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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


  • ひろやすの汽車旅コラム
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

リゾートみのりで温泉を求める旅 [No.H116]

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温泉への往復には、落ち着いた色合いの「リゾートみのり」が快適。
陸羽東線といってもピンとこない方でも、鳴子温泉なら聞いたことがあるでしょう。こけしでも知られる温泉地です。
仙台から東北新幹線で北へひと駅の古川駅から、山形県の新庄駅に向かう路線が陸羽東線です。途中、川渡温泉駅・鳴子御殿湯駅・鳴子温泉駅・中山平温泉駅と温泉がつく駅名が4つ続くところまでが宮城県。さらに山形県に入っても、赤倉温泉駅と瀬見温泉駅があります。「奥の細道湯けむりライン」の別名がついていることが判る、温泉路線です。それも、すべて歴史ある本物の温泉です。これからの季節に、行ってみたくなる路線といって良いでしょう。
この陸羽東線を走る観光列車が、「リゾートみのり」です。車体色は、紅葉をイメージした「深緋(こきひ)色」と「漆黒」を組み合わせた落ち着いた色をベースに、稲穂をイメージしたメタリックゴールドのライン、それに正面運転席まわりには、伊達政宗の兜をイメージしたアンティークゴールドのデザインが施されています。



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大きな窓に、シートピッチが1200mmもある足元に余裕があるリクライニングシートで、ゆったり気分。
全車指定席ですが、快速列車ですから乗車券のほかには520円の指定席料金だけで乗車できます。それにもかかわらず、車内にはリクライニングシートが並び、グリーン車もビックリのシートピッチ1200mmですから、足元がゆったりとしていて快適です。前述のように、新幹線から古川駅で乗り換えても良いですが、仙台から直通運転をしていますので、仙台から乗るのもお勧めです。ちなみに、仙台~古川間はリゾートみのりで約50分、新幹線だと約13分です。
週末を中心の運転で、次の時刻で一日一往復しています。



仙台09:25→古川10:16→11:00鳴子温泉11:25→12:28新庄
仙台17:37←16:45古川←16:02鳴子温泉16:00←15:00新庄

この時刻だと、往路は現地についてもちょっと早いし、復路は宿をチェックアウトしてからでも少々時間がありますよね。それも、この列車をお勧めする理由となっています。というのも、折角の温泉地ですから、温泉をハシゴして欲しいのです。



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鳴子温泉の温泉神社入り口横には、共同浴場の「滝の湯」がある。駅から徒歩約5分。
前述のとおり、温泉の名がつく駅が続いているので、その温泉地をハシゴするのも良いですし、源泉数が約400本、泉質は9種類という鳴子温泉でさまざまな温泉をハシゴするのも一考です。どこも歴史ある温泉地ですので、その湯は本物。最近よくある、掘削したうえにポンプで吸い上げて、さらに湯量が少ないために循環利用しているような温泉とは、温泉としての格が違います。もちろん、同じ泉質でも効き目が違います。
でも、どこに行って良いか分からない…という場合には、鳴子温泉駅にある鳴子観光・旅館案内センターもしくは、「湯めぐり手形」ののぼりがでている旅館等で「湯めぐりチケット」1300円を買うのがお勧めです。「湯めぐりチケット」にはシールが6枚あり、施設によって1~4枚で利用することができるのです。ただし、入浴時間が個々に決まっていますので、一緒にもらえるマップでハシゴの仕方を検討すると良いでしょう。
なお、日帰りでそんなに多く入らなくても良いという場合には、鳴子温泉の共同浴場「滝の湯」があります。大人150円で、朝7時30分から夜22時までの営業です。ただし、週末等は結構混み合います。そんなときに、もう少しゆっくり…ということでしたら、鳴子・早稲田桟敷湯があります。早稲田大学の学生が掘り当てて、その後に温泉施設にした大きな温泉施設で、大人530円です。このほか…と、ここで温泉について記し始めると切りが無いので、この先は、鳴子観光・旅館案内センターのサイトで、みなさん自身がお調べ下さいね。

温泉三昧で、寒い冬を乗りきって下さい。




掲載日:2014年11月28日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。