読書の秋におすすめ！日本全国小説の世界を巡る旅

この度2024年1月1日に発生した能登半島地震により、被害状況によっては営業されていない場合がございます。

【北海道美深町】「羊をめぐる冒険」村上春樹

主人公の「僕」の親友・鼠から送られてきた写真をきっかけに、「僕」とガール・フレンドは北海道へと旅立つ。
羊たちの群れを写したその写真には、背中に星模様のある羊が紛れ込んでいた。ある人物からの依頼を受け、その羊を見つけ出す不思議な冒険の旅がスタートする。

物語中に「十二滝町」と呼ばれる架空の町が登場しますが、ファンの間ではそれが「美深町」で
はないかと言われています。

松山農場とファームイン・トント

主人公たちが羊を探しにやって来る、「めん羊牧場」と宿のモデルになったと言われています。
お宿「ファーム・トント」の目の前には草原が広がっており、約300頭の羊が放牧されています。
松山農場のアイスクリームもぜひご賞味下さい！

松山湿原

標高約8 0 0m にある最北の高層湿原。
山の上の別荘に向かうシーンに描かれた台地の光景によく似ています。

【青森県】「津軽」太宰治

出版社からの依頼で、太宰治本人の故郷である津軽地方を旅する、紀行文のような作品。
各土地で、旧友・恩人をはじめ多くの津軽の人々との心温まる出会いがある。
太宰は「陰」の部分を描いた作品が多い中、この作品は「陽」の部分を描いた特異な位置を占める作品である。

太宰治は生まれてから約20年間を津軽で過ごしていたが、津軽の知っている場所はごく一部。
約3週間で津軽半島を一周し、故郷を再確認する旅になったという。

太宰治記念館「斜陽館」

主人公は竜飛を訪れた後、生家を訪れています。
生家は現在、太宰治記念館となっており、太宰が生まれる2年前に父である津島源右衛門によって建てられた豪邸です。

千畳敷

主人公は父の生家を訪れた後、深浦町へ向かっています。
深浦町の景勝地のひとつである、「千畳敷」の名前の由来などが語られています。

【岩手県花巻市】「銀河鉄道の夜」宮沢賢治　

主人公ジョバンニは、苦しい家計を支えるため仕事をしていた。
学校ではいじめられていたが、カムパネルラだけは優しくしてくれた。
ある日、みんなからいじめられたジョバンニは、誰もいない暗い丘に寝転んで星を見上げていた。
気付くと夜の軽便鉄道の車室に座わり、ジョバンニとカムパネルラの2人の幻想の旅が始まる。

幻想的な情景描写が独特な作品の舞台は、宮沢賢治の故郷、岩手県の花巻市を中心とした場所だと言われています。
宮沢賢治の故郷・花巻市を訪れ、作品の世界にどっぷりと浸かってみませんか？

イギリス海岸

プリオシン海岸のモデルとされ、作品内ではジョバン二とカムパネルラが訪ねた場所です。

JR釜石線めがね橋

遠野市を走るJ R釜石線が銀河鉄道のモデルではないかと言われています。
夜にはライトアップされ、とても幻想的。
作品のイメージにピッタリです。

【神奈川県鎌倉市】「ビブリア古書堂の事件手帖」三上延

鎌倉の片隅で営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。
その店主は店のイメージに合わない若くきれいな女性。
初対面の人と口もきけない人見知りだが、古書の知識は並大低ではない。
この古書堂の客たちは古書だけではなく、多くの謎も運んでくる。
彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように見事に解き明かしていく。

TVドラマや今年には映画化もされるライトミステリー。
北鎌倉の架空の古書店を舞台にした作品。

鎌倉小川軒レーズンウィッチ

主人公・栞子の入院のお見舞いに大輔が持ってきたレーズンサンドは、鎌倉小川軒のもの。

鎌倉文学館

ビブリア古書堂が所有する太宰治の「晩年」を展示した文学館のモデル。
作品の特別展も同文学館で開催されました。

【新潟県湯沢町】「雪国」川端康成

親の財産で、気ままな生活を送る既婚者の島村は、雪深い温泉町で芸者の駒子と出会う。
許婚者療養費を作るため芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらも、島村はゆきずりの愛以のつながりを持とうとしない。
冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の烈しい情熱を、哀しくも美しく描く。

川端本人が越後湯沢に滞在し、作品の舞台として描いています。
現在でも作品のモデルとなった場所が残っており、当時を偲ぶことができます。

JR上越線清水トンネル

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の冒頭のモデルのトンネル。
水上～越後湯沢を結んでいる。

雪国の宿高半「かすみの間」

主人公・島村が滞在していた宿が、高半。
川端本人も実際に滞在し『雪国』を執筆していた部屋を見ることができる。

雪国の宿　高半

高半の自慢は九百余年かわらず沸き続けるかけ流しの天然温泉と遠く三国山脈を一望出来る湯沢一の眺望です。この素晴らしいロケーションを絶賛し、小説「雪国」を川端　康成が執筆されました。

【三重県神島】「潮騒」三島由紀夫

青い海に浮かぶ南の小島・歌島を舞台に繰り広げられる純愛物語。
漁師の青年・新治と海女の少女・初江が島で出会い恋に落ちる。
しかし、彼らに嫉妬する島の青年部会長や、初江の父の妨害によって仲を裂かれながらもお互いの愛を信じて貫き、ついには結ばれる。

伊勢湾口に浮かぶ小島・神島が舞台。
雄大な海の景色と細い路地が入り組む漁村ならではの雰囲気が魅力の島です。

八代神社

新治と初江がお参りに訪れた神社の舞台。
社殿には国の重要文化財も多く残されています。

神島

周囲約4kmの小さな島。
小説の舞台としてだけでなく、映画やドラマのロケ地としても知られています。

監的哨跡

主人公の2 人が嵐の日、廃屋の中で裸で抱き合うという、クライマックスシーン。
その舞台となった場所です。

【京都府京都市】「檸檬」梶井基次郎

主人公の「私」は、「えたいの知れない不吉な塊」に悩まされ、なかなか思い通りにならず、イライラ。
そんなある日、京都の町をあてもなくさまよい歩き、心惹かれたレモンを購入し、ふと洋書店の画集の上に乗せてみる。
爆弾を仕掛けたという空想のなかに逃避する「私」の姿を通し、青春期の不安を表現した作品。

主人公がレモンを洋書店の書棚に置く、メインとなるシーンを体感できる。

丸善京都本店

主人公がレモンを書店の画集の上に置いたというのが、丸善。
現在は京都BAL内に移転。
しかし、今でもファンが訪れるため、店内にレモン置き場が設置されています。

併設のカフェでは「檸檬」の世界観が味わえるレモンスイーツを販売。

【岡山県岡山市】「でーれーガールズ」原田マハ

1980年と現代の2つの時代に、岡山県岡山市を物語の舞台として、恋と友情を描いた青春物語。
東京から岡山に転校してきた佐々岡鮎子は無理に方の「でーれー(すごい)」を連発し、クラスメイトの武美に馬鹿にされていた。
恋人との恋愛を描いた漫画を偶然、武美に読まれたことから、2人は急速に仲良しに。
大切な友だちに会いたくなる、感動の青春小説。

映画化もされた、30年の時を越えた恋と友情の物語。
著者が岡山出身のため、岡山のスポットが多く登場。