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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
鉄道のまち新津(新潟県)と新津鉄道資料館を楽しむ [No.H165]
新潟県の新津は、鉄道と石油のまちとして栄えてきました。いまも、JR東日本のグループ会社である総合車両製作所新津事業所があり、山手線をはじめとしたJR東日本の通勤形電車を中心に多くの車両を製作をしています。また、信越本線・羽越本線・磐越西線の接続駅という立地から、車両の車庫である新津運輸区があります。「SLばんえつ物語号」の牽引機C57 180が所属しているのも、この新津運輸区です。
いまは新潟市秋葉区新津となっていますが、2005年までは新津市でした。
そんな新津ですから、昭和58年には新津駅近くに鉄道資料館ができ、平成10年には旧鉄道学園跡に移転しました。
その新津鉄道資料館に、昨2014年に上越新幹線で活躍した200系先頭車と、新津機関区を最後に引退した蒸気機関車C57 19号機が保存されました。「北側実車エリア」と呼ばれる場所で、対する「南側実車エリア」にはDD14形除雪用ディーゼル機関車と485系交直両用特急形電車の先頭車が展示されています。
新潟市新津鉄道資料館は、9:30~17:00の開館で、火曜日が定休日です。ただし、火曜日が祝日の場合には開館して、翌日を休館日としています。また、年末年始は12月28日~1月3日が休館日です。
観覧料は一般300円、高校・大学生が200円、小中学生が100円と、手頃な値段になっています。
左写真はエントランス部分ですが、これを見ただけでわくわくしてきますよね。
なかには、新潟ならではの展示物が所狭しと並んでいます。たとえば、「佐渡」「鳥海」「出羽」といった、新潟ゆかりの列車のヘッドマークが展示されています。また、昭和47年に植樹祭に向かわれる昭和天皇がお乗りになったお召し列車をけん引したC57 1のヘッドマークや、同列車の乗務員に贈られた「乗務記念」と墨書された国旗もあります。さらに「雪との戦い」として、除雪用の各種車両の模型が展示されていたり、上越国境を越える清水トンネル・新清水トンネルの立体模型があったりします。もちろん、特急「とき」として上越新幹線が開業するまで活躍した181系特急形直流電車も、ヘッドマークや車番切り抜きが展示してあります。
国鉄時代最後の新津駅時刻表は本物が展示してあり、「日本海」「つるぎ」「白鳥」「北越」「雷鳥」から、「きたぐに」「とがくし」「南越後」といった往年の優等列車が行き来していた様子を思い起こさせます。
新潟県内にかつてあった私鉄「新潟電鉄」「蒲原鉄道」「栃尾鉄道」「長岡鉄道」「頸城鉄道」などの資料も展示されています。
前述した、無料で見られる屋外静態保存機もあり、じっくり見学するとけっこう時間を要します。
新津鉄道資料館は、新津駅から2キロほどのところにあります。
バスを利用する場合には、新津駅東口から新潟交通S94,SK1等の系統で新津工業高校前バス停下車すぐとなります。ただし、便数が多くないので、予め新潟交通のホームページで時刻を調べて行く必要があります。
その点、新津鉄道資料館の駅中サテライトとなっている、新津駅東口の「ていしゃば」で自転車を借りると、時間を気にせず資料館まで往復できます。新津鉄道資料館の訪問、もしくは新津の観光の場合には無料で借りられるので、とてもありがたい存在です。ただし、自転車の貸出は、4月1日~11月30日という冬期を除いた期間となっています。来春以降に行かれる方は参考にされて下さいね。
街中には、ところどころに右上の写真にある駅名標を模した案内板があり、見て楽しいだけでなく、鉄道資料館まであとどれくらいかも判ります。また、自転車であればついでに街中を巡ると、アーケード街が国鉄特急色になっていたり、歯科医院の前に踏切警報機があったり、蒸気機関車の動輪が展示してあったり、公衆電話ボックスの屋根に電車のパンタグラフがついていたりと、これまた鉄道のまちを感じさせる数々があり、楽しくなります。
見逃してはならないのは、新津駅東口の北側にあるポケットパーク。前述の「ていしゃば」やバス停に気を取られていると見落としそうになりますが、台車や車輪・転轍機・分岐器・制御器・踏切遮断機など、なんともマニアックな鉄道用品が屋外展示されています。
機会をみて、一度訪れる価値がある街といえましょう。
掲載日:2015年11月27日
いまは新潟市秋葉区新津となっていますが、2005年までは新津市でした。
そんな新津ですから、昭和58年には新津駅近くに鉄道資料館ができ、平成10年には旧鉄道学園跡に移転しました。
その新津鉄道資料館に、昨2014年に上越新幹線で活躍した200系先頭車と、新津機関区を最後に引退した蒸気機関車C57 19号機が保存されました。「北側実車エリア」と呼ばれる場所で、対する「南側実車エリア」にはDD14形除雪用ディーゼル機関車と485系交直両用特急形電車の先頭車が展示されています。
新潟市新津鉄道資料館は、9:30~17:00の開館で、火曜日が定休日です。ただし、火曜日が祝日の場合には開館して、翌日を休館日としています。また、年末年始は12月28日~1月3日が休館日です。
観覧料は一般300円、高校・大学生が200円、小中学生が100円と、手頃な値段になっています。
左写真はエントランス部分ですが、これを見ただけでわくわくしてきますよね。
なかには、新潟ならではの展示物が所狭しと並んでいます。たとえば、「佐渡」「鳥海」「出羽」といった、新潟ゆかりの列車のヘッドマークが展示されています。また、昭和47年に植樹祭に向かわれる昭和天皇がお乗りになったお召し列車をけん引したC57 1のヘッドマークや、同列車の乗務員に贈られた「乗務記念」と墨書された国旗もあります。さらに「雪との戦い」として、除雪用の各種車両の模型が展示されていたり、上越国境を越える清水トンネル・新清水トンネルの立体模型があったりします。もちろん、特急「とき」として上越新幹線が開業するまで活躍した181系特急形直流電車も、ヘッドマークや車番切り抜きが展示してあります。
国鉄時代最後の新津駅時刻表は本物が展示してあり、「日本海」「つるぎ」「白鳥」「北越」「雷鳥」から、「きたぐに」「とがくし」「南越後」といった往年の優等列車が行き来していた様子を思い起こさせます。
新潟県内にかつてあった私鉄「新潟電鉄」「蒲原鉄道」「栃尾鉄道」「長岡鉄道」「頸城鉄道」などの資料も展示されています。
前述した、無料で見られる屋外静態保存機もあり、じっくり見学するとけっこう時間を要します。
新津鉄道資料館は、新津駅から2キロほどのところにあります。
バスを利用する場合には、新津駅東口から新潟交通S94,SK1等の系統で新津工業高校前バス停下車すぐとなります。ただし、便数が多くないので、予め新潟交通のホームページで時刻を調べて行く必要があります。
その点、新津鉄道資料館の駅中サテライトとなっている、新津駅東口の「ていしゃば」で自転車を借りると、時間を気にせず資料館まで往復できます。新津鉄道資料館の訪問、もしくは新津の観光の場合には無料で借りられるので、とてもありがたい存在です。ただし、自転車の貸出は、4月1日~11月30日という冬期を除いた期間となっています。来春以降に行かれる方は参考にされて下さいね。
街中には、ところどころに右上の写真にある駅名標を模した案内板があり、見て楽しいだけでなく、鉄道資料館まであとどれくらいかも判ります。また、自転車であればついでに街中を巡ると、アーケード街が国鉄特急色になっていたり、歯科医院の前に踏切警報機があったり、蒸気機関車の動輪が展示してあったり、公衆電話ボックスの屋根に電車のパンタグラフがついていたりと、これまた鉄道のまちを感じさせる数々があり、楽しくなります。
見逃してはならないのは、新津駅東口の北側にあるポケットパーク。前述の「ていしゃば」やバス停に気を取られていると見落としそうになりますが、台車や車輪・転轍機・分岐器・制御器・踏切遮断機など、なんともマニアックな鉄道用品が屋外展示されています。
機会をみて、一度訪れる価値がある街といえましょう。
掲載日:2015年11月27日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。