関西学院大学 大学院 社会学研究科 研究員 広尾 克子さん
日本旅行を退職後、関西学院大学社会学研究科に入学。
カニを食べる目的の旅行を「カニツーリズム」と名付け、カニの名産地でのフィールドワークのほか、カニを扱う飲食店の歴史など、幅広くカニの食文化を研究する。
カニを食べる目的の旅行を「カニツーリズム」と名付け、カニの名産地でのフィールドワークのほか、カニを扱う飲食店の歴史など、幅広くカニの食文化を研究する。
カニを食べるのは関西の冬の風物詩
関西地方では、カニを食べることが冬の恒例行事であり、醍醐味のひとつ。
自宅ではなく、北陸や山陰地方などの産地まで直接出向くのが一般的です。
それゆえ、カニ漁の解禁日である11月6日が近づくにつれ、旅行会社のパンフレットラックにはカニの旅行商品がずらり。
自宅ではなく、北陸や山陰地方などの産地まで直接出向くのが一般的です。
それゆえ、カニ漁の解禁日である11月6日が近づくにつれ、旅行会社のパンフレットラックにはカニの旅行商品がずらり。
福井県の「越前ガニ」、山陰地方の「松葉ガニ」、兵庫県の「津居山ガニ」など、日本海側の各地で漁獲されるズワイガニを目当てに、関西を中心に観光客が押し寄せます。
西は岡山県から東は愛知県まで続くこの現象を、私は〝カニツーリズム〞と呼び、毎シーズン研究を続けています。
このカニツーリズム、古くは1970年代から企画され当時はかなりの贅沢でした。
しかし、旅行会社や観光地、漁協などの努力の結果、今では大学生から年配の方まで幅広い年齢層に親しまれ、バスツアーや専用列車も運行されるほど好評を博しています。
西は岡山県から東は愛知県まで続くこの現象を、私は〝カニツーリズム〞と呼び、毎シーズン研究を続けています。
このカニツーリズム、古くは1970年代から企画され当時はかなりの贅沢でした。
しかし、旅行会社や観光地、漁協などの努力の結果、今では大学生から年配の方まで幅広い年齢層に親しまれ、バスツアーや専用列車も運行されるほど好評を博しています。
産地に出向いてカニを食べる3つの魅力
①豪勢で華やかなルックス
ツアーのお宿で提供される食事では、一杯丸ごとのカニが出てくることもしばしば。
真っ赤な甲羅を目前に、少し苦労しながら身を取り出してかぶりつく。
これこそカニ好きアドレナリンが放出される瞬間なのです。
真っ赤な甲羅を目前に、少し苦労しながら身を取り出してかぶりつく。
これこそカニ好きアドレナリンが放出される瞬間なのです。
②段違いに美味しい味わい
「新鮮なカニならば美味しいのは当然」。
そう思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、美味しさの秘訣は調理方法にあるのです。
現地では「目利き10年、茹で一生」という言葉もあるほどで、状態の良いカニを目利きして選ぶよりも、カニを上手に茹でることの方が難しいとされています。
この茹でガニを筆頭に、産地でプロの手によって調理されたカニの味は格別です。
そう思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、美味しさの秘訣は調理方法にあるのです。
現地では「目利き10年、茹で一生」という言葉もあるほどで、状態の良いカニを目利きして選ぶよりも、カニを上手に茹でることの方が難しいとされています。
この茹でガニを筆頭に、産地でプロの手によって調理されたカニの味は格別です。
③冬の日本海を訪れる風情
日帰りでもカニと日本海の冬景色を満喫できるので、週末のプチ贅沢として、長く愛されてきました。
関東でもカニ旅行に注目!
関西地方では、カニと言えば「ズワイガニ」ですが、国産のズワイガニは漁獲量が少ないため、都市へ流通しないのです。
ですから、関西の方は新鮮なカニを現地まで食べに旅行するのが一般的になっているようです。
また、関東地方ではカニと言えば北海道の「毛ガニ」や「タラバガニ」が主流で、冷凍のものをお取り寄せなどして、自宅で食べることが多いようです。
しかし、2015年の北陸新幹線の開通以来、北陸地方には関東からの旅行者が増え、カニの需要が高まっているそう。
特に街の歴史や雰囲気を楽しみながら、カニやその他の食事を楽しむ方が多数です。
関東の方は食事を楽しむだけでなく、カニのセリに行くなどの体験と食を組み合わせた旅が人気のようです。
体験の先にある〝食を楽しむ〞という、関東ならではの〝カニツーリズム〞にも今後は注目したいですね。
ですから、関西の方は新鮮なカニを現地まで食べに旅行するのが一般的になっているようです。
また、関東地方ではカニと言えば北海道の「毛ガニ」や「タラバガニ」が主流で、冷凍のものをお取り寄せなどして、自宅で食べることが多いようです。
しかし、2015年の北陸新幹線の開通以来、北陸地方には関東からの旅行者が増え、カニの需要が高まっているそう。
特に街の歴史や雰囲気を楽しみながら、カニやその他の食事を楽しむ方が多数です。
関東の方は食事を楽しむだけでなく、カニのセリに行くなどの体験と食を組み合わせた旅が人気のようです。
体験の先にある〝食を楽しむ〞という、関東ならではの〝カニツーリズム〞にも今後は注目したいですね。
ブランドガニを産地に食べに行こう!
カニは日本各地で水揚げされ、食べられていますが、そのなかでも味と価格ともに高級とされているのが「ズワイガニ」です。
水揚げされた場所によってズワイガニがブランド化され、さまざまな名前で呼ばれています。
主なブランドガニと、その産地をご紹介しましょう。
水揚げされた場所によってズワイガニがブランド化され、さまざまな名前で呼ばれています。
主なブランドガニと、その産地をご紹介しましょう。
【北陸地方】越前ガニ・加能(かのう)ガニ
福井県で水揚げされたものは「越前ガニ」、石川県で水揚げされたものは「加能ガニ」と呼ばれています。
暖流と寒流が交わる栄養豊富な海で育った越前ガニは、身がぎっしりと詰まりプリプリとしているのが特徴です。
また、加能ガニは、たっぷりと詰まった身は繊細でありながら、濃厚なミソは極上な味わいです。
暖流と寒流が交わる栄養豊富な海で育った越前ガニは、身がぎっしりと詰まりプリプリとしているのが特徴です。
また、加能ガニは、たっぷりと詰まった身は繊細でありながら、濃厚なミソは極上な味わいです。
越前ガニが食べられるオススメのお宿は「あわら温泉 グランディア芳泉」。
釜茹ガニが1人1杯付いた「極上越前がに付 蟹三昧懐石」など、カニプランが豊富。露天風呂付、和洋室などシーンに合わせた客室が揃います。
釜茹ガニが1人1杯付いた「極上越前がに付 蟹三昧懐石」など、カニプランが豊富。露天風呂付、和洋室などシーンに合わせた客室が揃います。
【山陰地方】松葉ガニ
鳥取県で獲れるズワイガニのことを「鳥取松葉ガニ」と言い、身がぎっしりと詰まり上品で優しい味わいが特徴。
鳥取では「冬の味覚の王者」と呼ばれています。
また、島根県で獲れたものは「隠岐松葉ガニ」と呼ばれ、カニ篭で獲るためキズやカニのストレスが少なく、繊細な味わいです。
鳥取では「冬の味覚の王者」と呼ばれています。
また、島根県で獲れたものは「隠岐松葉ガニ」と呼ばれ、カニ篭で獲るためキズやカニのストレスが少なく、繊細な味わいです。
松葉ガニが食べられるオススメのお宿は「三朝館」。
活松葉ガニを使用した「カニづくし会席」は、刺身、茹で、焼きなど、松葉ガニを存分に味わえます。
「ばら妃乃湯」は女性に人気。
活松葉ガニを使用した「カニづくし会席」は、刺身、茹で、焼きなど、松葉ガニを存分に味わえます。
「ばら妃乃湯」は女性に人気。
【京都府】間人(たいざ)ガニ
京都の丹後町・間人漁港で水揚げされるズワイガニのことで、漁獲量も少なく「幻のカニ」と呼ばれています。
水揚げしたその日のうちにセリに掛けられるため新鮮。
品質・味ともに最高で、他のズワイガニより脚が長いと言われ、見た目も美しいのが特徴です。
身の繊維がしっかりとして、豊かな弾力があります。
水揚げしたその日のうちにセリに掛けられるため新鮮。
品質・味ともに最高で、他のズワイガニより脚が長いと言われ、見た目も美しいのが特徴です。
身の繊維がしっかりとして、豊かな弾力があります。
【兵庫県】津居山(ついやま)ガニ
兵庫県を代表する冬の味覚で、城崎温泉近くの津居山港で水揚げされたズワイガニのこと。
なかでも新鮮さがウリで、その日に水揚げされたものは、その日持ち帰る「日帰り操業」という漁が特徴。
ぎっしりと詰まった甘い身は刺身やしゃぶしゃぶにぴったりで、カニ味噌はとても濃厚です。
なかでも新鮮さがウリで、その日に水揚げされたものは、その日持ち帰る「日帰り操業」という漁が特徴。
ぎっしりと詰まった甘い身は刺身やしゃぶしゃぶにぴったりで、カニ味噌はとても濃厚です。
ズワイガニの美味しい食べ方
刺身
ズワイガニは新鮮さがウリで、活けガニとして生のまま食べられるのも現地ならでは。
トロッとした食感と甘さを味わえます。
トロッとした食感と甘さを味わえます。
焼き
カニ味噌の美味しさが十分に味わえるのは焼き。
甲羅を炭火で焼き、焼いた身にカニ味噌を付けて食べるのも◎。
甲羅を炭火で焼き、焼いた身にカニ味噌を付けて食べるのも◎。
カニすき・カニ鍋
カニのエキスが十分にしみ出したスープが絶品。
冬には体もポカポカに温まる贅沢な逸品です。
締めの雑炊まで楽しめます。
冬には体もポカポカに温まる贅沢な逸品です。
締めの雑炊まで楽しめます。
茹で
塩茹でされていることが多いので、素材の味そのまま味わうためにも、何も付けずにそのまま
食べるのがオススメ。
食べるのがオススメ。
冬の味覚!カニと温泉を満喫しよう!
カニがおいしい冬!美味しいカニ料理に舌鼓を打ち、泉質のいい温かい温泉で身も心も温まりましょう!
至福のひと時を味わいに旅に出ませんか?
至福のひと時を味わいに旅に出ませんか?
カニ旅行・カニツアー特集~冬の味覚「かに」を堪能~
冬の味覚の王様「カニ」の旅行プランをご紹介します。北陸の越前ガニや鳥取の松葉ガニ、兵庫県の津居山ガニなど、絶品タグ付ガニ、ズワイガニを堪能する冬の味覚旅。焼きがに、カニすき、ゆでがになど、美味しい食べ方色々のカニを堪能する旅に行こう。