- 2018年07月27日(金)掲載
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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
出雲への往復に、サンライズ出雲を楽しむ [No.H047]
5月31日から隔週で出雲地方の話題を取りあげてきましたが、その最後の締めとして、往復の足を取りあげます。
首都圏から出雲地方は、少々距離があります。それだけに、ここは飛行機で一足飛びにという方は多いでしょう。でも、「汽車旅ひろば」をご覧の方々は、これで終わってしまっては面白くないですよね。新幹線と伯備線の特急「やくも」の乗り継ぎでも良いのですが、新幹線はどうもビジネスでの出張の延長みたい…
こうなると、もう少し変わったパターンを考えたくなります。そんな選択肢の一つとして、「サンライズ出雲」はいかがでしょう?
JR西日本とJR東海が住宅メーカーと共同開発した、285系サンライズエクスプレス車両を使う列車で、東京と出雲市を結んでいます。東京~岡山では「サンライズ瀬戸」も併結していますが、こちらも同じ車両です。運転時刻は次の通りです。
東 京 岡 山 (高 松) 松 江 出雲市
22:00→ 6:27┬ 6:34------→ 9:30→ 9:58
└ 6:31→ 7:27 [サンライズ瀬戸]
7:08←22:33┬22:29←------19:25←18:55
└22:22←21:26 [サンライズ瀬戸]
寝台特急ですから寝台券が必要ですが、1編成に1両だけノビノビ座席という指定席車両があります。カーペットを敷いて、一人分ずつ頭の部分を区切ってある設備です。"座席"と表現しながら、実際には横になっていけるので、座席車に比べればはるかによく寝られます。そのうえ、指定席特急料金が必要なだけですから、経済的に乗車できます。
例えば、通常期に東京~出雲市を新幹線と特急「やくも」で移動すると指定席利用で19,740円です。それをサンライズ出雲の「ノビノビ座席」にすると、15,320円ですむうえ、ホテル代も不要というわけです。さらに、往復「ノビノビ座席」を使うと、乗車券に往復割引が適用されて片道14,150円になります。
さて、寝台設備とその料金はつぎのとおりです。
A寝台は、座席車でいうグリーン車です。それ以外はB寝台です。
全て個室ですが、もっとも経済的な「ソロ」は、ベッドがあるだけといった感じです。
それに対して、もっとも多い「シングル」には小型のテーブルがあり、電源もあるので車内でパソコンを使っての仕事ができます。スマホのテザリング機能を使ってみたら、山間部を走る伯備線内ではさすがに通信をできないところが多かったものの、それ以外ではかなりのところでつながりました。また、伯備線内でも停車駅とその前後ではつながるため、メールチェック程度は余裕でできます。おかげで、移動しながら仕事をすることができて、翌日の行動に随分とゆとりができました。
「シングルツイン」は上下にベッドがあり、各ベッドをリビングと寝室に分けた使い方ができるなど、少しスペースにゆとりがあります。上下2名で使用する場合は、一方が補助ベッドの扱いとなるため5,250円/人となり、寝台としては最安値になります。
「サンライズツイン」はシングルを二つならべた配置ですが、2人分なのでシングルよりは若干、空間にゆとりがある感じです。
「シングル・デラックス」は、さすがにA寝台だけあって、実に余裕があります。幅広のベッドと独立したテーブルがあり、荷物の置き場にも困りません。洗面台も室内にあるほか、A寝台専用のシャワー室があり、シャワーカードももらえます。以前利用して病みつきになりそうでしたが、料金が安くないので病みつきにはなれませんでした…
「シングル・デラックス」以外の乗客は、車掌さんに申し出るとシャワーカードを購入できます。特に時間予約はなく、一般用のシャワー室が空いているときに適宜使用できます。夏場に汗を掻いてから乗ったときとか、冬場に体が冷え切って乗った時などには重宝しますよ。
下り「サンライズ出雲」は、松江着9:30、出雲市着9:58と、到着後に観光するにはちょうど良い時間です。一方、上りは東京着7:08とラッシュ時間前なので大きな荷物があっても下車後の駅構内移動に無理がありません。また、車内でグッスリと寝て、そのまま出勤ということも無理なくできる時間です。
少し早めに起きて、相模湾を眺めながら当日のスケジュールを見直していると、なんとなく気分が良くなってきて、その日一日が充実する気がしてきたりしますよ。
なお、車内に飲み物の自動販売機はありますが、車内販売はありません。食事などが欲しければ、先に買ってから乗り込むのがお約束になります。
掲載日:2013年07月19日
首都圏から出雲地方は、少々距離があります。それだけに、ここは飛行機で一足飛びにという方は多いでしょう。でも、「汽車旅ひろば」をご覧の方々は、これで終わってしまっては面白くないですよね。新幹線と伯備線の特急「やくも」の乗り継ぎでも良いのですが、新幹線はどうもビジネスでの出張の延長みたい…
こうなると、もう少し変わったパターンを考えたくなります。そんな選択肢の一つとして、「サンライズ出雲」はいかがでしょう?
JR西日本とJR東海が住宅メーカーと共同開発した、285系サンライズエクスプレス車両を使う列車で、東京と出雲市を結んでいます。東京~岡山では「サンライズ瀬戸」も併結していますが、こちらも同じ車両です。運転時刻は次の通りです。
東 京 岡 山 (高 松) 松 江 出雲市
22:00→ 6:27┬ 6:34------→ 9:30→ 9:58
└ 6:31→ 7:27 [サンライズ瀬戸]
7:08←22:33┬22:29←------19:25←18:55
└22:22←21:26 [サンライズ瀬戸]
寝台特急ですから寝台券が必要ですが、1編成に1両だけノビノビ座席という指定席車両があります。カーペットを敷いて、一人分ずつ頭の部分を区切ってある設備です。"座席"と表現しながら、実際には横になっていけるので、座席車に比べればはるかによく寝られます。そのうえ、指定席特急料金が必要なだけですから、経済的に乗車できます。
例えば、通常期に東京~出雲市を新幹線と特急「やくも」で移動すると指定席利用で19,740円です。それをサンライズ出雲の「ノビノビ座席」にすると、15,320円ですむうえ、ホテル代も不要というわけです。さらに、往復「ノビノビ座席」を使うと、乗車券に往復割引が適用されて片道14,150円になります。
さて、寝台設備とその料金はつぎのとおりです。
ソロ | 6,300円 |
シングル | 7,350円 |
シングル・ツイン | 9,170円 |
サンライズツイン | 7,350円/人 |
シングル・デラックス | 13,350円(A寝台) |
A寝台は、座席車でいうグリーン車です。それ以外はB寝台です。
全て個室ですが、もっとも経済的な「ソロ」は、ベッドがあるだけといった感じです。
それに対して、もっとも多い「シングル」には小型のテーブルがあり、電源もあるので車内でパソコンを使っての仕事ができます。スマホのテザリング機能を使ってみたら、山間部を走る伯備線内ではさすがに通信をできないところが多かったものの、それ以外ではかなりのところでつながりました。また、伯備線内でも停車駅とその前後ではつながるため、メールチェック程度は余裕でできます。おかげで、移動しながら仕事をすることができて、翌日の行動に随分とゆとりができました。
「シングルツイン」は上下にベッドがあり、各ベッドをリビングと寝室に分けた使い方ができるなど、少しスペースにゆとりがあります。上下2名で使用する場合は、一方が補助ベッドの扱いとなるため5,250円/人となり、寝台としては最安値になります。
「サンライズツイン」はシングルを二つならべた配置ですが、2人分なのでシングルよりは若干、空間にゆとりがある感じです。
「シングル・デラックス」は、さすがにA寝台だけあって、実に余裕があります。幅広のベッドと独立したテーブルがあり、荷物の置き場にも困りません。洗面台も室内にあるほか、A寝台専用のシャワー室があり、シャワーカードももらえます。以前利用して病みつきになりそうでしたが、料金が安くないので病みつきにはなれませんでした…
「シングル・デラックス」以外の乗客は、車掌さんに申し出るとシャワーカードを購入できます。特に時間予約はなく、一般用のシャワー室が空いているときに適宜使用できます。夏場に汗を掻いてから乗ったときとか、冬場に体が冷え切って乗った時などには重宝しますよ。
下り「サンライズ出雲」は、松江着9:30、出雲市着9:58と、到着後に観光するにはちょうど良い時間です。一方、上りは東京着7:08とラッシュ時間前なので大きな荷物があっても下車後の駅構内移動に無理がありません。また、車内でグッスリと寝て、そのまま出勤ということも無理なくできる時間です。
少し早めに起きて、相模湾を眺めながら当日のスケジュールを見直していると、なんとなく気分が良くなってきて、その日一日が充実する気がしてきたりしますよ。
なお、車内に飲み物の自動販売機はありますが、車内販売はありません。食事などが欲しければ、先に買ってから乗り込むのがお約束になります。
掲載日:2013年07月19日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
窓配置から、上下二階建てになっていることが判る。
バリアフリーに対応した平屋の寝台もある