新教会はデルフトのマルクト広場に面した場所に、王宮と並んで建つ後期ゴシック様式の教会です。14世紀末から100年かけて建造されたプロテスタント教会で、聖女カタリナ教会とも呼ばれます。19世紀初頭以降、国王（女王）の戴冠式が執り行われてきた格式高い場所でもあり、現女王のベアトリクス女王も1980年にここで即位しました。また歴代の女王・王をはじめとするロイヤルファミリーのお墓もここにあります。

新教会の向かい側に、ルネサンス様式の壮麗な市庁舎が建っています。13世紀に造られ、1618年の大火で、塔を残してほとんどが焼け落ちました。現在の市庁舎は、その跡地にヘンドリック・ケイゼルにより再興されたものですが、後方の監獄塔は唯一残った部分で、13世紀のゴシック様式です。オランダでは現在も結婚式は市庁舎で行うのが一般的であり、画家ヨハネス・フェルメールも1653年4月5日にカタリーナ・ボルネスと、この由緒ある市庁舎で結婚式を挙げました。

デルフトは、ロッテルダムとデン・ハーグとの中間に位置する、中世の面影を運河の水面に映す美しい街です。オランダが繁栄した17世紀に、中国やペルシャ、日本の伊万里焼などの陶磁器に影響を受けて、デルフト焼と呼ばれる青を用いた独特の陶器が生み出されました。デルフト焼工房では絵師が作業をする様子や陶器が制作される過程を見学したり、染付け体験をすることで、300年以上の歴史を受け継いできたデルフト焼を身近に感じていただけます。※緯度経度が実際の場所を異なる可能性がございます。