美しいジョルナイタイルで装飾された屋根と高さ80mのゴシック様式の尖塔が印象的なマーチャーシュ教会は、13世紀に建築された後、16世紀にはオスマントルコによりモスクとして使用されたり、19世紀には大改修を受けるなどし、現在の姿になっています。ハンガリーの輝かしい1ページを書き上げた国王の名を取り「マーチャーシュ教会」と呼ばれていますが、歴代国王の戴冠式もここで行われ、かの王女エリザベートの戴冠式も行われました。壮麗な外観と共に、緻密なステンドグラスやアジアを感じる内装が見所です。

初代国王聖イシュトヴァーンの名を冠した教会は高さ96mのドームを持つブダペストで最も大きな教会で、19世紀半ばに建設が始まり、およそ50年かけて完成されました。堂内の中央の祭壇にはキリストではなく建国の父聖イシュトヴァーンの像が置かれ、「聖なる右手の礼拝堂」内部には最も重要な聖遺物である同国王の右手のミイラがあり必見です。また、直径22mのドームの周囲には展望テラスがあり、ペストの街を一望できます。

漁夫の砦はハンガリーの首都ブダペストのブダ地区・王宮の丘の一角に位置し、ドナウ河の漁師がこのあたりを守っていたこと、このあたりに魚市場があったから名付けられた。三角の屋根を持った7つの丸塔からなる、白い石造りのネオ・ロマネスク式の建物。

歴代国王の城であった王宮の丘に建つブダ王宮は14世紀に完成し、その後増築を繰り返しながら700年にわたり使用されました。第2次世界大戦末期に独軍の手により壊滅的に破壊されましたが、戦後国民の努力により現在のバロックやゴシック様式の混在した姿に再建されました。現在、王宮内はハンガリー人芸術家の作品や美術品を収蔵した国立美術館とブダペスト歴史博物館、国立セーチェーニ図書館が入っています。また、王宮のテラスからの眺めも格別で、くさり橋と国会議事堂を入れたシーンはお勧めの写真フレームです。

英雄広場は、世界遺産アンドラーシ通りの突き当たりに、マジャル人定住1000年を記念して1896年に建設されたペスト側のランドマークです。広場の中央には無名戦士の墓があり衛兵により守られています。その背後の36ｍの塔には大天使ガブリエルの像が、その下にはマジャル7部族の族長達の像が、さらにその背後には扇形に国王や政治家、芸術家など14人の像が建ち並んでいます。また、広場に面して左には国立西洋美術館が、右には国立現代美術館が建っています。

くさり橋はブダ地区とペスト地区を結ぶ最初のドナウ川に架けられたつり橋で、正式にはこの橋の立案者の名を冠し、セーチェーニ・くさり橋といわれ、19世紀半ばに2千トンの鋼材を使って建設されました。橋の構造に自転車のチェーンのような鉄板とピンを用いた事からくさり橋と呼ばれ、長さは380mあり、のんびり歩きながら世界遺産の景観を楽しむことが出来ます。ほぼ同時期に王宮トンネルが完成したので、子供たちに「雨が降ると高価な橋が汚れるので、トンネルの中にしまう」と語り継がれています。