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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


  • ひろやすの汽車旅コラム
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

北海道新幹線用H5系と、同色の電車・バス [No.H188]

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北海道新幹線用にJR北海道が新製したH5系。基本色はJR東日本E5系と合わせながら、彩香パープルのラインが入っている
3月26日に北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業し、いよいよ北海道にも新幹線が走りはじめました。
JR東日本の東北新幹線と直通運転をすることで、東京~新函館北斗間を最短4時間2分で結びます。大宮~新函館北斗だと3時間38分、仙台~新函館北斗では2時間30分ですので、北関東や東北から道南へは、飛行機よりも新幹線の方が便利になりました。
JRが発足した1987年当時、青函連絡船は青森~函館間で3時間55分を要していましたので、当時を知る者としては、まさに隔世の感があります。

使用する車両は、従来から東北新幹線で使用してきたJR東日本のE5系に加えて、JR北海道が新製したH5系もあります。H5系は4編成あり、うち2編成を通常運用に入れています。青函トンネル内での異常時用に1編成を待機させる必要があるうえ、車両の定期検査時のことも考えると、4編成は最低の編成数ということのようです。
H5系はE5系をベースにしていますので、外観はそっくりです。さらに色も上部が常磐グリーン、下部が飛雲ホワイトとE5系と同じです。ただし、この基調色の境目に入っているラインが、彩香パープルというH5系ならではの色で、外見上の大きな特徴となっています。
彩香パープルは、ライラック、ルピナス、ラベンダーといった北海道を代表する植物をイメージした色だそうです。

右上の写真は、青函トンネルの青森側開口部にある「青函トンネル入口広場」で撮影したものです。H5系が青函トンネルを抜けて、本州に顔を出したところです。
ゴールデンウィークの最終日の撮影ですが、このように三々五々とこの広場に人が来ては、青函トンネルに出入りする列車を眺めていました。


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H5系カラーリングで走る、函館市電9602号。上下2色と彩香パープルのラインだけでなく、扉や窓もラッピングで再現している。
左の写真は、函館市内を走る函館市電の最新型超低床電車9600形「らっくる」号のうち、9602号。ご覧の通り、H5系を模したラッピング姿となっています。
2014年10月から、1年半後に迫った北海道新幹線開業をPRするために走りはじめました。函館バスにも同様なラッピング車が登場し、いずれも新幹線開業までということだったようですが、ゴールデンウィークを過ぎても、そのまま走っているようです。

ご覧のとおり、H5系と同じ常磐グリーンと飛雲ホワイトの上下に、彩香パープルのラインが入っています。そのラッピングは、乗降扉と客室窓も新幹線風にしています。
さすがによくみると新幹線とは異なるところが多々ありますが、それは致し方ないでしょう。イメージとして、よくこれだけ頑張ってデザインしたなというのが、現物を見ての正直な感想でした。
函館市民はもとより観光客も函館市内の観光でよく使う函館市電だけに、そのPR効果は大きいものと思います。


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新函館北斗駅が位置する北斗市にも、H5系デザインのバスがある。市のキャラクター「ずーしーほっきー」が描かれている。
北海道新幹線のいまの終着駅は、前述の通り新函館北斗駅です。
函館の玄関口の位置づけの駅ですが、北斗市内に位置しています。そのために、新函館北斗という駅名となりました。
その北斗市も、2014年11月にH5系デザインの大型バスを2台導入しました。
右の写真は、市内の子ども達が学校行事などで使うバスだそうです。車体中央に大きなイラストがありますが、北斗市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」が海の中を泳いでいる様子だそうです。
同市がプロジェクトを組んで生み出したキャラクターで、同市で行われているホッキ突き漁で獲れたホッキ貝を使ったホッキ寿司を題材にしているそうです。
なおもう一台は、トラピスト修道院のイラストを施した、市民が使うバスだそうです。

北海道新幹線の開業に合わせて、H5系をイメージしたこんな乗りもの達も登場し、多くの観光客を迎えています。


掲載日:2016年05月20日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。