震災の教訓を未来に伝える「熊本地震震災ミュージアムKIOKU」

2016年4月14日と16日に発生した熊本地震を後世に伝える「熊本地震震災ミュージアムKIOKU」。非常に貴重な震災遺構が見られたり、防災について詳しく学べる施設です。地震はいつ起こっても不思議ではありません。「熊本地震震災ミュージアムKIOKU」を見学して、自然とともに生きるために考えるいい機会を作りませんか?

2024年11月17日 更新 431 view Clip追加

※情報は記事公開時点のものです。営業時間や休業日など掲載情報から変更になる可能性があるため、お出かけの際は事前に公式HPなどでご確認ください。

目次

「熊本地震震災ミュージアムKIOKU」

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「熊本地震震災ミュージアムKIOKU」は熊本地震の記憶や経験、教訓を後世に伝える目的で2023年7月15日にオープンしました。
東海大学農学部のグランドの跡地に位置し、震災遺物の展示や震災当時の映像を使用したシアター、震災遺構の見学ができます。
地元のガイド約50人と運営し、地震のメカニズムや防災について学ぶためのプログラムも実施されています。
熊本地震から得られた教訓や経験を伝え、震災の当事者たちの声を残しながら、防災意識を高めることを目指しています。
崖崩れの跡

崖崩れの跡

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熊本地震

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熊本地震は4月14日21時26分、熊本県熊本地方でマグニチュード6.5、最大震度7の地震が発生。
その28時間後の4月16日1時25分に、再び熊本県熊本地方でマグニチュード7.3、最大震度7の地震が発生しました。
この地震で273名の犠牲者を出し、2,738人が負傷、被害は20万棟近くの家屋に及び、特に熊本城や阿蘇地域には甚大な被害がもたらされました。

地震の被害者は多いが、犠牲者は地震への規模を考えたら少ない方だったと言われています。
それは、夜間の発災であったことや、2日前の前震を体験して警戒を強めていた方が多かったからだとも言われています。

目を見張るリアルな展示物

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展示室1には、熊本地震の被災体験をリアルに伝える展示室。
震災当時の映像を用いた「熊本地震その時シアター」で震災の瞬間を体感できます。約10分間の上映時間を通じて、地震の恐怖や避難の様子などを追体験することができます。
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また、被災地から集められた震災遺物や被災状況を記録した写真が展示されており、当時の恐怖を感じられます。
展示物は、熊本地震の記憶を風化させないための重要な資料。
1時25分で止まっている時計や折れ曲がった阿蘇大橋の看板、被災した車など、貴重なものが展示され、その時を物語っているようです。
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地質学で見る熊本の大地

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展示室2では、熊本の大地の動きや特徴を学ぶことができます。
記憶の廻廊では、点在する震災遺構等をパネル展示で紹介しています。
熊本の地質学的特性に焦点を当て、巨大ジオラマで地形や断層帯震度分布等を確認することができます。
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ここに非常に興味深展示があります。
布田川断層帯のはぎとり標本で、東海大学阿蘇キャンパス内の地下断層を特殊な方法で採取し、線が描かれている下には断層の割れ目を見ることができます。
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見ておくべき貴重な震災遺構

震度6強の揺れを受けながらも倒壊しなかった建物と断層を一体的に保存している震災遺構が見られます。
国内では例を見ない非常に貴重なものです。

①地表地震断層

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この地下に断層がありそこがずれたことで、地面の隆起や亀裂、地面の横ずれとなり、その跡を間近で見ることができます。
実際に見ると迫力があります。
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②旧東海大学阿蘇校舎1号館

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建物の真下は①の断層が貫いていて、断層の活動による建物への影響を見ることができます。
東海大学の跡地の建物はもともと1つの建物でしたが、今は4つに分断されています。
地震のひずみがあり、そのまま残していると危ないので、あえて分断したそう。
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断層の上の揺れ方は他のところと違い、特に被害が大きいことがよくわかります。
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自然とともに生きるための今後の地震への備え

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熊本地震で被災した方の経験を通して、自然とともに生きるために私たちはどうしたらよいか、考えを深めることが大切です。
地震はいつ来るかわからない、いつでも「自分事」だと思って問いただすようなプレートが各所にあり、考えさせられる場面がたくさん。
被災地の実情を知ることで防災意識が高まります。
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展示室3では、熊本地震の教訓と自分事化や日頃の備えなどについて展示しています。
被災して避難生活を送った人は、地震への備えはもちろんのこと、避難生活への備えもしておくべきだった、生き残った後への備えも必要なんだというのが、被災して一番思ったことだそうです。

企画交流ラウンジ

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企画交流ラウンジでは、語り部との交流や関係機関による企画展示等を通して、熊本地震や防災に関する学びを深めていく場所を設置しています。
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避難生活ではトイレが一番困ったことだそうです。
ラウンジには携帯トイレや防災食、防災グッズの販売もしています。
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【所在地】
熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽5343-1

【営業時間】
9:00~17:00(最終入館16:30まで)

【定休日】
毎週月曜日(祝日の場合は翌平日が休館)・年末年始(12/29~1/3)

【アクセス情報】
JR豊肥本線赤水駅から徒歩約47分
熊本市中心部から車で約1時間10分
阿蘇くまもと空港から車で約40分

「阿蘇大橋」から地震の経験を生かした構造の「新阿蘇大橋」へ

熊本復興の象徴

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阿蘇大橋は2016年4月16日に発生した熊本地震によって、大きな被害を受け橋脚が崩落しました。
その後継として建設されたのが、元の場所から600m下流にある「新阿蘇大橋」です。
熊本地震の5年後、2021年3月7日に開通し地元住民や観光客にとって重要な交通手段となっています。
全長は525メートル、車道幅は9.5メートルで設計され、最大橋脚の高さは97メートルに達し、最大支間長は165メートルです。
実はこの橋の下を断層が横断しているため、またいつか来るかもしれない地震のために亀裂や地盤変状に対する配慮がなされ、落橋のリスクを最大限に低減する工夫が施されています。
震災の影響を受けた地域の特性を考慮しながら、最新の耐震技術が導入された代表的な例です。

橋のたもとには「新阿蘇大橋展望所 ヨ・ミュール」があり、休憩所やトイレ、ジェラートが楽しめる売店も併設しています。
【所在地】
熊本県阿蘇郡南阿蘇村立野

【アクセス情報】
熊本市中心部から車で約1時間

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