山陰エリアの魅力を6回にわたりご紹介 山陰まんなか旅

鳥取県、島根県にまたがる宍道湖しんじこ中海なかうみ大山だいせん周辺は山陰地方のまんなか。
2018年は大山開山1300年祭、不昧公ふまいこう200年祭が開催される注目のエリアです!

大山開山1300年祭

大山開山1300年祭

養老2年(718)、依道が開山した大山。修験道場として最盛期には100を超える寺院があったという。5月20日に大山寺で御輿行列や開創法要が行われたほか、11月30日まで特別祈祷(要予約)や特別ご朱印を実施する。大山では8月10日・11日、「山の日」記念全国大会を開催する。山麓周辺では7月1日~9月30日、秘宝を探す「謎解き宝探し」が行われるなどイベントが目白押しだ。

Data

同祭実行委員会

☎0859-31-9371

不昧公200年祭

不昧公200年祭

2018年は大名茶人として知られる松江藩主・松平治郷(不昧公)の没後200年を迎える。松江城の堀を巡る「茶の湯堀川遊覧船」では、 自分で点てた抹茶と和菓子を楽しめる(1日6回、50分、1,730円)。秋には松江城天守での特別茶席のほか、明々庵や月照寺など不昧公ゆかりの場所で記念茶会が行われる。

Data

同祭記念事業推進委員会事務局

☎0852-55-5293

6回にわたって「山陰まんなか旅」を公開します。テーマに沿ったモデルコースを設定し、見どころなどを紹介します。

  • 第1回

  • 第2回

  • 第3回

  • 第4回

  • 第5回

  • 最終回

第1回ローカル線ぶらり町さんぽ

宍道湖や中海、大山周辺は山陰地方(鳥取県、島根県)の中心エリア。
出雲大社や松江城をはじめとする門前町や城下町の散策、玉造や皆生などの温泉、カニやイカなどの美味も多い。
6回にわたって“山陰まんなか旅”を紹介する第1回はローカル線に乗ってノスタルジーを探しに行こう。

地図

2泊3日モデルコース

[1日目]

出雲縁結び空港バス40分出雲大社一畑電車1時間松江しんじ湖温泉

 旅の始まりは神話の国、出雲から。出雲大社に向かう神門しんもん通りをそぞろ歩く人が多い。松並木の参道を進み、大国主大神オオクニヌシノオオカミを祀る本殿を参拝。本殿左にある神楽殿の大注連縄しめなわは圧倒的な迫力だ。

 神門通りを戻り、大鳥居近くにある出雲大社前駅から一畑いちばた電車に乗った。おしゃれな洋館のような駅舎の窓はステンドグラスがはめ込まれ、駅構内に止まっているオレンジ色の車両に馴染んでいる。この「デハニ50形」は昭和初期に造られた日本最古級の車両で、現役は退いたものの雲州平田駅構内で運転の体験ができる。

  

 どこか懐かしく感じるのは、京王や東急などの車両を改造したものだからだろうか。小さな列車だが、直線では結構な速さで走る。冬枯れの原野を突き進み園駅を過ぎると、右に宍道湖が姿を現した。対岸にぼんやりと灯る明かりがはっきりする頃、松江しんじ湖温泉駅に着いた。国宝の松江城は徒歩圏内で、松江しんじ湖温泉には日帰り入浴できる宿もある。

[2日目]

松江山陰線25分バス20分足立美術館、安来節演芸館バス20分安来山陰線10分米子バス20分皆生温泉

 翌日はまず、山陰線で安来の足立美術館へ向かった。美術品を鑑賞する前に、枯山水の庭園を額絵や掛け軸に見立てた窓から眺める。館内で印象に残ったのは、横山大観の六曲一双の屏風絵「神州第一峰」。絵から離れるほど迫力が感じられた。心静かに名作と向き合った後は、隣接する当地を代表する民俗芸能の殿堂へ。

 安来節演芸館は展示だけでなく毎日4回の公演を行っており、芝居小屋風の舞台で安来節を体感できる。安来節は300年前に原形ができたといわれ、地元の景勝や文物を七七七五調で歌い上げる甲高い節が心に響く。

 歌に合わせて踊るのが「どじょうすくい」。もともと酒席で座興として踊られていたのが安来節と結びついた。コミカルな男踊りに対して、女踊りは二人一組で軽快に踊る。NHK連続テレビ小説「わろてんか」でヒロイン夫婦が安来で踊り子をスカウトし、大阪の寄席で女踊りを披露するシーンが放映されたこともあり、人気が再燃している。

飲まれている。これは今年、没後200年を迎える不昧公によるところが大きい。窮乏していた藩財政を高麗人参や木綿の栽培、たたら製鉄

 安来市中心部で境港の魚介類を使った昼食を取り、米子へ移動した。

 米子は隠れた昔町で、豪商の家の庭に天守閣の鯱が残っていたり、九つの寺の山門が430mも一直線に並ぶ寺町があったりと発見が多い。北前船の交易で栄えた頃の町家は、間口が狭いのに奥行きが50mほどもある独特の造りだ。

 米子下町観光ガイドツアーでは2時間で町を案内してもらえる。ガイドの川越博行さんは「100本ほどある幅の狭い小路をはじめ、町家やお地蔵さんなど、歩くからこそ感じられる城下町風情が残っています」。一銭銅貨が看板に彫られた駄菓子屋には、ひっきりなしに子どもが買いに来る。何の変哲もないブティックに入店したら、城の梁材などを転用した吹き抜け空間のある町家で驚いた。約15人のガイドはそれぞれの“マイコース”を持っているそうだ。

[3日目]

皆生温泉バス20分境線40分境港(水木しげるロード、海とくらしの史料館)バス25分美保神社バス25分境線15分米子鬼太郎空港

 皆生温泉に泊まった翌日は境線の鬼太郎列車に乗った。境港市出身の水木しげるさんの作品「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターが車体だけでなく座席にも描かれている。

 境港駅に下り立つと、駅前に妖怪たちが集まっていた。駅から延びる水木しげるロードがリニューアル工事のため、各所に散っていた妖怪のブロンズ像が“世界妖怪会議”に参加しているのだ。

 ロードを歩いていると、ブロンズではないねずみ男がレトロな理容店の前で手招きしていた。約800mのロードの先にある海とくらしの史料館に立ち寄った。明治時代の酒蔵を改装した建物で、4,000点もの魚介類のはく製を展示している。

 境水道に沿ってさらに進み、魚市場隣接の水産物直売センターに入ると、松葉ガニや紅ズワイガニがズラリと並んでいた。「美味しいカニ入ってるよー」と威勢のいい声が飛び交い、通路は人であふれている。財布のひもが緩んで、土産の品定めに力が入った。

※下記Dataは2018年1月現在の情報です。

出雲大社 神楽殿

出雲大社神楽殿

長さ13.5m、重さは4.4トンもある神楽殿の大注連縄。

Data

☎0853-53-3100

松江しんじ湖温泉駅

松江しんじ湖温泉駅

松江しんじ湖温泉駅を出発していく電車。駅前には足湯があり、無料で利用できる。地元の人にとっても憩いの場になっている。

レトロな電車を体験運転

レトロな電車を体験運転

一畑電車に残る日本最古級のデハニ50形を専用コースで運転できる(150mを4回)。

Data

☎0853-62-3383

詳細HP

一畑電車

一畑電車

宍道湖畔を走る一畑電車

Data

<路線>
電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉(北松江線)
川跡~出雲大社前(大社線)

足立美術館

足立美術館

借景の山を生かした5万坪の日本庭園のほか、120点もの横山大観をはじめとする近現代の日本画、陶芸など1,500点を所蔵し、3か月ごとに展示替えする。河井寛次郎や北大路魯山人の作品を展示する陶芸館もある。

Data

安来駅から無料送迎バス20分/9時~17時(4月~9月は~17時30分)/新館のみ2月7日、4月18日休/2,300円

☎0854-28-7111

安来節演芸館

安来節演芸館安来節演芸館

300人収容の演芸ホールで1日4回安来節の公演を行う(どじょうすくいは3月まで期間限定で女踊りもある)。公演後にどじょうすくいの踊り体験ができる。

Data

安来駅からバス20分/10時~17時/水曜休(祝日の場合開館)/600円

☎0854-28-9500

皆生かいけ温泉

皆生温泉

弓ヶ浜の海岸沿いに大型ホテルを中心に約20軒の宿が立つ。天気のいい日は温泉街から大山を望む。高温のナトリウム・カルシウム‒ 塩化物泉は温まりの湯で、美肌効果も見込める。

Data

米子駅からバス20分

☎0859-34-2888(皆生温泉旅館組合)

米子下町散策ガイド

米子下町散策ガイド

小路散策、地蔵めぐり、商家見学など5コースあり、ボランティアガイドが2時間案内してくれる。集合、解散は米子駅から徒歩15分の山陰歴史館。

Data

希望日の2日前までに要予約/無料

☎0859-22-6317(米子市観光案内所)

鬼太郎列車

鬼太郎列車

6両ある鬼太郎列車。車両ごとにモチーフのキャラクターが異なる。7月までに全車リニューアルの予定

海とくらしの史料館

海とくらしの史料館

4.2mのホホジロザメや2.8mのマンボウなど大型魚を含め、4,000点のはく製を展示する水のない水族館。弓浜絣や織機、古民具の展示もある。

Data

境港駅から徒歩20分/9時30分~17時/火曜休(祝日の場合翌日休)/400円

☎0859-44-2000

美保みほ神社

美保神社青石畳通り

島根半島の東、北前船の寄港地だった美保関にあるえびす様の総本宮。鳥居近くの石畳は濡れると青みがかって見えることから「青石畳通り」と呼ばれる。

Data

境港駅からバス25分

☎0852-73-0506

境港水産物直売センター

境港水産物直売センター

カニをはじめとする12の直売店と食事処2店が並ぶ。

Data

8時~16時/火曜休(営業する店舗あり)

☎0859-30-3857

第2回茶の湯の文化香る松江を歩こう

宍道湖や中海、大山周辺は山陰地方(鳥取県、島根県)の中心エリア。
6回にわたって“山陰まんなか”を紹介する第2回の舞台は松江。大名茶人として知られる松江松平藩7代藩主・松平治郷(不昧公)が根付かせた、茶の湯の文化香る町を歩こう。地図

拡大図

2泊3日モデルコース

[1日目]

出雲縁結び空港バス30分松江駅バス10分松江城、堀川遊覧船徒歩10分田部美術館徒歩5分明々庵徒歩10分松江歴史館徒歩15分國暉酒造徒歩5分そば遊山徒歩15分松江しんじ湖温泉

 茶道。柔道や剣道など、武道と同じく「道」が付くと、少し身構える。ところが、松江ではお茶が身近な存在で、作法にこだわらず気軽に飲まれている。これは今年、没後200年を迎える不昧公によるところが大きい。窮乏していた藩財政を雲州人参や木綿の栽培、たたら製鉄などの産業で回復させた名君で、茶道具の収集や製作にも力を入れた。陶芸や漆器のほか和菓子の職人たちを育てた。

 松江に着いて、まず向かったのは国宝の松江城。四重五階の天守の階段を上りつめると、眼下に城下町や宍道湖の湖面が広がった。天気が良ければ、秀峰・大山も望める。また、堀を巡る遊覧船はこたつがあるので、冬でも場所によって表情を変える町の様子を温まりながら眺められる。

  

 城の北の塩見縄手は江戸時代の風情が残る松並木の通り。通り沿いに建つ田部美術館で不昧公ゆかりの茶器を鑑賞し、小高い丘の上にある明々庵へ。不昧公が建てた茶室で、抹茶を一服。松江城天守を望む和室で茶を喫する静謐のひとときは、今も変わらない。

 松江歴史館内の喫茶きはるでは、作り立ての和菓子を味わえる。「山川」や「若草」など不昧公の時代から伝わる銘菓も多い。左党なら立ち寄りたいのが、宍道湖畔にある國暉こっき酒造。試飲カウンターには社長兼杜氏の岩橋弘樹さんが立つ。「ゲストスペースを作ってお客様をもてなしたい」と改装したそうだ。

 そばの名店が多い松江だが、夜も営業している数少ない店がそば遊山。仕入れによって毎日変わるそば前(酒肴)のほか、コース料理を100種類以上の日本酒と共に楽しめる。オーナーの奥井淳さんが選んだ日本酒を冷酒や燗など、料理や好みに合わせて提供する。そば湯にゆでたそばが入った釜揚げで締めれば、満足間違いない。

[2日目]

松江しんじ湖温泉徒歩20分月照寺バス15分山本漆器店徒歩15分松江駅 【松江おちらとあるき】バス25分日本庭園由志園バス25分山陰線10分玉造温泉

 松江しんじ湖温泉で温まった翌日は月照寺げっしょうじへ。松平家歴代藩主の廟所がある境内は森閑としている。お茶に親しむ市民を不昧公が見守っているように感じた。茶道具に欠かせないなつめ茶杓ちゃしゃくなどを制作しているのが山本漆器店。時間がたつと鮮やかな色彩が浮かび上がる八雲塗の特徴を生かして、カップや万年筆など時代に合わせた漆器作りをしている。「八雲塗のように本質を隠すのは出雲人気質なのかも」と4代目の山本一成さん。

 より深く町を知るにはガイドと歩くのが一番だろう。松江駅を起点に寺町を歩く「松江おちらとあるき」は毎日行われ、ひとりでも参加できる。「おちらと」は出雲弁で「ゆっくりと」の意味。「松江は1300も橋がある水の都なのです」という廣江百合子さんの解説で町歩きは始まった。城の外堀の南一帯は寺院が密集しており、カギ型の十字路など城の防衛を意図していることがよく分かる。

 廣江さんと一緒に歩いていると、通りからほのかな茶の香りが漂ってきた。中村茶舗では店内で抹茶を楽しめる。近くの和菓子店で選んだお菓子と共に味わえるので、疲れた体を一服させることができる。隣の工場では抹茶を石臼で挽く様子を見学できる。「当店には茶のブレンドをする茶師がいるんですよ」と店員が教えてくれた。

 ぜひ寄りたいのが、中海に浮かぶ大根だいこん島。不昧公が薬用高麗人参の栽培を成功させた島で、現在も雲州人参として栽培されている。藩には人参方という役所があり、奉行もいた。島内にある日本庭園由志園の雲州人参を使った料理は、ピリッとした食感の後、血行が良くなった気がした。

 山陰が誇る名湯、玉造温泉では情緒あふれる夜にそぞろ歩きしたい。

[3日目]

玉造温泉徒歩10分玉作湯神社タクシー5分湯町窯バス30分出雲縁結び空港

 美肌の湯につかった翌日は、玉湯川の河畔を散策。河畔にも足湯があるので、休憩がてら足湯につかってのんびりしたい。勾玉づくり体験ができる店もある。温泉街の最奥にある玉作湯神社は温泉と勾玉の神様を祀っている。「叶い石」を「願い石」にあてて、祈りを込めた。叶い石はお守りとして持ち帰れる。

 玉造温泉駅近くの湯町窯は英国の陶芸家、バーナード・リーチの影響を受けたスリップウェアの技法が特徴。伝統的な茶碗から洋風の食卓に合う現代的な器や皿まで、黄や青など鮮やかな色の様々な焼き物が並んでいる。値段も手頃で、土産にちょうどいい。

※下記Dataは2018年2月現在の情報です。

松江城

松江城

松江開府の祖である堀尾吉晴一行の行列を再現した「松江武者行列」(4月7日)や、期間限定の茶席「松江春茶会」(4月28日~5月6日)など、城下町ではイベントが予定されている。

Data

■本丸:8時30分~17時(4月1日~9月30日は7時~19時30分)

■天守閣:8時30分~17時(4月1日~9月30日は~18時30分)/無休/560円)

☎0852-21-4030

ぐるっと松江 堀川めぐり

ぐるっと松江 堀川めぐり

船頭のガイドを聞きながら、松江城のお堀を50分で巡る遊覧船。

こたつ

4月10日まで、船内にこたつがある。

Data

9時~17時(季節により変更あり)/荒天時休/1,230円(1日乗り放題)

☎0852-27-0417

田部美術館

田部美術館

不昧公ゆかりの茶道具や、松江藩の御用窯だった楽山焼など出雲地方の美術工芸品を展示する。

Data

9時~17時/月曜休(祝日の場合開館)/620円

☎0852-26-2211

明々庵

明々庵

松江城を望む丘に立つ茶室。枯山水の庭を眺めながら、和室で抹茶と和菓子を。

Data

8時30分~17時(4月1日以降~18時30分)/無休/410円(抹茶は別途410円/9時50分~16時30分)

☎0852-21-9863

茶道具

茶道具

抹茶を入れる棗(なつめ)や茶杓などの茶道具(山本漆器店にて)

茶室

茶室

不昧公自筆の書が掛けられた明々庵の茶室

喫茶きはる

喫茶きはる

松江の歴史や文化を紹介する博物館「松江歴史館」の中にある甘味処。現代の名工、伊丹二夫さんによる上生菓子や抹茶を味わえる。

Data

9時~17時/第3木曜休(祝日の場合翌日休)

☎0852-32-1607

國暉こっき酒造

國暉酒造

昔ながらのこしきふねなどを使って手造りにこだわった酒蔵。江戸末期の面影が残る町家建築で、コの字型のカウンターでは試飲をして買うことができる。純米吟醸「不昧公」720ml2,160円など。

Data

9時~18時(土・日曜、祝日10時~16時)/不定休

☎0852-25-0123

そば遊山

そば遊山

松江では珍しい夜も営業するそば店。十割そばのざる、九一の割子や釜揚げのほか、そば味噌やスルメの麹漬け、だし巻きなどそば前も多彩。2,700円~のコースもある。料理に合わせて提供する日本酒は島根の純米酒が多い。

そば職人

そば職人の本間俊輔さん

Data

17時30分~23時(金・土曜は~24時)/日曜、第2,4月曜休

☎0852-27-5467

月照寺げっしょうじ

月照寺

松江藩主の菩提寺で、境内には歴代藩主の廟所が点在している。それぞれに廟門があり、不昧公の廟門は左甚五郎と並び称された小林如泥じょでいの作といわれる。書院では抹茶を一服できる。

Data

9時~17時/12月31日~1月3日休/500円

☎0852-21-6056

山本漆器店

山本漆器店山本漆器店

絵の上に透漆を塗り重ねることで、使うほどに絵が鮮やかになる八雲塗を製造販売している。近年は金箔の上から漆を塗った八雲白檀「琥珀」など新たな漆器にも挑戦している。

Data

9時~19時/水曜、1月1日~3日休

☎0852-23-2525

松江おちらとあるき

松江おちらとあるき松江おちらとあるき

地元ガイドの案内で暮らしの息づかいが感じられる路地を歩く。毎日催行の「松江満足物語~松江文化のお茶と和菓子に出雲そば」(10時~12時30分、1,500円)や土曜のみの「松江城下の今昔散歩」(13時30分~15時30分、500円)など。4月以降は「市民に根付く松江の『茶の湯文化』にふれる」(10時~12時、1,000円)に一本化される。

Data

☎0852-26-2011(松江おちらとあるき観光案内所)

日本庭園由志園

日本庭園由志園

池泉回遊式の日本庭園のほか、一年中ボタンが咲く牡丹の館や三つの食事処がある。春は庭園の池がボタンの花で埋め尽くされる。

薬膳弁当

雲州人参をふんだんに使った「薬膳弁当 雲州人蔘畑」2,484円(要予約、入園料込み)

Data

9時~17時/無休/800円(4月下旬~5月上旬、11月下旬は1,000円)

☎0852-76-2255

玉造温泉

玉造温泉

出雲国風土記で「一度入浴すれば肌が若返り、二度入浴すればどんな病も治す」と紹介され、日本最古の美肌の湯といわれる。泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉。硫酸イオンの効果で肌をみずみずしくする。玉湯川に沿って宿や足湯が並ぶ。

Data

☎0852-62-3300

玉作湯たまつくりゆ神社

玉作湯神社

温泉街の外れにあり、境内の願い石にお守りの叶い石を触れると願いがかなうとされる。

Data

☎0852-62-0006

湯町窯

湯町窯

江戸時代から続く布志名焼の流れを汲み、1922年に開窯した。黄釉や海鼠釉を使った落ち着いた発色が特徴。昭和初期の民芸運動の影響を受けて作られたエッグベーカー(目玉焼き器)は窯の代名詞になった。

湯町窯

作陶する3代目の福間琇士さん(右)と息子の庸介さん

Data

8時~17時(土・日曜、祝日は9時~)/無休

☎0852-62-0726

松江の夜の楽しみ

大橋川の北、東本町や京町商店街付近は、スタイリッシュなバーから庶民的な居酒屋まで、様々な飲食店が密集している。ぶらりと歩いてお気に入りを探そう。

徳平食堂

徳平食堂

一畑電車の松江しんじ湖温泉駅からすぐ、地元客が多い。名物のおでんは出汁のしみ込んだ種に特製味噌をかけて食べる。すじ肉270円、大根180円、春菊190円など。口の中でとろける焼豚800円もおすすめ。

Data

11時30分~13時30分、17時~21時30分/日曜、祝日休

☎0852-21-6097

かに小屋

かに小屋

松江駅から徒歩15分、大橋川の河畔に4月22日までの期間限定でオープン。松葉ガニ2,500円~3,900円、紅ズワイガニ1,500円~2,500円のほか、アワビ、サザエ、島根の魚の干物などのサイドメニューも手頃な料金で味わえる。

Data

11時~22時/期間中無休

☎090-4100-6942

松江から足を延ばして

訪れたい昔町や味わいたい旬の味覚がいっぱい。

雲州平田の木綿街道

雲州平田の木綿街道

宍道湖と船川の水運による木綿の集散地として栄えた平田。酒蔵や醤油蔵、妻入り造りの町家が今も残っている。

Data

松江しんじ湖温泉駅から一畑電車40分

☎0853-62-2631(木綿街道交流館)

米子の白壁土蔵群

米子の白壁土蔵群

旧加茂川沿いに白壁の土蔵が並ぶ。遊覧船に乗れば、町並みを眺めながら中海に出られる。幅の狭い小路歩きも楽しい。

Data

松江駅から特急やくも25分

☎0859-22-6317(米子市観光案内所)

城下町広瀬

城下町広瀬

広瀬町は月山富田がっさんとだ城の城下町として栄え、江戸時代は広瀬藩が置かれた。藩時代の面影が残る町並みが続く。

Data

松江駅から特急やくも15分の安来駅下車、バス30分

☎0854-32-3357(安来市観光協会広瀬支部)

境港水産物直売センター

境港水産物直売センター

境港の魚市場に隣接し、カニをはじめとする12の直売店と食事処2店が並ぶ。

Data

松江駅からバス40分の境港駅下車、タクシー5分/8時~16時/火曜休(営業する店舗あり)

☎0859-30-3857

第3回古墳や遺跡 神話のふるさとドライブ

宍道湖や中海、大山周辺は山陰地方(鳥取県、島根県)の中心エリア。
6回にわたって“山陰まんなか”を紹介する第3回は、弥生時代の遺跡から古墳、神々の集う神社まで、いにしえの神秘を感じるスポットをドライブしよう。

地図

2泊3日モデルコース

[1日目]

米子鬼太郎空港車10分正福寺車5分かにじまん車20分富益神社車10分粟嶋神社車30分むきばんだ史跡公園車20分米子

 古代を探るドライブのスタートは米子鬼太郎空港。レンタカーで北上し、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんが幼少期に足繁く通ったという正福寺しょうふくじに寄ってから、境港へ。境港駅から続く水木しげるロードには妖怪のブロンズ像がそこここに立っている。ロード沿いのかにじまんで昼食。新・ご当地グルメ「新かにめし」の紙の包みを開けると、真っ赤なベニズワイガニが姿を現した。同店は水産会社も経営しているため、新鮮なカニを安価に提供している。

 開運八社巡りの一つ、富益とみます神社に詣で、丘の上に立つ粟嶋神社には息を切らせながら参拝した。小さなお社なのに地元の人と行き交い、大事にされているのだろうと感じた。

  

 大山山麓の丘陵地に広がるのが妻木晩田むきばんだ遺跡。。史跡公園を含む遺跡は170ヘクタールに及ぶというので、文化財主事の家塚英詞さんと一緒に歩いた。1世紀後半の洞ノ原墳丘墓群は、四角形の四隅が伸びた四隅突出型の墓だという。「四隅突出型墳丘墓は出雲で多く見つかっている墓の形なので、当時何らかの接点があったのではないでしょうか」と家塚さんは説明する。

 ゆるやかな坂を下っていくと、高床倉庫が見えてきた。日本海を見晴るかす絶景だ。復元した竪穴住居の中に入ると、高い天井から光が漏れていた。1800年前、ここでどのような生活が営まれていたのだろう。遺跡からは900棟以上の建物跡が発見されており、大きなムラが形成されていたことが推定されるという。

[2日目]

米子車20分清水寺車35 分八重垣神社車15分ル レストラン ハラ オ ナチュレール車35分荒神谷史跡公園車5分出雲

 翌日訪れた安来やすぎ市の山中にある清水寺きよみずでらは開創1400年を超える古刹。そびえたつ石垣に圧倒されるが、「尼子あまご氏と毛利氏が争い、当寺は焼き打ちされました」という清水谷善曉ぜんぎょう執事長の話に歴史の一端を垣間見た。本堂の裏手に立つ三重塔は戦乱で焼失したが江戸時代、地元の信徒によって再建された。境内の宝物館で鑑賞できる摩多羅またら神像は本来秘神で、全国的にもかなり珍しい。

 松江に移動し、八重垣神社へ。縁結びの神様として有名で、若いカップルの参拝が絶えない。「夫婦和合のご神徳もあるので、年齢に関係なくご参拝ください」と宮司の佐草敏邦さん。

 松江の「ル レストラン ハラ オ ナチュレール」でランチを楽しんだ。オーナーシェフの原博和さんはクルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS瑞風みずかぜ」の料理監修をしており、豪華列車の料理を手軽に味わえる。「地元にこだわった野菜が自慢です。ボリュームもありますよ」と原さん。軟らかな牛ハラミにさわやかな酸味のソースが合う。

 荒神谷こうじんだに遺跡は考古学の歴史を一変させる大発見があった遺跡だ。1984年に道路工事の調査で偶然発見されたのは、358本の銅剣など2000年前の大量の青銅器。それまで全国で出土した銅剣の総数は300本余りだったから、その衝撃が分かる。全ての出土品は現在、国宝に指定されている。

 発掘現場は当時のまま保存されており、見学できる。ガイドの品川則之さんは「遺跡が身近に感じられるようになった発見でした」と言う。一部形状の異なる銅鐸があるなど、解明されていないことは多い。想像力をかきたてられるところこそ、古代の魅力なのかもしれない。

[3日目]

出雲車15分出雲弥生の森博物館車25分古代出雲歴史博物館徒歩5分出雲大社車25分万九千神社車20分出雲縁結び空港

 翌日は弥生の森博物館へ。博物館周辺にある西谷にしだに墳墓群の四隅突出型墳丘墓は、妻木晩田遺跡とは比べ物にならないほど大きい。9号墓は62m×55mもある。権力の象徴だったのだろう。

 館内ではジオラマを展示しているので、弥生人の鮮やかな服装や埋葬の様子を知ることができた。「1800年前は出雲が最も栄えた時代です。副葬品を見ると、岡山や北陸と交流があったと思われます」と学芸係長の三原一将かずゆきさん。交通が整備されていなかった弥生時代に人やモノの行き来があったことに驚いた。

 出雲大社を参拝すると、雲間から差し込んできた日が社殿を照らし、神々しく輝いた。その後、出雲大社に隣接する古代出雲歴史博物館で荒神谷の青銅器の数々と対面。発見現場で本物を見られなかったので、心待ちにしていた。壁一面にずらりと並ぶ様は圧巻だ。青緑色に輝き、ほぼ無傷の銅剣もある。神々の時代と古代の展示が隣り合っているのは出雲の博物館ならではだ。

 出雲に集まった神々が最後に立ち寄るという万九千まんくせん神社に行き、ドライブを終えた。

※下記Dataは2018年3月現在の情報です。

正福寺

正福寺

曹洞宗の寺院。本堂に水木しげるさんの妖怪画の原点になったとされる極楽や地獄を描いた六道絵りくどうえがある。

Data

9時~17時/無休/無料

☎0859-42-3834

かにじまん

かにじまん

水木しげるロード沿いにある食事処。ベニズワイガニ1杯のほか、大山茶そばや茶碗蒸し、お吸い物などがセットになった新かにめし1,500円。

Data

11時~18時/火曜休

☎0859-42-1520

因幡伯耆國いなばほうきのくに 開運八社巡り

富益神社

「福」の字を冠するなど縁起のいい八つの神社と今年の干支にちなんだ倭文しとり神社を訪ねる「開運八社巡り」。鳥取県内に点在する神社を巡ってご朱印を集めよう。

写真は境内に恵比寿社、荒神社、稲荷社がある富益神社

Data

☎0857-39-2111(鳥取県観光連盟)

粟嶋神社

粟嶋神社

中海に面した小高い丘の上に立つ少彦名命を祀る神社。

遥拝所

187段の石段を上った本殿の裏に出雲大社の遥拝所がある。

Data

☎0859-29-3073

妻木晩田むきばんだ遺跡

妻木晩田遺跡

米子の町並みや美保湾を望む丘陵に立つ妻木晩田遺跡の復元高床倉庫。

むきばんだ史跡公園

むきばんだ史跡公園

東西2km、南北1.7kmに及ぶ弥生時代の遺跡としては日本最大級の妻木晩田遺跡を整備した公園。土・日曜、祝日は火おこしなどの弥生体験のほか、GW明け~11月は発掘体験ができる(要確認)。

Data

9時~17時(7,8月は~19時)/第4月曜休、年末年始休/無料

☎0859-37-4000

ボランティアガイド

ボランティアガイド

むきばんだ史跡公園には園内を案内してくれるボランティアガイドがいる。(写真は公園スタッフの方)

Data

平日13時30分~15時30分、土・日曜・祝日10時30分~12時30分、13時30分~15時30分。12月~3月は要予約

清水寺

清水寺
清水寺

587年開創の天台宗の古刹。4万坪以上の広大な境内に最上階まで登れる三重塔や、国重文の阿弥陀如来像などを展示する宝物館がある。

執事長

執事長の清水谷善曉さん

Data

6時~18時(11月~3月は7時~17時)/無休/三重塔500円、宝物館500円(9時~16時、1週間前までに要予約)

☎0854-22-2151

紅葉館

精進料理紅葉館

清水寺の境内にある宿で、三重塔を正面に望む。豆腐をメーンにした精進料理を楽しめる(2,160円~)。

Data

11時30分~14時、17時30分~19時30分(夜は要予約)/不定休

☎0854-22-2530

八重垣神社

八重垣神社

素盞嗚尊スサノオノミコト稲田姫命イナタヒメノミコトを祀り、縁結びや夫婦和合の神社として知られる。

夫婦椿

境内奥の佐久佐女の森には、地上で幹が一つにつながる夫婦椿や、鏡の池がある。鏡の池では占い用紙に硬貨をのせて浮かべる縁結び占いができる。

Data

☎0852-21-1148

ル レストラン ハラ オ ナチュレール

ル レストラン ハラ

松江しんじ湖温泉駅近くにあるフランス料理店。ランチは1,450円と3,500円の2コースで、主菜は奥出雲和牛のハラムロースト(写真)など3種から選べる(1,450円のコースはメニューにより追加料金あり)。夜はおまかせのみ(5,000円~)。

ル レストラン ハラ

オーナーシェフの原博和さん

Data

11時30分~13時30分、18時~22時(要予約)/日・月曜休

☎0852-25-2010

荒神谷史跡公園

荒神谷史跡公園

銅剣358本、銅鐸6個、銅矛16本が出土した荒神谷遺跡のほか、出土時の映像やジオラマを展示する博物館、古代復元住居、ハス池などがある。

Data

博物館9時~17時/火曜休(祝日の場合翌日休)、年末年始休/205円(特別展はその都度)

☎0853-72-9044

出雲弥生の森博物館

出雲弥生の森博物館

1,800年前の四隅突出型墳丘墓や奈良時代にかけての55もの墓が残る西谷墳墓群に隣接する博物館。四隅突出型墳丘墓での葬儀を再現した1/10模型や、棺に納められたガラス製品などを展示している。

古墳

西谷墳墓群の古墳

Data

9時~17時/火曜休、年末年始休/無料

☎0853-25-1841

古代出雲歴史博物館

古代出雲歴史博物館青銅器

出雲大社や出雲国風土記、弥生時代の青銅器をテーマにした展示のほか、神話を映像で紹介するシアターもある。5月16日まで企画展「隠岐の黒曜石」を開催している(別途700円)。

Data

9時~18時(11月~2月は~17時)/第3火曜休(祝日の 場合は翌日休※変更の場合あり)/610円(企画展は展示により異なる)

☎0853-53-8600

万九千まんくせん神社

万九千神社

旧暦10月に出雲に集まる八百万の神が最後に寄り、直会(神宴)を催す神社。境内に立虫神社もある。

Data

☎0853-72-9412

第4回岬と花と大山と。フォトスポット名所巡り

宍道湖や中海、大山周辺は山陰地方(鳥取県、島根県)の中心エリア。
6回にわたって“山陰まんなか”を紹介する第4回は、「フォトスポット」がテーマ。
ファインダー越しに見えてくる山陰の自然と文化を体感しよう。

地図

2泊3日モデルコース

[1日目]

出雲縁結び空港車40分稲佐の浜車15分日御碕・まの商店車1時間10分一畑薬師車25分松江フォーゲルパーク車25分松江

 山陰に春嵐が吹き渡ると、海は澄み山は青く、夏にかけて輝くような景色が広がる。フォトスポットを巡るなら今! と、出雲縁結び空港からレンタカーで出発した。

 まずは出雲大社の約1km西にある稲佐の浜から海沿いを北上して日御碕ひのみさきへ。きらめく日本海が眼前に広がり、たちまち開放感に包まれる。一帯は国譲り・国引き神話の舞台。しかも日御碕には神の島である経島ふみしま、出雲大社の祖神おやがみとされる日御碕神社も鎮座する。断崖の灯台まで歩いてみると、足元の岩場が柱状節理ちゅうじょうせつりによる幾何学模様で埋め尽くされており、岩までもが神秘的と目を見張った。

  

 参道にはイカ焼きやみさき丼の店が並び、その一軒、まの商店へ。みさき丼とは日御碕の海鮮丼の総称だ。店主が「自慢の味!」と胸を張るヒラマサ丼を味わってから、一畑いちばた薬師へ向かう。

 山道を上って辿り着いた禅寺は、宍道湖しんじこや大山を遠望する深山の修行道場。座禅を体験してみると、聞こえてくるのは鳥の声や風の音だけ……。バシッと一喝してもらうと、不思議に肩の力みがとれて、呼吸が整い姿勢も安定した。「座禅をすると、身も心も風にとけ込んで自然の一部になったような感覚になります」と、管長の飯塚大幸さん。カメラを置き、心の目で大自然を感じてみるのも大切なのだと気付かされる。

 清々しい気分で山を下ると、待っていたのは花と鳥の楽園。松江フォーゲルパークでは1万株のベゴニアの花に囲まれたり、カラフルな鳥を腕にのせて餌をやったりと夢のような時間が楽しめる。

[2日目]

松江車30分天野紺屋車45 分とっとり花回廊車20分植田正治写真美術館車20分米子

 翌日は安来やすぎにある広瀬絣の里、広瀬町へ。広瀬絣は藍染め糸で織り上げる大きな絵柄が特徴で、戦前は多くの紺屋こうやが染めの技を競った。最後の一軒となった天野あまの紺屋を訪ねると、糸から染める伝統的な広瀬絣から布を染める独創的な型染めまで多彩な商品が並ぶ。奥の工房は昔ながらの道具が使われ、懐かしい雰囲気だ。第五代天野ひさしさんの気さくなトークにも引き込まれた。

 青々と風に波打つ田んぼ、石州せきしゅう瓦の家並みを眺めながら田舎道を一路、鳥取県南部町のとっとり花回廊へ。ここまで来ると霊峰大山が目の前だ。園内に咲き誇る花々を絡めて写真をパチリ。地元で「伯耆ほうき富士」と称される、均整のとれた山容が心に焼き付く。

 大山のアートな写真が撮れる名所もある。伯耆町の植田正治うえだしょうじ写真美術館だ。館内には「さかさ大山」の展望スポットが3か所ある。“演出写真”で世界的に知られる植田正治らしい仕掛けがある。

[3日目]

米子車10分岩崎観光ブドウ園車15分お菓子の壽城車40分江島大橋車1分山美世車15分大漁市場なかうら車10分米子鬼太郎空港

 3日目は、朝から岩崎観光ブドウ園でイチゴ狩り。熟した紅ほっぺのジューシーで甘いこと! ヘタの付け根までおいしく、後口は甘酸っぱい余韻に包まれる。

 幸せ気分でお菓子の壽城ことぶきじょうへ着いてびっくり。城と見まがう壮大な建物だ。モデルは米子よなご城で、総工費は24億円だとか。「先代会長が夢見たのがこの城と、おふくろの味である栃餅とともちの商品化でした」と、営業課の柴田晶彦さん。栃餅は今や看板商品。栃の実拾いやもち米栽培に従業員も参加して作るという自慢の味を土産に買った。

 壮大な建造物といえば、「ベタ踏み坂」の通称で有名な江島大橋も見逃せない。中海なかうみをまたいで境港さかいみなと市と松江市の江島を結んでおり、全長1446.2m。江島側から見るとまるで橋が空に向かって延び、巨大な坂に見える。

 そんな仰天風景を正面に望む地に今春、大根島のうなぎ処山美世やまみせが移転オープンした。1914年の創業以来、香ばしい関西風の焼き方と秘伝のタレで愛される老舗。女将の渡部和子さんによると、40~50年前までは中海で天然鰻がたくさん獲れたという。現在は養殖鰻を使っているが、長年鰻に親しんできた中海の食文化を大切に守り継ぐ。二階席で中海を見ながら特上うな重に舌鼓を打った後、境港で最後の買い物を楽しむ。

 大漁市場なかうらは、境港仲買組合の仲買人として目利きした質のいい魚介が自慢。「これからはサザエ、7月~9月は白イカもおいしいよ」と旬の情報を聞きながら選ぶのが楽しい。玄関前には巨大な石像「がいな鬼太郎」が鎮座。撮影旅の締めくくりは境港の“顔”とのツーショットで決まりだ。

※下記Dataは2018年4月現在の情報です。

稲佐の浜

稲佐の浜

大国主大神オオクニヌシノカミ建御雷神タケミカヅチノカミが国譲りの交渉をした伊耶佐いざさの小浜と伝わる。中央の弁天島は昔、はるか沖にあったが浜が広がり歩いて行けるようになったという。

Data

☎0853-53-2112(出雲観光協会)

日御碕ひのみさき

日御碕

奇岩や絶壁など迫力の景観が広がるなか、東洋一高い石積みの灯台が白く輝く。上部デッキへの参観料200円。海岸線には美しい松林と遊歩道が続く。

Data

☎0853-54-5400(日御碕観光案内所)

まの商店

まの商店

日本海のヒラマサを使った丼が15年来の名物という食事処。ブリよりも脂が少なく、さっぱりとした味わい。イカ、甘エビ、イクラも載って1,300円。

Data

8時30分~16時30分/不定休

☎0853-54-5201

一畑いちばた薬師

一畑薬師絵馬

平安時代から篤く信仰される「目のお薬師さま」。毎日大釜で沸かして祈祷したお茶湯が参拝者にふるまわれ、それを飲んだりまぶたに塗ったりして眼病平癒を祈る。日中座禅は10時30分と14時(1,000円、要予約)。ほかに夜の週末座禅会、朝がゆ座禅会などもある。写経は9時~16時(1回1,000円)。

Data

寺務所8時30分~17時/無休

☎0853-67-0111

松江フォーゲルパーク

松江フォーゲルパークバードショー

自家栽培のベゴニア約1万株で一年中華やかに彩られた楽園。回廊で繋がった丘陵の温室を周遊しながら90種類以上の世界の鳥とふれあえる。バードショーは毎日開催。4月からふくろうハウスも新登場。

Data

9時~17時30分(10月~3月は~17時)/無休/1,540円

☎0852-88-9800

天野紺屋あまのこうや

天野紺屋藍染

1872年創業。伝統の織布技を極める第四代と、感性を生かした糸染め、型染めを得意とする第五代が生み出す多彩な製品が魅力。藍染め体験もできる(手ぬぐい2,000円など、要予約)。

Data

10時~18時/不定休

☎0854-32-3384

とっとり花回廊

とっとり花回廊温室

大山を望む50ヘクタールの敷地に四季折々の花風景が広がる日本最大級のフラワーパーク。一周1kmの展望回廊や大温室、園内を15分で巡るフラワートレイン(300円)もある。

Data

9時~17時(季節により異なる)/7月、 8月、12月~3月の火曜休(一部開園日あり、祝日の場合は翌平日休)/1,000円(12月~3月は700円)

☎0859-48-3030

植田正治写真美術館

植田正治写真美術館

境港市に生まれ、生涯山陰で作品を撮り続けた写真家植田正治が晩年にアトリエをと望んでいた地、大山の麓に立つ。代表作「少女四態」をモチーフにしたモダンな建物に本人寄贈の作品1万2,000点を収蔵・展示。

上の写真は、ガラスに黒い帽子が描かれており、大山が帽子をかぶったオシャレな写真が実現する。“演出写真”で世界的に知られる植田正治らしい仕掛けだ。

Data

9時~17時/火曜休(祝日の場合翌日休)、12月~2月と展示替え期間休/900円

☎0859-39-8000

岩崎観光ブドウ園

岩崎観光ブドウ園

中海干拓地にある観光農園。イチゴの紅ほっぺを約5,500本高設栽培しており、6月までイチゴ狩り、8月~10月はブドウ狩りが楽しめる。

Data

イチゴ狩り10時~16時、1時間1,500円(要予約)/ぶどう狩り9時30分~日没まで、1時間1,200円

☎0854-22-6627

お菓子の壽城

お菓子の壽城赤とち餅

和洋多彩な菓子の試食や工場見学、展望台も楽しめる菓子のお城。名物の栃餅は写真左から白(6個760円~)、赤(8個830円~)、杵つき(8個1,340円)の3種。賞味期限が3日の赤とち餅はここでしか買えない。

Data

9時~18時/年末不定休

☎0859-39-4111

江島大橋

江島大橋

テレビCMで一躍有名になった「ベタ踏み坂」こと江島大橋。総事業費228億円をかけて2004年に完成した。約45mの高さがあり、5,000トン級の船が下を通過できる。

山美世やまみせ

山美世

今春、客席130の大型店舗として江島に移転したウナギ料理の老舗。島の井戸水に三日三晩泳がせてからさばいたウナギを、甘めのタレで関西風に焼き上げるのが伝統。特上うな重(4,266円)には大ぶりのウナギを一匹使い、ごはんの下にも蒲焼きを隠し入れる。

Data

11時~15時(持ち帰り~16時30分)/1月1日~7日、 11月16日休

☎0852-76-3198

大漁市場なかうら

大漁市場なかうら大漁市場なかうら

境港で水揚げされた旬の魚介をはじめ、一夜干し、饅頭、地酒も充実。食事処ではかにトロ丼(1,150円)が人気。像高7.7mの「がいな(大きいの意)鬼太郎」が目印だ。

Data

8時15分~16時30分/1 月1日~4日休

☎0859-45-1600

第5回古代の酒造りが伝わる蔵元巡り

“山陰まんなか”と呼ばれる宍道しんじ湖、中海なかうみ大山だいせん周辺には歴史あり自然あり美食あり。
全6回シリーズで見どころを伝える第5回は、地域の食文化と密接に繋がる地酒を求めて旅する。幻の酒米、名水、神話、出雲杜氏とうじの技など出会いがいっぱい。

地図

2泊3日モデルコース

[1日目]

米子鬼太郎空港徒歩5分米子空港駅境線14分境港駅徒歩2分千代むすび酒造 岡空本店徒歩2分境港駅境線37分富士見町駅徒歩10分日本料理心徒歩10分富士見町駅境線4分米子駅山陰線8分安来駅徒歩15分和鋼博物館徒歩15分安来駅山陰線20分松江駅

 “日本酒発祥の地”といわれる島根県と隣の鳥取県は酒造りの歴史が古いだけでなく、全国でも指折りの日本酒好き。成人一人当たりの消費量は島根と鳥取が西日本で一、二を占めるのだ。きっとうまい地酒があるに違いない。

※平成28年度国税庁統計年報告から作成した酒類販売(消費)数量等の状況表をもとに算出

 

 まずは境港の水木しげるロードにある千代むすび酒造岡空本店で酒蔵を見学(前日までに要予約、無料)。軽快なトークで案内する店長の山本修三さんは、かなりの左党だそうで、「鳥取、島根は水がいい。味のしっかりとしたうまい辛口酒ができるんです」と、説明にも地酒への愛がにじむ。

 1~2種類を無料試飲できると聞いて、鳥取県外不出の酒米、強力の純米吟醸を一口。どっと押し寄せる華やかな香りと甘み。ふくらみのある力強い味わいだ。

 旨い酒を飲むと、旨い料理が食べたくなる。境線の富士見町駅から徒歩10分の日本料理こころでは、食いだおれのまち大阪で食通を唸らせてきた料理人の宮吉さとしさんが境港から毎日仕入れる旬の魚を調理する。「新鮮な刺し身は塩で食べるのがうまいよ」と教わって試してみると、鯛やイカの繊細な旨みが引き立って甘みが増す。刺し身や炊き合わせ、天ぷら、茶碗蒸しを含む昼の膳「月」(1,620円)に大満足した。

 ところで、料理は包丁で味が変わるというが隣町の安来やすぎはハガネのまち。日本最古のたたら製鉄技術を受け継ぐヤスキハガネは、岐阜県関や大阪府堺など全国の刀匠に選ばれ続けている。その歴史資料が見られる和鋼博物館に寄ってみた。ショップには熟したトマトもきれいに切れる守谷宗光の包丁が並び、つい財布の紐が緩む。

[2日目]

松江駅バス15分李白酒造徒歩5分千手院徒歩15分堀川遊覧船乗り場バス8分松江しんじ湖温泉駅一畑電車27分一畑口駅徒歩15分佐香神社徒歩15分一畑口駅一畑電車11分雲州平田駅徒歩10分酒持田本店、トラットリア814徒歩10分雲州平田駅一畑電車21分出雲市内

 松江に宿泊し、翌日は松江城近くの李白りはく酒造へ。蔵見学はできないが試飲コーナーで10種類ほどを試飲しながら選べる。代表銘柄の李白は、口に含んだ瞬間にはっとするほど爽やかでキレが良い。理由は仕込み水を飲んで納得、キリッと澄んだ味なのだ。それでいて熟成香やコク、旨みもあり、まさに食前酒にうってつけだ。

 城下町の風情が残る周辺には同じ水脈の井戸水を使うしょう油店、豆腐店も。坂の上の千手院まで歩いてみると、松江城一望の見事な景観が待っていた。「歴代松江藩主の祈願寺でしたから、松江藩松平家七代藩主不昧公もここで城を眺められたことでしょう」とご住職。本堂には不昧公の筆による山号額がある。

 不昧公といえば、松江に茶の湯の文化を根付かせた大名茶人。没後200年の今年は各所で記念イベントが行われており、松江城の堀川めぐりでも「茶の湯堀川遊覧船」が運航中だ。特別仕様の舟に乗り、抹茶と和菓子で一息つこう。

 次は、一畑電車で出雲の酒蔵へ。その前に一畑口駅で途中下車して酒造の神様、佐香さか神社へ参拝したい。酒蔵を巡る旅なので、全国の酒造関係者が参拝するこの古社を素通りはできない。おいしい酒に出会える幸せを感謝した。

 その御利益か、「ヤマサン」の銘柄で知られる雲州平田の酒持田さけもちだ本店で出雲杜氏の岩成利いわなりとしさんに会うことができた。今冬の出来を伺うと、「山廃仕込みの酒がきめ細かくきれいにできたですわ。瓶に詰めて熟成させておりますので秋の仕上がりが楽しみです」と、一言一言に手応えと感動をにじませる。その時を待ち遠しく思いながら、購入したのは島根県固有の酒米佐香錦を使った純米吟醸。芳醇でふくらみがあり、キレとともに心地よい余韻が響いて幸福感に包まれる。「暑い日はロックで飲むとさっぱりしておいしい」と持田祐輔社長。

 同じく木綿街道沿いにあるトラットリア814では、シェフが愛飲するのは日本酒の水割りだ。イタリアンにも地酒はよく合うのだ。

[3日目]

出雲市内徒歩2分出雲大社徒歩10分手錢記念館徒歩10分神門通りバス35分出雲縁結び空港

 出雲市内に泊まり、翌日は7時30分から早朝参拝に参加。朝の境内は静かで一段と清々しい。案内人は出雲大社かたりべガイドの小池清尹きよたださんで、幼少期は境内が遊び場だったそう。歴史や建物のうんちくはもちろん、「黒松並木の参道の真ん中は神様の通り道だから歩いちゃいけないよ」など、出雲っ子が親から伝え聞く作法も教われる。

 早朝参拝が終わる頃、門前の神門通りはほとんどの店が営業前。朝食は宿に戻ってとるか、早朝参拝を食事付きで申し込もう。

 食後は、周辺をぶらぶら。神迎かみむかえの道沿いにある手錢てぜん記念館で不昧公好みの茶器を眺めるも良し、名物の出雲そばやぜんざい、作りたてのかまぼこを食べるも良し。立ち飲みできる酒店もある。神門通りへ出ると正面に出雲大社の大鳥居が。旅の収穫を感謝して心の中で一礼した。

※下記Dataは2018年5月現在の情報です。

千代むすび酒造 岡空本店

千代むすび酒造 岡空本店

1865年創業。山田錦、強力、五百万石など鳥取県産を中心とした酒米と中国山地の麓の地下水で酒を醸す。近ごろは岩牡蠣に合うライスシャンパンも人気。

千代むすび三酒造

千代むすび三酒飲みくらべ700円

Data

店9時~17時/無休、立ち飲みスペース10時~21時/水曜休

☎0859-42-3191

日本料理 心

日本料理 心

境港から毎日仕入れる鮮魚の刺し身や天ぷら、和牛品評会で日本一になった鳥取和牛のローストビーフも人気。夜は会席料理や一品料理で飲む人が多い。

日本料理 心

晩酌はワインという宮吉さんも鳥取、島根の酒を絶賛

Data

11時30分~14時、17時30分~22時/火曜、第1月曜休

☎0859-38-5656

和鋼博物館

和鋼博物館

砂鉄を原料にたたら製鉄法で生産される和の鋼の博物館。日本遺産認定のたたら製鉄用具250点、たたら絵巻「玉鋼縁起」を常設展示している。

和鋼博物館

館内のショップ(有)守谷宗光の三徳包丁6,912円~ 

Data

9時~17時(店10時~15時)/水曜休(祝日の場合は翌日休)/300円

☎0854-23-2500

☎0854-23-0503(店)

李白酒造

李白酒造

1882年、松江に創業。奥出雲の五百万石や神の舞、兵庫県の山田錦など酒造好適米のみを使い、名水と呼ばれる井戸水で仕込む。花酵母の使用など新時代の酒造りにも取り組む。

李白

元首相の若槻礼次郎が名付けた「李白」を試飲

Data

8時30分~18時(土・日曜、祝日10時~17時)/正月三が日休

☎0852-26-5555

☎090-9733-8539(試飲専用)

千手院せんじゅいん

千手院から望む松江城

千手院から望む松江城。
松江城築城の時、鬼門封じの寺として建立されて以来、国守代々の祈願所となった。本尊千手観音菩薩と不動明王はともに平安時代の作。春のしだれ桜、秋の紅葉など四季折々に美しい。本堂には不昧公の筆による山号額「尊照山」がある。

千手院
Data

9時頃~夕方/無休

☎0852-21-1791

茶の湯堀川遊覧船

茶の湯堀川遊覧船

松江の和菓子と自分で点てた抹茶を味わいながら約50分の堀川めぐりが楽しめる。茶道未経験でも船頭さんに教わりつつ楽しく気軽に。

船頭

笑顔が素敵な船頭の武田いさきさん

Data

11時~15時30分に6回運航/無休(天候により運休あり)/1,730円(抹茶・菓子付き、要予約)

☎0852-27-0417

佐香神社

佐香神社佐香神社

出雲国風土記に「百八十柱の神々が御厨を建てて酒を醸した」とある佐香郷(現・小境町)に鎮座する。主祭神は醸造を司る久斯神くすのかみ。古くから伝わる10月13日の特殊神事「濁酒祭」が有名。

Data

日の出から日の入りまで

☎0853-67-0007

木綿街道

木綿街道

島根県東部の平田町は宍道湖や船川の水運に恵まれ、古くから市場町として栄えた。江戸末期から明治初期にかけては、木綿の集散地として多くの商家が軒を連ねてにぎわった。今でも黒瓦やなまこ壁、格子窓の町家建築が残っている。

木綿街道

木綿街道沿いに立つ酒持田本店

酒持田本店

酒持田本店

1877年の創業以来、出雲杜氏の技を守り継ぐ木綿街道沿いの蔵元。島根の酒米と手作りの麹を使い、手間を惜しまず醸す酒は、古酒や梅酒も含めて20種類以上。酒蔵見学は試飲付き1,000円(2日前までに要予約)。

杜氏

この道60年以上という出雲杜氏の岩成利さん

Data

8時30分~18時30分/不定休 

☎0853-62-2023

トラットリア814

トラットリア814

木綿街道沿いにある小さなイタリア料理店。平田船川を眺めながらランチを味わえる。パスタかリゾットを選べ、サラダ、自家製パン、デザート付き1,500円(予約が無難)。夜は要予約のコースのみ3,000円~。

トラットリア814

出雲の酒と人が好きと話す前道シェフ

Data

11時30分~15時、17時~22時/火曜休

☎0853-27-9424

静寂の出雲大社 早朝参拝

静寂の出雲大社 早朝参拝

観光ガイドの案内で早朝の出雲大社を参拝する。7時30分に勢溜せいだまりを出発し、本殿参拝、神楽殿まで約1時間(食事付きの場合1時間40分)。

Data

9月までの土・日曜のみ(8月11日・12日を除く)※実施日の5日前までに申し込む/600円(軽食付き1,000円、朝食付き1,600円)

☎0853-53-2112(出雲観光協会)

手錢てぜん記念館

手錢記念館

酒造業の傍ら出雲の大年寄り、御用宿を務めてきた手錢家に伝わる膨大な歴史資料を所蔵。7月30日まで出雲文化の粋が感じられる特別展「不昧公が育んだ形と心」を開催。

Data

9時~16時30分/火曜休(祝日の場合は翌日休)、年末年始、展示替期間休/600円

☎0853-53-2000

最終回武将が覇を競った城と信仰の山

“山陰まんなか”と呼ばれる宍道しんじ湖、中海なかうみ大山だいせん周辺には歴史あり自然あり美食あり。
6回にわたって“山陰まんなか”を紹介してきた最終回は、戦国時代から江戸時代にかけて築城された松江城、米子よなご城、月山富田がっさんとだ城の三つの城とそれらを見守る霊山を巡る。城の立地や存在理由には意外な真実が……。

地図

2泊3日モデルコース

[1日目]

出雲縁結び空港車40分松江歴史館すぐホーランエンヤ伝承館すぐ松江城車5分松江しんじ湖温泉

 出雲縁結び空港から松江に着き北に向かうと、亀田山に築かれた黒壁と漆喰塗の対比が鮮やかな松江城の天守が見えてきた。城へ入る前に、松江歴史館で町の成り立ちを知る。堀尾氏が1611年頃に築城した町のジオラマを見ると、今とほとんど変わらない。平地に築かれた平山城なので、堀をめぐらせて守りを固めている。堀尾吉晴は天守が完成した年に亡くなったが、「松江開府の祖」として堀端に銅像が立っている。

 築城に当たって開削した塩見縄手を歩いてから本丸へ上がると、牛蒡ごぼう積みの石垣に立つ4重5階の天守が堂々たる姿を現した。中に入り、取り外し可能な急な階段を上る。最上階の天狗の間に通り抜ける風は心地よく、南にはきらめく宍道湖の湖面が見渡せた。

 夏場の日の入りは19時過ぎ。湖畔で夕日を観賞し、潮の気配を風に感じながら大橋川の河畔を散策。周辺には様々な飲食店がある。小料理屋「やまいち」はその日の食材が短冊に書かれて、カウンターの奥にズラリと並んでいる。地酒「豊の秋」に合わせておすすめを味わい、シジミの味噌汁で締めた。

[2日目]

松江しんじ湖温泉車45分吉田酒造車3分月山富田城車6分足立美術館すぐ鷺の湯温泉

 翌日は山間部を南下し、安来やすぎ市の広瀬へ。富田とだ川を挟んだ山の頂に石垣が浮かんで見える。戦国時代屈指の山城として知られる月山富田城である。1486年に戦国大名の尼子あまご氏の居城となったと思われ、その後西から攻めてきた毛利氏との戦いの場となった。堀尾吉晴・忠氏父子が松江に移る前の城主だった。

 本丸から最も遠いお子守口から上ると1時間かかるという。ガイドの荒木清純さんと城攻めをする覚悟で歩き始めた。千畳平という広い曲輪くるわへ上がると、広瀬の町並みを一望できた。石垣の上にやぐらが築かれていたことが発掘調査で分かったという。「江戸幕府の一国一城令で廃城になりましたが、堀尾氏は目立つところだけを壊したようです」と荒木さん。

 さらに10分歩くと、正面に七曲りが見えた。道は整備されていて歩きやすいが、急坂に息が切れる。三ノ丸まで上ると全貌が見渡せた。幅20mの尾根が200m続き、二ノ丸、本丸を形成している。城を攻め取った気分になっていたら、荒木さんに「二ノ丸と本丸の間は堀切で分断されています」と指摘された。ここで命を落とした兵もいたのだろう。

 刀折れ矢尽きて下山し、尼子氏の御殿湯だった鷺の湯温泉に宿を取る。隣に足立美術館があるので、横山大観の屏風絵や安来出身の陶芸家、河井寛次郎の作品を鑑賞して心静かに過ごしたい。枯山水庭は山城の荒々しさとは対照的な穏やかさだ。

 田園風景の只中にある鷺の湯温泉。疲れた体を湯にゆだねると聞こえてくるのは虫の音のみで、夢とうつつの間をさまよった。

[3日目]

鷺の湯温泉車25分米子(遊覧船乗り場)車3分米子城跡車35分大山ビューハイツ車5分大山寺徒歩15分大神山神社奥宮車50分米子鬼太郎空港

 3日目はまず米子へ。遊覧船で加茂川から中海へ出て、沖から米子城跡を眺めた。毛利氏の将として月山富田城に入った吉川きっかわ広家が築城し、広家が岩国に転封てんぼうになった後、1602年頃に完成したといわれる。「中海から水を引き込んで内堀とし、山頂には五重の天守を構える平山城で、山陰随一と謳われました」と城下町米子観光ガイドの岸本裕さんは解説する。

 1873年の廃城令以降、建物類は取り壊されてしまったため、町中からは石垣のある山としか見えない。しかし枡形虎口ますがたこぐちと呼ばれる二の丸への入り口は石垣の高さ、幅の広さから城の規模がかなりのものであったことを思わせる。二の丸は現在テニスコート4面、三の丸の一部が野球場になっていることでもうかがえよう。

 「秀吉の朝鮮出兵の際に築いた登り石垣と同じ形式の石垣が中腹に残っています。守りが堅いことを外に見せるための石垣です」と岸本さん。本丸までは15分。本丸の天守台からは標高90mとは思えない大展望が広がり、名城であると納得する。東に大山、西に目を転じれば中海の向こうに島根半島の山並みも望める。この景色を見るだけでも上る価値があるだろう。

 最後に今年開山1300年を迎えた大山に向かった。県道24号を駆け上がると、緑滴る参道にはさわやかな風が吹いていた。大山寺圓流院えんりゅういん住職の大館宏雄さんは「夏は下界と温度差が最も大きくなります。山全体がパワースポットですので、1300年守られてきた自然を体感してください」。

 大山寺から大神山おおがみやま神社奥宮おくのみやへ続く参道は、時が止まったかのような石畳の道。両翼50mもある奥宮の横には大山の登山口があり、登山者は参拝してから山を目指していく。戦国時代の武将たちも尊崇した名峰から望む景色はいかばかりだろうか。

※下記Dataは2018年6月現在の情報です。

松江歴史館

松江歴史館

基本展示では松江の歴史や文化を映像や資料で紹介し、8月1日~31日には松江城が国宝指定される決め手の一つとなった祈祷札を展示する。大名茶人として知られる不昧公好みの茶道具や自作の書画を展示する特別展「松平不昧―茶のこころ」を7月13日~8月26日に開催。

喫茶室

城を眺められる喫茶室

Data

8時30分~18時30分(10月~3月は~17時)/第3木曜休(祝日の場合は翌日休)/510円(特別展は別途)

☎0852-32-1607

ホーランエンヤ伝承館

ホーランエンヤ伝承館

日本三大船神事の一つとされ、10年に1回開催されるホーランエンヤを紹介する施設。レプリカの船もある。次回の祭りは2019年5月18日~26日。

Data

8時30分~18時30分(10月~3月は~17時)/第3木曜休(祝日の場合は翌日休)/200円(松江歴史館観覧者は無料)

☎0852-32-1607

塩見縄手しおみなわて

塩見縄手

松江城の北にある塩見縄手。老松が並び、武家屋敷やそば店なども

松江城

松江城

堀尾氏、京極氏、松平氏が居城とした松江藩の城で2015年、国宝に指定された。9月~10月は特別企画として夜間登閣が行われる(18時~21時)。

Data

天守8時30分~18時30分(10月~3月は~17時)/無休/560円(8月以降は670円)

☎0852-21-4030

湖畔からの夕日

夕暮れ

宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島が印象的な夕暮れ

やまいち

やまいち

大橋川の河畔にある1964年開店の郷土料理店。シジミやウナギなどの宍道湖七珍をはじめ、島根半島沖で獲れた魚介類、おでん、おばんざいを味わえる。写真は店主の山根克久さんと母の二子(つぐこ)さん

やまいち
Data

16時30分~21時30分(日曜、祝日は~21時)/不定休

☎0852-23-0223

吉田酒造

吉田酒造

安来市広瀬にある酒蔵。超軟水の仕込み水と主に島根県産米を使い、香りが高くキレのある日本酒を造っている。代表銘柄は「月山」。左から特別純米「出雲」1,240円、純米吟醸「涼夏」1,830円、焼酎柚酒「月柚 K.」1,450円、低アルコールの純米吟醸「美月」1,620円。

杜氏

もろみの状態を確認する杜氏の足立孝一朗さん

Data

蔵見学は基本的に不可

☎0854-32-2258

月山富田がっさんとだ

尼子

戦国時代に最大8か国を支配した尼子氏が拠点とした城で、城内には忠臣として尼子氏を支えた山中鹿介の像が立つ。

Data

☎0854-32-3357(安来市観光協会広瀬支部)

 

月山富田城

月山富田城の曲輪があった花ノ壇から三ノ丸を見上げる。崖のような急斜面だ。城を2時間で巡る定時ガイドは無料(3月~11月の第1土曜13時30分~)。一般のガイドは3,000円。

Data

ガイド申し込み☎0854-22-2210(安来市観光ボランティアガイドの会)

全国山城サミット

「山城の魅力と楽しみ方」をテーマに、月山富田城や京羅木山をガイドと歩く史跡見学会のほか、講演やパネルディスカッションが行われる。連携企画として5年に1回行われている戦国尼子フェスティバルを同時開催する(9月23日のみ)。

御城印

尼子、吉川、堀尾3氏の家紋や山中鹿介のシルエットをあしらった御城印(ごじょういん)。300円

Data

9月23日・24日

☎0854-23-3240(安来市教育委員会文化財課)

足立美術館

足立美術館

120点の横山大観をはじめ、近現代の日本画、陶芸など1,500点を所蔵し、3か月ごとに展示替えする。8月30日までの夏季特別展は「榊原紫峰と国展の仲間たち」。5万坪の日本庭園はアメリカの庭園専門誌で15年連続日本一に選ばれている。

庭園
Data

9時~17時30分(10月~3月は~17時)/無休/2,300円

☎0854-28-7111

加茂川・中海遊覧船

加茂川・中海遊覧船

白壁土蔵の古い町並みを眺めながら旧加茂川を下り、中海を巡って50分で戻る。サンセットクルーズなど他の時間の運航は要相談。

加茂川・中海遊覧船
Data

10時と14時の1日2便/12月~3月休/1,200円 

☎090-6837-2731

城下町米子観光ガイド

観光ガイド

米子城跡のほか、城下町、寺町銀座などのコースがあり、体験を含むコースもある。

米子城跡

米子城の本丸から見た大山

Data

要予約。1,000円~

☎0859-21-3007

大山寺

大山寺

尼子氏や毛利氏の崇敬を集め、江戸時代は幕府から3,000石を安堵された。1951年に再建された本堂(写真)のほか、国重文の阿弥陀堂、観音菩薩立像や鉄製厨子などを所蔵する宝物館がある。

Data

宝物館9時~16時/12月~3月休/300円

☎0859-52-2158

大山宝牛たからうしステーキ丼

ステーキ丼

大山山麓一帯で育った旨み成分のオレイン酸を多く含んだ大山宝牛のステーキを使った贅沢な丼。A4ランクのモモ肉を使い、温泉卵を載せている。大山ビューハイツなど大山寺周辺の11店舗で楽しめる(店舗によっては要予約)。

Data

大山ビューハイツ11時~16時/木・金曜休/1,300円

☎0859-52-2518

大神山神社奥宮

大神山神社奥宮

大神山は大山の古い呼び名。背後に大山がそびえる権現造の社殿は国重文。内部は白檀塗りで天井画も描かれた豪奢なもの。本社は米子市内にある。

Data

☎0859-52-2507

大山参道市場

大山参道市場

大山寺の参道に5月オープンしたアウトドアメーカーのモンベルが運営する商業施設。特産品の販売のほか、焼きたてパンやランチを楽しめるベーカリーカフェを併設している。

Data

10時~18時(5月~11月の土・日曜は7時~18時)/不定休

☎0859-52-6020

大山周辺のイベント情報

第3回「山の日」記念全国大会in鳥取

西日本では初めてとなる山の日の全国大会。大山町と米子市で記念式典やトークセッション、イベントが開催される。

Data

8月10日、11日

☎0859-31-9383

大山の大献灯

大山寺本堂前や大神山神社奥宮の参道などに和傘を置き、ライトアップする。

Data

8月10日~13日、24日~26日、9月22日~24日/19時30分~21時30分/300円

☎0859-52-2502

1,300本のたいまつ行列

大神山神社奥宮から1,300人がたいまつを持ち、「炎の河」となって行進する。今年は秋にも特別開催。

Data

9月30日/19時~/500円

☎0859-52-2502

山陰まんなか旅へのアクセス

■飛行機:
羽田空港から米子空港へ1時間15分、出雲空港へ1時間20分。
仙台空港から出雲空港へ1時間30分、
静岡空港から出雲空港へ1時間20分。
小牧空港から出雲空港へ1時間、伊丹空港から出雲空港へ50分。
福岡空港から出雲空港へ1時間5分。
■鉄道:
岡山駅から特急やくも2時間10分で米子駅、3時間で出雲市駅。
東京駅から寝台特急サンライズ出雲11時間で米子駅、12時間で出雲市駅。
■車:
中国道中国吹田ICから米子道米子ICまで241km、山陰道出雲ICまで311km。

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