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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
のと里山里海号…北陸の新観光列車 その2 [No.H162]
前回紹介したJR西日本の観光特急「花嫁のれん」は、金沢~七尾・和倉温泉の運行でした。同列車に接続して、七尾~穴水を結ぶ観光列車が、のと鉄道の「のと里山里海号」です。
専用の青い車両を使用して、33.1kmをあえてゆっくり約70分もかけて走ります。定期列車は各駅に停車しながら同区間を約40分で走ることからも、いかにゆっくりと走るかが予想できましょう。
もちろん、単にゆっくりと走るのではなく、能登中島駅で停車して、かつて鉄道郵便輸送に活躍した静態保存車「オユ10」を見学したり、ビュースポットで停車したりします。また、車内では地元の名物を飲食できるよう、列車ごとに次のプランが用意されています。
[ ]内は特急「花嫁のれん」の時刻です。
七尾駅とともに、隣の和倉温泉駅にも「のと里山里海号」「花嫁のれん」のいずれも停車して、上記接続ができます。どちらの駅で乗り継ぐかも自由です。
のと鉄道線となる七尾~穴水間は片道830円ですが、「のと里山里海号」に乗車するには1,500円(小児1,000円)が必要です。ただし、乗車翌々日まで有効な復路用の普通乗車券がついていますので、実は高くない列車なのです。
また、スイーツプランだと3,000円(小児2,500円)、ほろ酔いプラン3,500円がそれぞれ運賃込み、お弁当プランは運賃別で、年内開催中の北陸デスティネーションキャンペーン中は「能登前 寿司御膳」2,500円となっています。
それぞれ事前予約が必要で、乗車5日前まではネット予約が可能、電話予約は前日の正午まで、ただしお弁当プランは3日前の正午まで受付です。詳しくは、能登鉄道のホームページにある「のと里山海山号」のバナーをクリックしてください。
「のと里山里海号」は、前述の通り土休日の運転ですが、水曜日を除く平日には、里山車両もしくは里海車両を1両、定期列車に併結して走らせています。
この時刻をみて、あれ? と思いませんか?
定期列車なのに、土休日の「のと里山里海号」と時間が被っています。
じつは、のと鉄道は土休日の「のと里山里海号」を走らせるために、定期列車を運休しているのです。乗客の大半が通学定期券利用者という地方鉄道だからこそできたことでしょう。とてもユニークな対応ですが、よく決断したものと思います。
とはいえ、平日はそんなことをできませんので、定期列車に併結という形になりました。その代わり、普通運賃に300円の整理券を買い足すことで利用可能としています。しかも、事前予約不要です。
これを、のと鉄道では「カジュアルコース」と名づけました。これに対して、土休日は「ゆったりコース」と名づけています。「カジュアルコース」は全席自由席ですが、「ゆったりコース」と同様に、専任のアテンダントさんが乗務されています。
七尾西湾から七尾北湾にかけての風景が眺められるのと鉄道ですから、300円出してでもゆとりある「のと里山里海号」に乗りたいですよね。
ところで、能登半島といえば、海産物を期待したいですよね。とくに七尾北湾でとれる牡蠣は、格別な味わいです。
そんな、牡蠣をはじめとした海産物を、炭火焼きで楽しめる「あつあつ亭」が、毎年、1月中旬から3月中旬に開店します。その場所は、穴水駅構内!
のと鉄道本社一階に開店するのですが、“別館”もあります。そこはなんと、跨線橋! 穴水駅はいま駅本屋前のホームしか使っていないため、跨線橋を使う必要がなくなりました。その跨線橋を「あつあつ亭」として開放するのです。グループ予約をする際に指定すると、跨線橋上を使わせてもらえるそうです。
日中、11-15時だけのオープンですが、なにせ本場の海産物ですから、実に新鮮で美味しいです。ついついお酒もすすみます。でも大丈夫。店を出たら、そこが駅ホームなのですから。良い気分になって帰路の列車に揺られるのは、最高の気分ですよ。
掲載日:2015年11月06日
専用の青い車両を使用して、33.1kmをあえてゆっくり約70分もかけて走ります。定期列車は各駅に停車しながら同区間を約40分で走ることからも、いかにゆっくりと走るかが予想できましょう。
もちろん、単にゆっくりと走るのではなく、能登中島駅で停車して、かつて鉄道郵便輸送に活躍した静態保存車「オユ10」を見学したり、ビュースポットで停車したりします。また、車内では地元の名物を飲食できるよう、列車ごとに次のプランが用意されています。
[花嫁のれん] | 七尾 | 穴水 | ||||||
1号 | 09:01 | → | 10:12 | スイーツプラン | ||||
2号 | [←12:16発] | 11:56 | ← | 10:47 | -プランなし- | |||
3号 | [→11:32着] | 12:22 | → | 13:35 | お弁当プラン | |||
4号 | 15:17 | ← | 14:14 | スイーツプラン | ||||
5号 | [→15:25着] | 15:33 | → | 16:46 | ほろ酔いプラン(土曜だけ) |
七尾駅とともに、隣の和倉温泉駅にも「のと里山里海号」「花嫁のれん」のいずれも停車して、上記接続ができます。どちらの駅で乗り継ぐかも自由です。
のと鉄道線となる七尾~穴水間は片道830円ですが、「のと里山里海号」に乗車するには1,500円(小児1,000円)が必要です。ただし、乗車翌々日まで有効な復路用の普通乗車券がついていますので、実は高くない列車なのです。
また、スイーツプランだと3,000円(小児2,500円)、ほろ酔いプラン3,500円がそれぞれ運賃込み、お弁当プランは運賃別で、年内開催中の北陸デスティネーションキャンペーン中は「能登前 寿司御膳」2,500円となっています。
それぞれ事前予約が必要で、乗車5日前まではネット予約が可能、電話予約は前日の正午まで、ただしお弁当プランは3日前の正午まで受付です。詳しくは、能登鉄道のホームページにある「のと里山海山号」のバナーをクリックしてください。
「のと里山里海号」は、前述の通り土休日の運転ですが、水曜日を除く平日には、里山車両もしくは里海車両を1両、定期列車に併結して走らせています。
穴水 | 七尾 | 七尾 | 穴水 | |||
07:59 | → | 08:40 | 09:03 | → | 09:48 | |
12:02 | → | 12:44 | 13:13 | → | 13:54 | |
15:12 | → | 15:51 | 16:23 | → | 17:06 |
この時刻をみて、あれ? と思いませんか?
定期列車なのに、土休日の「のと里山里海号」と時間が被っています。
じつは、のと鉄道は土休日の「のと里山里海号」を走らせるために、定期列車を運休しているのです。乗客の大半が通学定期券利用者という地方鉄道だからこそできたことでしょう。とてもユニークな対応ですが、よく決断したものと思います。
とはいえ、平日はそんなことをできませんので、定期列車に併結という形になりました。その代わり、普通運賃に300円の整理券を買い足すことで利用可能としています。しかも、事前予約不要です。
これを、のと鉄道では「カジュアルコース」と名づけました。これに対して、土休日は「ゆったりコース」と名づけています。「カジュアルコース」は全席自由席ですが、「ゆったりコース」と同様に、専任のアテンダントさんが乗務されています。
七尾西湾から七尾北湾にかけての風景が眺められるのと鉄道ですから、300円出してでもゆとりある「のと里山里海号」に乗りたいですよね。
ところで、能登半島といえば、海産物を期待したいですよね。とくに七尾北湾でとれる牡蠣は、格別な味わいです。
そんな、牡蠣をはじめとした海産物を、炭火焼きで楽しめる「あつあつ亭」が、毎年、1月中旬から3月中旬に開店します。その場所は、穴水駅構内!
のと鉄道本社一階に開店するのですが、“別館”もあります。そこはなんと、跨線橋! 穴水駅はいま駅本屋前のホームしか使っていないため、跨線橋を使う必要がなくなりました。その跨線橋を「あつあつ亭」として開放するのです。グループ予約をする際に指定すると、跨線橋上を使わせてもらえるそうです。
日中、11-15時だけのオープンですが、なにせ本場の海産物ですから、実に新鮮で美味しいです。ついついお酒もすすみます。でも大丈夫。店を出たら、そこが駅ホームなのですから。良い気分になって帰路の列車に揺られるのは、最高の気分ですよ。
掲載日:2015年11月06日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。