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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


  • ひろやすの汽車旅コラム
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

トンネル駅と温泉を楽しむ…野岩鉄道・湯西川温泉駅 1/2 [No.H070]

トンネル駅を取りあげるのは、これで3駅目です。
第1回 2013年7月26日 トンネル駅を楽しむ…ほくほく線・美佐島駅 [No.H048]
第2回 2013年11月22日 トンネル駅を楽しむ…北陸本線・筒石駅[No.H064]
でした。
第2回で記した通り、現在、国内のトンネル駅は5駅ですので、残るは上越線の湯檜曾駅と土合駅となります。これらについても、この先でのご紹介を予定しています。

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トンネル駅だけど、駅を出るとすぐに鉄橋


今回ご紹介するのは、栃木県の野岩鉄道にある湯西川温泉駅です。
東武鉄道の日光線は、下今市駅で鬼怒川線が分岐します。東武特急は鬼怒川温泉で終点ですが、同線は2駅先の新藤原駅まで続きます。この新藤原駅から野岩鉄道がはじまり、会津鉄道・JR只見線を経て福島県の会津若松まで線路がつながっています。ただし、ICカード乗車券が使えるのは、東武鉄道線の新藤原駅までですから、注意が必要です。
鬼怒川温泉あたりから山深く入り込む感じとなり、トンネルを抜け、鉄橋で川を越え…の連続となります。その中でも長いトンネルの途中で列車が減速したかと思うと、湯西川温泉駅に着きました。新藤原駅から約15分です。トンネル駅ですから、もちろんホームは蛍光灯照明ですが、列車の進行方向を見ると明るくなっています。駅をでてすぐにトンネルが終わっているのでした。それも、いきなり鉄橋になります。いかに険しい地形かが判りますよね。


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駅を出たところが「道の駅」になっている
ホームから階段を登っていくと、ほどなく改札口に出ました。ほくほく線の美佐島駅と同じくらいの階段数でしょうか。北陸本線の筒石駅ほど長くないので、息が上がることもありません。バリアフリー対策としてエレベーターも用意されています。乗降したのは私一人でしたが、改札口には駅員さんがおいでになりました。有人駅なのです。やっぱり駅に人がいると安心な気がします。
改札口を出るとちいさな待合室があり、その先に続く通路があります。どうやら、悪天候時にも先にある建物へ安全に歩いていけるための通路のようです。幸い、この日は曇ってはいるものの荒天ではないので、駅前を見ようと外に出てみます。すると、そこは「道の駅 湯西川」の駐車場の外れでした。先ほどの通路の先には道の駅の建物があり、その手前にはバス停もあります。湯西川温泉へ行くには、ここからバスに乗り換えとなります。
前述のとおり山を分け入った地ですので、私が訪れた12月中旬には、雪が少し積もっていました。ときおり雪も舞っています。新藤原駅までは雪が無かったので、この15分の移動でいかに気温が下がったかを感じます。それだけに、建物に書いてある『天然温泉』が気になります…


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湯船からは、鉄橋が眼下に見られる
「道の駅湯西川温泉」の建物に入ると、1階は観光案内所・売店・食堂・トイレとなっていました。その2階が温泉施設「湯の郷」です。入口にある自動券売機で入浴券を買って受付へ。入浴料は大人500円、小学生250円ですが、別に岩盤浴があり、そちらを利用する場合にはひとり1500円だそうです。
少し大きめのリュック式カメラバックを持っているうえ冬場のためコートもあるので、脱衣場で入れることができるかと心配しましたが、かなり大きなコインロッカー式脱衣場が用意されていて、なんとか入れることができました。この大きめの設定は、旅行者にありがたいです。
湯船は内風呂と露天風呂がありますが、どちらも源泉かけ流し。アルカリ性単純温泉なのでさほど特徴はありませんが、メタケイ酸に加えて申し訳程度のメタホウ酸も含んでいるので、柔らかいお湯です。また、それ以外の鉱物臭もわずかにする実に気持ちの良いお湯で、ゆったりと入浴できます。
その内風呂からは、窓のガラス越しに鉄橋を見下ろせます。湯西川温泉駅のトンネルを出てすぐの鉄橋です。時刻を確認しておけば、ここで入浴しながらのトレイン・ウォッチもできるわけですね。ちなみに、入浴後に休憩室となっている大広間に行ってみましたら、そちらからはさらにスッキリと鉄橋を見下ろすことができました。この休憩室は飲食禁止となっていて、あまり長居される方がいないため、窓際に行きやすいのもありがたいです。

湯西川温泉駅は、このようにトンネル駅とトレインビューな源泉かけ流し温泉を楽しめる、お勧めの駅でした。ちなみに、温泉施設は午前9時から午後8時までの営業で、定休日はありません。ただし、月に一度の臨時休業日があり、2014年当初は1月21日(火)、2月18日(火)、3月18日(火)との案内でした。



掲載日:2014年01月10日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。