- 2018年07月27日(金)掲載
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- 2018年07月20日(金)掲載
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- 2018年07月06日(金)掲載
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- 2018年06月15日(金)掲載
- [No.H289] 鉄道の父「井上勝」像がある、山陰本線萩駅
- 2018年06月08日(金)掲載
- [No.H288] 大阪市営地下鉄は、民営化して Osaka Metro に
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
瀬戸大橋を渡るトワイライトエクスプレス [No.H029]
「トワイライトエクスプレス」は、大阪~札幌を走る寝台特急として知られています。その営業距離1495.7kmは、いまの日本の列車で最長を誇ります。大阪を午前11時50分に発車して、札幌には翌日の午前9時52分着と、約22時間の汽車旅ももちろん国内最長です。その間に、昼食・夕食・朝食と3食もとることになります。一度は乗ってみたいあこがれの列車ですが、最もお手頃なB寝台を使用しても片道25,620円です。お金も時間も余裕が必要なわけですね。
そのトワイライトエクスプレスの車両が、来る4月11日(木)に瀬戸大橋を渡ります。日本旅行主催の貸し切り列車で、「瀬戸大橋線開業25周年記念号」と銘打っています。岡山発11:21→14:24高松着で、Bコンパートメント利用の日帰りが14,800円(新大阪発高松解散:新大阪→岡山は新幹線利用)です。この費用には、乗車賃だけでなく、特製の弁当代も含まれています。また、日本旅行の鉄道ツアーらしく硬券の記念乗車証としおりタイプの記念乗車証、それに記念コースターまでもらえます。岡山発のプランや、高松で一泊するプランもあります。北海道まで乗ることを考えると、かなり乗りやすいですよね。
せっかく乗るなら、Bコンパートメントではなくちょっと贅沢したいなという方は、A個室「ロイヤル」利用プランもあります。Bコンパートメント利用に比べて、わずか3,000円の追加で乗車できます。通常、Bコンパートメントの寝台料金は6,300円、A個室ロイヤルは17,180円で、10,880円も差があります。それが3,000円だけとは、随分おとくですよね。「ロイヤル」は、ソファと椅子、それに洗面台・トイレ・テレビ・シャワーにBGMも完備した個室として、登場当時からあこがれの的の個室寝台です。ただし、今回は昼行ですので、シャワーは利用できないようです。
ところで、通常、トワイライトエクスプレスは客車10両(内1両は電源車)で運転しています。それが、この記念列車は客車6両(内1両は電源車)と少し短い編成です。しかし、人気車両のサロンカーと食堂車はしっかり連結されていて、どちらもフリースペースとして参加者に開放されるそうです。サロンカーは通常、日本海に向かって座る形の椅子がならんだ車両で、乗客は誰でも自由に利用できるフリースペースです。一方、食堂車はダイナープレヤデスという名称でフルコースディナーが楽しめたりするところです。ここのテーブルで特製弁当を食べるのも楽しそうですね。
トワイライトエクスプレスには、もう一つ人気設備があります。列車最後尾の1号車スイートです。後方に流れ去る景色を独占できる特別室ですが、あまりの人気で、1室2名で50,980円という高額ながらほぼ予約ができないといわれています。その1号車スイートが、今回は参加者の見学スペースとして開放されるそうです! 予約しなければ車外から羨ましそうに見学するしかない個室を、走行中に見学できてしまうのですから、これは嬉しいですよね。
瀬戸大橋では瀬戸内海の景色を堪能できます。四国に渡るとすぐに到着するのが多度津駅です。ここで1時間の停車となりますが、その間に機関車が電源車側から1号車スイートの方に付け替えられます。機関車を列車編成の反対にまわしますので、専門用語では「機回し」といいます。その光景も記念撮影できるそうです。
やがて多度津駅を発車したトワイライトエクスプレスは、46分で終着・高松駅に到着です。高松駅に着いたら、まずチェックしたいのが駅名標です。通常の駅名標のように見えますが、よくみると一番下の白地部分に次の文字がならんでいます。
うどん県 さぬきうどん駅 高松市
さぬきうどんで有名な香川県(※)は、昨年から「うどん県」と名乗るようになったのです。そして、その玄関口である高松駅は、別名が「さぬきうどん駅」となりました。ユニークですよね。
その高松駅の改札口近くには、「連絡船うどん」というお店があります。25年前に瀬戸大橋ができるまでは、本州から四国に渡るのに宇高連絡船を使っていました。その宇高連絡船ではさぬきうどんが食べられることは、旅好きの間でよく知られていました。その宇高連絡船のさぬきうどんを再現したというお店です。こちらも要チェックですよね。
なお、この「瀬戸大橋線開業25周年記念号」については、こちらをご覧下さい。
※お詫び
文中に「さぬきうどんで有名な愛媛県」と掲載しておりましたが、正しくは「さぬきうどんで有名な香川県」でした。ここに訂正するとともにお詫び致します。 (2013年03月22日)
掲載日:2013年03月14日
そのトワイライトエクスプレスの車両が、来る4月11日(木)に瀬戸大橋を渡ります。日本旅行主催の貸し切り列車で、「瀬戸大橋線開業25周年記念号」と銘打っています。岡山発11:21→14:24高松着で、Bコンパートメント利用の日帰りが14,800円(新大阪発高松解散:新大阪→岡山は新幹線利用)です。この費用には、乗車賃だけでなく、特製の弁当代も含まれています。また、日本旅行の鉄道ツアーらしく硬券の記念乗車証としおりタイプの記念乗車証、それに記念コースターまでもらえます。岡山発のプランや、高松で一泊するプランもあります。北海道まで乗ることを考えると、かなり乗りやすいですよね。
せっかく乗るなら、Bコンパートメントではなくちょっと贅沢したいなという方は、A個室「ロイヤル」利用プランもあります。Bコンパートメント利用に比べて、わずか3,000円の追加で乗車できます。通常、Bコンパートメントの寝台料金は6,300円、A個室ロイヤルは17,180円で、10,880円も差があります。それが3,000円だけとは、随分おとくですよね。「ロイヤル」は、ソファと椅子、それに洗面台・トイレ・テレビ・シャワーにBGMも完備した個室として、登場当時からあこがれの的の個室寝台です。ただし、今回は昼行ですので、シャワーは利用できないようです。
ところで、通常、トワイライトエクスプレスは客車10両(内1両は電源車)で運転しています。それが、この記念列車は客車6両(内1両は電源車)と少し短い編成です。しかし、人気車両のサロンカーと食堂車はしっかり連結されていて、どちらもフリースペースとして参加者に開放されるそうです。サロンカーは通常、日本海に向かって座る形の椅子がならんだ車両で、乗客は誰でも自由に利用できるフリースペースです。一方、食堂車はダイナープレヤデスという名称でフルコースディナーが楽しめたりするところです。ここのテーブルで特製弁当を食べるのも楽しそうですね。
トワイライトエクスプレスには、もう一つ人気設備があります。列車最後尾の1号車スイートです。後方に流れ去る景色を独占できる特別室ですが、あまりの人気で、1室2名で50,980円という高額ながらほぼ予約ができないといわれています。その1号車スイートが、今回は参加者の見学スペースとして開放されるそうです! 予約しなければ車外から羨ましそうに見学するしかない個室を、走行中に見学できてしまうのですから、これは嬉しいですよね。
瀬戸大橋では瀬戸内海の景色を堪能できます。四国に渡るとすぐに到着するのが多度津駅です。ここで1時間の停車となりますが、その間に機関車が電源車側から1号車スイートの方に付け替えられます。機関車を列車編成の反対にまわしますので、専門用語では「機回し」といいます。その光景も記念撮影できるそうです。
やがて多度津駅を発車したトワイライトエクスプレスは、46分で終着・高松駅に到着です。高松駅に着いたら、まずチェックしたいのが駅名標です。通常の駅名標のように見えますが、よくみると一番下の白地部分に次の文字がならんでいます。
うどん県 さぬきうどん駅 高松市
さぬきうどんで有名な香川県(※)は、昨年から「うどん県」と名乗るようになったのです。そして、その玄関口である高松駅は、別名が「さぬきうどん駅」となりました。ユニークですよね。
その高松駅の改札口近くには、「連絡船うどん」というお店があります。25年前に瀬戸大橋ができるまでは、本州から四国に渡るのに宇高連絡船を使っていました。その宇高連絡船ではさぬきうどんが食べられることは、旅好きの間でよく知られていました。その宇高連絡船のさぬきうどんを再現したというお店です。こちらも要チェックですよね。
なお、この「瀬戸大橋線開業25周年記念号」については、こちらをご覧下さい。
※お詫び
文中に「さぬきうどんで有名な愛媛県」と掲載しておりましたが、正しくは「さぬきうどんで有名な香川県」でした。ここに訂正するとともにお詫び致します。 (2013年03月22日)
掲載日:2013年03月14日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
大阪~札幌を結ぶあこがれの豪華寝台列車
今回、瀬戸大橋からの眺めを楽しむことができる。