるから、街中に豊かな色彩が溢れていて、その調和が上品であると思っていたのだ。ところが、まずもって色味が少ない。一面の白いキャンバス。その上に街路樹の枯葉色と澄み渡った空のブルー。以上である。しかしながら、透明感の増した冬の青空と街並が織りなすコントラストは、まるで真夏の砂浜に散りばめられた貝殻やサンゴを思い起こさせるような美しさである。私はやられた、と思った。この景色は、日本にないものだと気付いてしまったからだ。少なくとも、私が20年という歳月で目にしたものにはない、そういう類の美しさであった。

初めての海外旅行をパリに選んだのは、フランス語の勉強とは言いながらも、幼い頃から映画や小説の影響で憧れをもっていた西洋を自分の眼で見たかったということが大きい。そこへ加えて、当時の私は京都に住んでいたから、日本的・平安的な「をかし」の文化が日常に息づく中で暮らしており、そのことがフランス的な「エスプリ」の感覚を対比によって際立たせ、強く興味を引きつけたこともあるのだろう。  そして、先ほどの街の景色である。滞在を始めて間もなくこれを目にしたのだが、目的地が間違っていなかったことを確信した。見たかったもの、欲しかったものがリアルとして迫ってくる。こんな感動との出会いが旅の醍醐味、それも感性が瑞々しい、若さという武器をもっている特権なのだと思う(注:筆者は原稿執筆時で22才です。まだ若いです。あしからず)。

パリを観光地として語りだせばきりがない。パリの、いやフランスのシンボル・エッフェル塔に始まり、エトワール広場の中心にそびえる凱旋門、美の殿堂の異名を持つルーブル美術館、印象派好きにはたまらないミュゼ・ドルセー…、セーヌ川沿いの古本屋、ガラクタ大集合の蚤の市、季節によってその表情を変えるマルシェ、さらには通りすぎた何気ないカフェにスーパーですら、外の人間には魅力的な観光スポットだ。

そんなアトラクティヴな街の中で、私がオススメするのはルーブル横のチュイルリー公園である。東京の皇居のような広大な敷地の一角には、モネの連作『睡蓮』やルノワールの『ピアノを弾く少女たち』が所蔵されているオランジュリー美術館、映像や写真に代表される近代的手法のアートを展示するジュ・ド・ポームがある。しかしそれ以上に、芝生の広場を満喫してほしい。青々と茂ったただの芝生を、である。

これを楽しむにはちょっとした準備が必要だ。公園からすぐのオペラ大通りまで足を伸ばすと、日本でもお馴染みのブーランジュリー「PAUL」がある。いかにもパリジャンのトートバッグから頭を突き出していそうな長いバゲットや、ベーコンのピンクと卵のイエローの組み合わせが食欲を刺激するキッシュなどのパンと、パステルカラーが可愛らしいマカロンなどのお菓子。全部食べたい欲求を必死で抑えながらいくつかを選び、テイクアウトする。場合によっては隣のスーパー「MONOPRIX」で、ワインやチーズを少しばかり買っていくのもいいかもしれない。そうやって両手をいっぱいにして、再びチュイルリーの芝生へと向かうのである。もちろん、心はピクニック気分にすることも忘れずに。  緑のカーペットの上、青空に見守られながらの午後は、本当にゆっくりと感じられる。海外旅行というとついつい急ぎ足で観光地巡りをしてしまいがちだが、たまには立ち止まって腰を下ろし、時計の針のスピードを落としてみるのも悪くないんじゃないだろうか。そんなことを優しく教えてくれる、チュイルリー公園の芝生が私は大好きである。 

インターネットのおかげで、旅行の情報が瞬時に手に入るようになった。パソコンやスマートフォンを通じて、まるで現地にいるような感覚を得ることも可能になった。でも、旅行先で画面に映る写真と同じじゃつまらない。というより、同じはずがないのである。五感を使って、自分だけにしか見えない色彩で、世界を切りとってみる。その旅の楽しみ方を、私はパリの街に学んだ。

※本文中の固有名詞や作品名は、当時のものです。

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