雄大な釧路湿原をディーゼルカーが牽引してゆっくり走る「くしろ湿原ノロッコ号」。
指定席は湿原のパノラマを楽しめるよう、台車を一段高くし、窓を大きく取った専用列車です。
今回は釧路湿原駅から塘路駅間を往復乗車しました。釧路川の蛇行を実感できる展望スポットでは、ゆっくりと徐行してくれるので、自然の造形を存分に楽しむことができます。
終点の塘路付近では、車窓から鹿に出会うことができ、列車内は大変な盛り上がり。
車内スタッフからは、記念の乗車証明書をいただけます。窓は一部開放式となっているので、秋には少し防寒を。

釧路市民の憩いの場、春採湖近く。閑静な住宅街にたたずむのが、竹老園東家総本店です。
日本庭園に面した歴史を感じる建物は昭和2年築。
結納前の両家顔合わせや法事など、釧路の人たちの人生の節目を見守ってきました。
今回、私は贅沢にお座敷で特製品コースを注文。しっかりと甘酢でしめ、しょうがと巻いたそば寿司は、お酒のお供にもピッタリです。
かしわ抜きとは、そばを抜いたかしわそば。親鳥を使用しているので、しっかりとした歯ごたえで出汁が滋味深く、ほっとします。蘭切りそばは卵をつなぎにした繊細な味わいで、そばの甘みを感じられます。その蘭切りそばをベースに抹茶を加えた茶そばは、お茶の香りがしっかりしていて、ワサビとのマリアージュが秀逸でした。
5代目の伊藤社長は旅先でも蕎麦屋に立ち寄ることが多いそう。どこまでも蕎麦への愛を感じます。

阿寒ユーカラ「ロストカムイ」はアイヌ古式舞踊と現代舞踊、そして現代のテクノロジー“3D”デジタルアートを融合させた、今だかつてないステージです。
開演前、会場の阿寒湖アイヌシアター＜イコロ＞の舞台に入ると、すでにそこは日が暮れた阿寒の深い森。これから始まる幻想的な物語を前に、気分が盛り上がります。
演者の圧倒的なパフォーマンスと全方向からの降り注ぐような音響の中、上演時間の30分はあっという間。
自然と人間との関わりを改めて考えさせられます。
イコロでは、他に古式舞踊や祭りを冠したイベントも開催しており、自然と共生するアイヌ文化を深く知ることができます。

深い森に囲まれた神秘の湖「阿寒湖」を湖上から体感することができます。
遊覧船は湖を一周する約18kmを1時間30分ほどかけて航行。
最初に立ち寄る「滝口」は阿寒湖で唯一、川が流れだす出口です。木々に囲まれた入り江は、庭園のようで阿寒湖を代表する景観の1つです。その後、湖に浮かぶチュウルイ島にある「まりも観察展示センター」に立ち寄り、丸くてユニークな姿の特別天然記念物マリモを観察。珍しいその生態を知ることができます。
遊覧船は10月20日までは一日8便、そして便数を減らしながら11月30日まで運航。湖が氷に閉ざされるまで、夏だけのお楽しみです。

北海道の大自然を体験するなら、広大な湿原を流れる釧路川でのカヌー体験がオススメです。
子どもの頃に遊んだ川の魅力をたくさんの方に知ってほしいと話すのは、（株）釧路マーシュ＆リバーの斉藤社長。
今回、私は昼どきカヌーコースに参加しました。8キロを1時間20分かけて、ジョギングくらいのスピードで下ります。
贅沢に、1組に1人のガイドさんがついてくれるので、とても安心。
ガイドの菊地さんによると、釧路川はとても穏やかな川とのこと。川の水量や天候により、刻々と変化する条件の中で、お客様喜んでもらえるガイドをするには難しい。でも、それがまた自然の面白さだと教えていただきました。
この日は小雨がちらつく天候でしたが、霧が川面を漂い、幻想的な情景が。ラッキーにも鹿やオジロワシにも出会うことができました。

国道391号線を釧路から摩周方面へ向かうと、JR遠矢駅近くに南蛮酊はあります。
地元客、観光客にも愛される名店は、元々釧路の中心部で創業し、30年くらい前にこの場所に移転してきました。
こちらの名物はザンタレ。北海道の人ならピンとくると思いますが、「ザンギ（鶏のから揚げ）」＋「タレ」の意味です。
ハーフサイズでも鶏モモ肉を300～400g使用（通常サイズは約700g！）しておりヴォリューム満点。
固まりを2度揚げした後にカットするので、外はサクッとしているのに、中はジューシーな味わい。
亡くなったご主人秘伝のタレは酸味が効いていて、食欲をそそります。
お店を守る俊江さんは、「残してくれたものを、私は作るだけだから。」と謙遜しますが、その明るい人柄にファンの多さも納得。甘酸っぱいピリ辛味がやみつきになるカラタレやかつ丼も人気です。

「カキえもん」や「マルえもん」などのブランド牡蠣を、生や焼き、蒸しなどの食べ方でいろいろ楽しめる厚岸味覚ターミナル・コンキリエ（道の駅 厚岸グルメパーク）。
隣接する魚介市場からとれたての食材を購入し、セルフでバーベキューを楽しめるコーナーもあります。
屋内なので、天候・季節関係なく、一年中厚岸の旬の味覚を楽しむことができます。

カムイテラスでの一番のおすすめは星空観察。阿寒摩周国立公園内にあり、周辺には街灯が一切ないことから、満天の星空をのぞむことができます。特に晴れた日は肉眼で、天の川の複雑な構造を確認できるほど。昨年７月にリニューアルした際に、手すりはガラス張りの高さ1ｍほどになりました。小さなお子様や車いすの方でも、柵にさえぎられる事なく、昼の摩周湖も一望することができます。湖畔に降りることができない湖を、遠くから双眼鏡で観察するのもオススメです。山の上は夏でも冷え込む場合がありますので、防寒着を１枚持っていきましょう。

ぱっと見は濃厚こってり。しかし、スープを口にすると魚介の出汁が効いていて、さっぱりした味わいです。中太ちぢれ麺はコシがあり、スープによく絡むので、夢中になってすすってしまいます。その味は最後の一滴までスープを飲み干してしまうほどです。美味しさの秘訣は平均的な豚の骨の量を3倍使用し、20時間以上、煮込んでいてコラーゲン質が多く含んでいるスープ。そして、オホーツクのホタテ貝柱や数種類の野菜を炊き込み、裏ごしで絞り上げた特製の醤油タレ。平日は地元のランチスポットとして愛され、休日は観光客やお子様連れで賑わっています。お昼時は大変込み合うとのことですので、少し時間をずらすと良いかもしれません。

白糠市街から車で分の場所に、圧倒的に美味しいチーズ作りに取組む工房があります。
原材料の生乳は株主の牧場から、直接運ぶ徹底ぶりです。
イタリアタイプのチーズにこだわっているのは、料理に使っておいしい幅広い用途のチーズだから。
「フランス料理で思い浮かぶチーズ料理はあまりないけれど、イタリア料理なら沢山ありますよね。」とは及川部長。
直営店でのみ買えるチーズなど、常時20種類ほどのチーズが並びます。
人気のモッアレラは月・木・金の週3回の製造。時期によっては、翌日の朝には売り切れてしまうのでお早めに。
ご常連さんに人気の「トゥミン」はあったらラッキー。
私が購入した「タンタカ」は比較的強めの味わいとのことで、ジャガイモと一緒にいただきました。チーズの風味と塩気が、ジャガイモの甘みとマッチして、美味しさの相乗効果に感動。
お店が留守の時は呼び鈴を。スタッフがかけつけてくれます。

釧路空港から車でわずか約20分。恋問海岸近くの平坦な湿原に木道が整備され、散策を楽しむことができる公園です。
周りには民家もなく、静寂を感じることができる穴場スポット。園内の自然観察塔では、近隣に植生するスズラン、ハマナス、エゾノコリンゴなどのパネル写真を展示しています。2階に設置されている観光望遠鏡は無料で利用できるので、野鳥の観察を楽しんでみては。空港から気軽に行くことのできる、くしろの自然を感じられる場所です。