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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

忍者列車が走る伊賀鉄道 ~そのユニークな忍者たち~ 2/2 [No.H182]

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松本零士氏の直筆サインがある、青色の忍者列車。外観だけで無く、車内にも忍者が…
前回は、三重県伊賀市を走る伊賀鉄道の“忍者列車”について紹介しましたが、今週はその続きです。
松本零士氏の直筆サインがある青色の忍者列車の外観は、右の写真の通りです。正面だけでなく、側面の忍者の目も印象的ですよね。
車内はクロスシートとロングシートが混じったセミクロスシート仕様で、すいていればどちらでも好きなところを選べます。その床は石畳のデザインになっていて、車内灯は手裏剣の柄です。
太陽が眩しいからとカーテンを閉めると、そのカーテンも手裏剣柄になっています。
さらに、運転席横の扉が閉まると、忍者が飛び出してきました! …正確には飛び出すのではなく、扉の内側に忍者が描かれているため、その開閉で忍者が見え隠れするという、遊び心をくすぐる演出です。


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車内でも安心してはダメ! 網棚に忍者が隠れて、あなたの様子を伺っています…
忍者にちなむ車内の工夫に満足し、クロスシート部分に座りました。そのとき、ふと進行方向右手を見て、背筋がゾクッとしました。知らないうちに見張られていたのです、忍者に!
つり革に隠れて見にくいですけど、その向こうにある網棚の上にいました。
これは、注意力が散漫だと気付かないかも… 現に、車内でカメラを持ち出して網棚上の忍者を撮っていたら、それまで無関心だった方が私の行動をみて忍者に気付き、スマホで写真を撮り始めました。
すいている時間帯だと、車内でもこんな様子なのです。
なお、忍者列車は3編成すべてが、網棚上に忍者を忍ばせています。しかし、先に記した石畳風の床や手裏剣柄の車内灯とカーテン、忍者が見え隠れする扉は、青い忍者列車とピンク色の忍者列車にあるものの、緑色の忍者列車にはありませんので、ご注意下さい。


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上野市駅のホーム上には、手裏剣を持った忍者が隠れている。改札口から遠い側なので、気付きにくいかも…
やがて、電車は上野市駅に到着しました。伊賀市役所の最寄り駅となる、伊賀上野の中心駅です。
駅の北側は、市役所に続いて伊賀上野城があり、城址には伊賀忍者博物館もあります。
一方、南側は格子状の道が連なる城下町です。松尾芭蕉の生家も駅から近いところにあります。
そんな観光客がやってくる駅だからでしょう。この上野市駅のホーム天井にも忍者がいました。こちらは、手裏剣を構えています… おお、怖わっ! でも、改札口から少し離れたところなので、気付かない観光客も多そうで、ちょっともったいない感じです。
その改札口のあたりにも忍者がいて、コインロッカーも忍者柄となかなか徹底しています。

ところが、駅を出るとそこには「鉄郎・メーテルブロンズ像」が… もちろん、松本零士氏作の「銀河鉄道999」に登場するキャラクターです。平成25年に伊賀市が伊賀鉄道の利用促進をと移設したものだそうです。
その像の先にある駅前ロータリーには、松尾芭蕉の像も建っています。

忍者・松本零士氏・松尾芭蕉翁というキーワードで楽しむことができるのが、伊賀鉄道であり、伊賀市の観光でした。
暖かくなってきましたので、歴史散歩に伊賀鉄道を訪れてみてはいかがでしょうか。


掲載日:2016年04月01日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。