JR九州の新たなD&S列車!「かんぱち・いちろく」に乗ってきた

個性的な列車が多いJR九州の観光列車。2024年4月から運行を開始した「かんぱち・いちろく」は博多駅から別府駅を結ぶ観光列車です。単なる移動手段ではなく、移動そのものが「旅」となる「かんぱち・いちろく」に乗車してきたので、リポートします!

2024年11月19日 更新 1,288 view Clip追加

※情報は記事公開時点のものです。営業時間や休業日など掲載情報から変更になる可能性があるため、お出かけの際は事前に公式HPなどでご確認ください。

目次

新たなD&S列車「かんぱち・いちろく」とは?

由布院駅停車中の「かんぱち・いちろく」

由布院駅停車中の「かんぱち・いちろく」

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JR九州では「観光列車」のことを「D&S列車」と呼んでいます。
「D」は特別な「デザイン(Design)」、「S」は運行する地域に基づく「ストーリー(Story)」で、「デザインと物語のある列車」という意味が込められています。

「かんぱち・いちろく」はJR九州が2024年4月26日に運行を開始したD&S列車です。
福岡県の博多駅から大分県の別府駅までの区間で運行され、沿線地域の風土や食材を最大限に引き出した観光列車です。
列車の名称は久大本線開通に貢献した麻生勘八氏と衛藤一六氏にちなんでつけられました。

コンセプトは「ゆふ高原線の風土をあじわう列車」
その土地の気候や地勢、そこから生み出される土地の食や風習、風景を五感で楽しめます。
車内は全席グリーン席で、沿線の食材を使用し、福岡・大分両県の魅力が詰まった食事を楽しめます。

運行ルートと運行スケジュール

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「かんぱち・いちろく」は福岡県の博多駅からゆふ高原線(久大本線)を経由して由布院・別府駅間を約5時間かけて1日片道1便運行します。(※木曜日運休)
主要駅は、博多、久留米、由布院、大分、そして別府で、福岡の都市部から大分の温泉地までを繋ぎ、沿線の自然と風土を楽しむことができます。
月曜・水曜・土曜には「かんぱち号」、火曜・金曜・日曜には「いちろく号」として運行されます。
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・特急かんぱち号(月・水・土)
博多駅12:19発→由布院駅15:41着→大分駅16:39着→別府駅16:59着
※博多駅は乗車駅、由布院駅・大分駅・別府駅は降車駅
おもてなし
田主丸駅13:22頃~(約12分停車)
恵良駅14:52頃~(約16分停車)
画像提供:JR九州 (239908)

via 画像提供:JR九州
・特急いちろく号(火・金・日)
別府駅11:00発→大分駅11:22発→由布院駅12:27発→久留米駅14:57着→博多駅15:47着
※別府駅・大分駅・由布院駅は乗車駅、久留米駅・博多駅は降車駅
おもてなし
天ケ瀬駅13:17頃~(約9分停車)
うきは駅13:58頃~(約20分停車)
画像提供:JR九州 (239907)

via 画像提供:JR九州

車両デザイン

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外観デザインは、つやのある黒。
車体にはゆふ高原線の路線図の路線図をあしらったゴールドラインが描かれています。
車体は走行中に黒色の外観に沿線の景色が映り込み、車両全体で沿線の景色を表現できるようにこだわったデザイン。

全席グリーン車の座席

座席はゆったりとした空間で、それぞれの車両には広々としたシートが配置されており、大きな窓からは美しい景色が広がります。

「1号車」は大分・別府エリアの温泉をイメージした赤いシート

1号車BOX席

1号車BOX席

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1号車は大分・別府エリアの火山や温泉を想わせる赤がベース。
テーブルは大分産の杉が使われています。
1号車ソファ席

1号車ソファ席

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「3号車」は福岡・久留米エリアの平野をイメージした緑のシート

3号車BOX席

3号車BOX席

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3号車は福岡・久留米エリアの平野や山々を想わせる緑がベース。
テーブルは福岡産の杉が使われた、落ち着いた空間です。
2~4名でゆっくり過ごせる半個室型のBOX席も備えています。
3号車BOX席

3号車BOX席

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1号車、3号車ともに1客室ずつある畳個室。
まるで和室にいるかのような感覚で、靴を脱いで畳の上で足を伸ばしてくつろげるので、子連れの家族やグループなどにおすすめです。
3号車畳個室

3号車畳個室

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1名あたりの旅行代金:「かんぱち・いちろく」乗車(JR券片道)+食事

BOX席(2~6名):大人18,000円 こども15,000円
ソファ席(2~3名):大人18,000円 こども15,000円
畳個室(4~6名):大人23,000円 こども19,000円
※2名BOX席の1名利用は13,000円の追加代金が必要です

2号車は一枚板の杉のテーブルが美しいラウンジ

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2号車は共用スペースとして自由に過ごせるラウンジで、由布院・日田エリアの風土をモチーフにデザインされています。
車両の内装全体では、1号車は大分・別府エリア、2号車は由布院・日田エリア、3号車は福岡・久留米エリアのイメージで、こだわりの順番になっていることに気づきます。

一枚板の杉を使ったカウンターテーブル

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まず入って目に付くのはカウンターテーブルです。
樹齢約250年の杉のご神木の一枚板で作られています。
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天井は日田の朝霧のイメージ。
列車に陽が差すと陽が揺らいだように見えます。
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下の絨毯は波のイメージ。
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飲み物や記念グッズなどを販売

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ラウンジではゆふ高原線沿線の美味しい食べ物や飲み物などを販売しています。
地元の特産品や列車のオリジナルグッズも販売されており、旅の記念やプレゼントにもおすすめ。
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小石原焼

小石原焼

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車内アートにも注目

右:滝図 左:湯煙図 (山室 淳平)

右:滝図 左:湯煙図 (山室 淳平)

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車内には至る所でアートを見ることができます。
10組のアーティストの24点の作品を設置しているので、探してみてください。
(※個室利用者以外は閲覧できないアートがあります)
乗車した方は、デジタルアートカタログで作品の説明を見ることができます。

見逃せない車窓はやっぱり「由布岳」

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乗車中に気になるのが車窓ではないでしょうか?
大分駅を出て、由布院駅まではのどかな風景が広がり、やがて由布岳が進行方向右、左と向きを変えながら見えてくるのが印象的でした。

車内で味わう九州の美食

曜日ごとに違う食事メニュー

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観光列車で楽しみなのはこだわりの食事。
福岡・大分の厳選された食材を使用し、曜日によって異なるメニューが楽しめます。
金曜日は和食(裏舌鼓のオモテナシ箱)

金曜日は和食(裏舌鼓のオモテナシ箱)

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私が乗った金曜日は和食で、大分市にある裏舌鼓(リゼッコ)の食事。
おおいた和牛のローストビーフや鮑の柔らか煮、あおさの味噌汁など、「海から山へ移ろう車窓の景色と大分の豊かな恵みを列車の風に乗せて味わうオモテナシ箱」。
食事メニュー
特急かんぱち号
・月曜 「中洲松」和食(福岡県)
・水曜 「味竹林」和食(福岡県)
・土曜 「FUCHIGAMI」イタリアン(福岡県)
特急いちろく号
・火曜 「Tomo Clover 大久保食堂」フレンチ(大分県)
・金曜 「裏舌鼓」和食(大分県)
・日曜 「兎と亀」和食(大分県)
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器にもこだわりがあり、オリジナルのお重が使われています。
大分県の日田杉を使い、お重の蓋には福岡県の伝統工芸品「小石原焼」のタイルが使われています。
このお重の蓋は6種類あるそう!

沿線のおもてなし

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「かんぱち・いちろく」では沿線地域の皆さまによるおもてなしがある「おもてなし駅」にそれぞれ2駅停車します。
停車駅では、地元の方々と触れ合いながら、どの土地の特産品の販売などが楽しめます。

天ケ瀬駅(大分県日田市)

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大分県日田市にある天ケ瀬駅は天ヶ瀬温泉のある駅です。
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天ヶ瀬温泉のお湯に浸すと文字が浮き出る珍しい湯みくじも!
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うきは駅(福岡県うきは市)

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福岡県うきは市にあるうきは駅はフルーツの栽培が盛んな地。
お土産には新鮮な果物やフルーツゼリーなどが販売されています。
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私はフルーツゼリーをお土産に買いました。
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うきは駅では停車時間が20分程あったので、沿線の風景とともに「かんぱち・いちろく」の全体像を撮ることができました。
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記念乗車証に記念スタンプも忘れずに…

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観光列車に乗ったら、記念乗車スタンプを忘れずに…
記念乗車証に押す場所があり、専用の台に差し込みスタンプを3種類同じところに押すと完成です。
列車が揺れるので、押す時にずれないようにご注意を!
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