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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

真田幸村蟄居の地、和歌山・九度山も熱い! [No.H178]

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南海・真田赤備え列車は、正面も側面も真っ赤。真田家の旗印である六文銭が描かれているほか、側面には家紋もある。
前回、信州上田が真田幸村関連で盛り上がっていることをご紹介しました。
NHK大河ドラマ「真田丸」ではまだしばらく上田を中心とした信州を舞台とするでしょうが、やがて関ヶ原の合戦で西軍について敗れると、和歌山に蟄居の身となります。当初は高野山に蟄居ということですが、やがて高野山の麓に位置する九度山に居を移します。この九度山で父・昌幸は亡くなりますが、14年に及ぶ蟄居の後に大阪冬の陣がはじまり、幸村が真田丸を築くことになるわけです。

その九度山には、九度山駅があります。南海高野線の駅で、橋本から3つ目。九度山の次は、2015年5月22日に記した「南海高野線で寄り道・高野下駅を楽しむ」で紹介した高野山下駅です。
それだけに、南海は高野線で昨秋から「南海・真田赤備え列車」を運行しています。真っ赤な車体の正面上部と側面に旗印の六文銭を描くとともに、側面には真田家の家紋の「結び雁金」も描いてあります。
ただ、いつどこを走っているかは公表されていないため、見かけられるかどうかは運次第です。筆者は、たまたま朝のラッシュ時間帯にみつけて、なんとかこの写真を撮りましたが、それが精一杯でした。どうやら、その後は車庫に入ってしまったようで、見かけなくなりましたので…


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九度山駅にも六文銭の垂れ幕が掲げられているほか、週末には町中へのアクセス「真田赤揃えバス」も運行している。
前述のとおり、「真田赤備え列車」に会えるかどうかは運次第ですが、蟄居の地・九度山の最寄りとなる九度山駅は、ご覧の通り六文銭の垂れ幕がかかっています。また、ホームの屋根やベンチも赤備えにちなんだ装飾となっています。
さらに、来年1月7日(土)までの土休日とGW、盆正月には、駅舎右側に停まっている「真田赤備えバス」を運行しています。九度山駅から街中にある真田庵前を経て「道の駅くどやま」まで10分。10~17時のあいだ、40~60分間隔での運転です。
一乗車100円(小児50円)と気軽に乗れる価格で、運賃を払うと記念乗車証をもらえます。この乗車証は九度山の町で割引特典などを受けられるうれしいものです。


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道の駅「柿の郷くどやま」も赤備えの幟が立っている。
真田幸村が蟄居していた地へは、先ほどの「真田赤揃えバス」に乗っても良いですが、駅から1キロもない距離ですので、「真田のみち」を歩いてもいけます。
蟄居の地は「真田庵」と呼ばれる善名称院という寺院で、境内を歴史好きが三々五々と歩いていました。ここに至るまでにも九度山駅から続く昔ながらの道沿いに観光スポットが点在しているため、街歩きが楽しめます。
さらに、3月13日(日)には「九度山・真田ミュージアム」が開館予定で、開館日から来年2月28日まで“くどやま「真田丸」大河ドラマ展」を開催するそうです。同展では、大河ドラマで使用した衣裳や小道具などを展示するということです。2月中旬に行ったところ、建物はできあがり、内装工事をしているようでした。
ここからさらに500mほど進んだ川の対岸に道の駅「柿の郷くどやま」があり、ここが「真田赤揃えバス」の終点となっています。片道じっくりと歩いて、片道はバスに乗るというのが、無理のない九度山の歩き方かな…という感じです。
信州上田に続いて、紀州九度山へも足を運んでみてはいかがでしょうか。


掲載日:2016年03月04日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。