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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
走りはじめたN700A、3月16日で引退する車両・列車 [No.H025]
2月8日(金)から、東海道新幹線に新型車両N700Aが走りはじめました。
いま、東海道新幹線で大多数を占めるN700系の最新バージョンで、N700系1000番代という形式名です。
「A」は進化を意味する「Advanced」の頭文字です。
進化した主な機能はブレーキ性能と定速走行装置で、どちらも異常時に威力を発揮するものです。
ブレーキ性能はディスクブレーキをより強力にすることで、地震発生時など緊急停車するときに有効です。
定速走行装置は、列車ダイヤが乱れた際に、そのとき許される最高速度を常に保つよう電子制御するもので、遅れの回復に効果が発揮される見込みです。
N700Aはまず3編成が営業運転に入り、3月末までにさらに3編成、来年度に7編成の計13編成が700系に代わって投入される予定です。
また、来年度から3年間かけて、80編成あるN700系全てをN700A同様に上記2機能を持たせる改造を行うとしています。
N700Aは、外見上ほぼN700系と同一ですが、車体側面にあるN700のロゴに大きく「A」の文字が被さったデザインとなっていて、見分けが付きます。
車内は、普通車座席に頭持たせがついて寝やすくなり、居眠りしても隣席に迷惑をかけることがなくなります。
そのシートのクッション材は、100%リサイクル可能なポリエステルを使用しました。
トイレと洗面室の照明にはLEDを採用し、調光機能も持たせることで、N700系に比べて約20%の電力削減をするなど、環境への配慮がなされています。
なお、N700系とN700Aは共通運用しますので、いつどの列車にN700Aが使用されるかは判りません。これがちょっと残念ですね…
一方、同じJR東海でも3月16日(土)のダイヤ改正で引退する車両もあります。
まずは、東海道本線の名古屋地区で国鉄時代から活躍してきた117系。
新快速として豊橋~名古屋~岐阜の速達化に貢献してきましたが、JRになって登場した車両達に役目を譲り、ついに定期運用がなくなります。
2扉転換クロスシートの快適な乗り心地を味わうなら、ダイヤ改正前がチャンスです。
いまの運用は次の通りです。
これで、東海道本線はJR東海になってから新製された車両ばかりが走ることになります。
なお、ダイヤ改正後も臨時列車での運転はあるようですし、ウィンディスペースを設置したイベント用車「トレイン117」も季節に応じて各地で走りますので、形式消滅するわけではありません。
もう一つ、中央本線名古屋~中津川間79.9kmを1時間強で走る俊足の「セントラルライナー」も3月のダイヤ改正で廃止となります。
313系8000番代という転換クロスシートの専用車両を使用し、ほぼ1時間に1本の割合で走る特急「ワイドビューしなの」を補完する存在です。
しかし、名古屋~多治見は乗車整理券310円が必要なことが評価されなかったのか、料金不要の快速列車となります。
このほか、特急「ワイドビューふじかわ」「ワイドビュー伊那路」に使用される373系が、名古屋地区のホームライナー削減にあわせて豊橋~米原に入線しなくなります。
また、JR東海の在来線特急での車内販売も廃止になります。
大きな変化が無さそうなJR東海ですが、このように鉄道好きには悲喜こもごもな変化がある春先となりました。
掲載日:2013年02月15日
いま、東海道新幹線で大多数を占めるN700系の最新バージョンで、N700系1000番代という形式名です。
「A」は進化を意味する「Advanced」の頭文字です。
進化した主な機能はブレーキ性能と定速走行装置で、どちらも異常時に威力を発揮するものです。
ブレーキ性能はディスクブレーキをより強力にすることで、地震発生時など緊急停車するときに有効です。
定速走行装置は、列車ダイヤが乱れた際に、そのとき許される最高速度を常に保つよう電子制御するもので、遅れの回復に効果が発揮される見込みです。
N700Aはまず3編成が営業運転に入り、3月末までにさらに3編成、来年度に7編成の計13編成が700系に代わって投入される予定です。
また、来年度から3年間かけて、80編成あるN700系全てをN700A同様に上記2機能を持たせる改造を行うとしています。
N700Aは、外見上ほぼN700系と同一ですが、車体側面にあるN700のロゴに大きく「A」の文字が被さったデザインとなっていて、見分けが付きます。
車内は、普通車座席に頭持たせがついて寝やすくなり、居眠りしても隣席に迷惑をかけることがなくなります。
そのシートのクッション材は、100%リサイクル可能なポリエステルを使用しました。
トイレと洗面室の照明にはLEDを採用し、調光機能も持たせることで、N700系に比べて約20%の電力削減をするなど、環境への配慮がなされています。
なお、N700系とN700Aは共通運用しますので、いつどの列車にN700Aが使用されるかは判りません。これがちょっと残念ですね…
一方、同じJR東海でも3月16日(土)のダイヤ改正で引退する車両もあります。
まずは、東海道本線の名古屋地区で国鉄時代から活躍してきた117系。
新快速として豊橋~名古屋~岐阜の速達化に貢献してきましたが、JRになって登場した車両達に役目を譲り、ついに定期運用がなくなります。
2扉転換クロスシートの快適な乗り心地を味わうなら、ダイヤ改正前がチャンスです。
いまの運用は次の通りです。
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これで、東海道本線はJR東海になってから新製された車両ばかりが走ることになります。
なお、ダイヤ改正後も臨時列車での運転はあるようですし、ウィンディスペースを設置したイベント用車「トレイン117」も季節に応じて各地で走りますので、形式消滅するわけではありません。
もう一つ、中央本線名古屋~中津川間79.9kmを1時間強で走る俊足の「セントラルライナー」も3月のダイヤ改正で廃止となります。
313系8000番代という転換クロスシートの専用車両を使用し、ほぼ1時間に1本の割合で走る特急「ワイドビューしなの」を補完する存在です。
しかし、名古屋~多治見は乗車整理券310円が必要なことが評価されなかったのか、料金不要の快速列車となります。
このほか、特急「ワイドビューふじかわ」「ワイドビュー伊那路」に使用される373系が、名古屋地区のホームライナー削減にあわせて豊橋~米原に入線しなくなります。
また、JR東海の在来線特急での車内販売も廃止になります。
大きな変化が無さそうなJR東海ですが、このように鉄道好きには悲喜こもごもな変化がある春先となりました。
掲載日:2013年02月15日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
左側の車端部にN700Aのロゴがみえる
N700A営業初日の、下り一番列車