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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

姨捨駅は、夏の夜の避暑地としてもお勧め [No.H199]

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姨捨駅は、昼ばかりでなく夜景もみごと! 駅のホームから眺められる絶景だけに、ぜひいちど見て欲しい。
今年は関東の梅雨明けが遅れましたが、8月となっていよいよ夏本番となりましたね。
こうなると、
   「いつ梅雨が明けるのかなぁ?」
と言っていたはずの人が、
   「暑くてたまらない、どこか避暑に行きたい…」
と言い出したりするものですよね。

そんな方にお勧めなのが、長野県の姨捨駅です。
同駅については2014年2月14日に「日本三大車窓の絶景を楽しむ姨捨駅」として紹介しています。でも、この時は昼間に絶景を楽しめる場所として紹介しただけで、夜には触れませんでした。
でも、ご覧の通り、夜の姨捨駅も素晴らしいのです。
それもそのはず、かねてから千枚田のひとつひとつに月が映るという「田毎の月」で知られた姨捨です。夜景の見事さは、いまに始まったことではありません。
そのうえ、月明かりが無くとも、いまでは千曲市から長野市にかけての市街地の光を一望にできるのです。


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「ナイトビュー姨捨」が走る日には、姨捨駅舎で地元の方々によるおもてなしや地場産品の販売もある。
姨捨駅は、長野駅から普通列車で30分と比較的近い場所にあります。運賃も片道410円ですから、往復しても千円札一枚でおつりが来ます。
さらに、海抜547メートルにある駅のため、長野市内に比べるとかなり涼しいのです。
夏の避暑として夜景を眺めに行くのに、条件が整っていますよね。

さらに、毎年5月から9月までの週末を中心に、快速「リゾートビューふるさと」の車両を使った「ナイトビュー姨捨」が走ります。
長野18:48→19:22姨捨20:24→20:58長野と、長野駅から2時間強の行程で、姨捨駅には1時間の滞在ができます。全車指定席ですが、運賃込みで大人1,030円と往復運賃に210円足しただけの額です。安いですよね。
さらに、ナイトビュー姨捨弁当がついた夜景ツアーにすると、大人2,500円です。姨捨米をはじめ地場産の食材を使った弁当を食べながら姨捨駅に向かうという、なかなか気の利いたツアーです。
この列車を使うと、駅舎で語り部の方々による姨捨伝説が聞けたり、味噌汁がふるまわれたり、お土産を買うことができたりします。
詳しくは、JR東日本長野支社のホームページで「リゾートビューふるさと」のバナーをクリックすると、同車両とともに「快速ナイトビュー姨捨」についての案内が見られます。


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しっとりと夜景を楽しむのにも適した姨捨駅。来年走りはじめる「TRAIN SUITE 四季島」の乗客も、ここにやってくる。
今年1月22日に「日本夜景遺産の鉄道を楽しむ…岳南電車」として、「日本夜景遺産」を紹介しました。
ここ姨捨駅と、前述の「ナイトビュー姨捨」も、この「日本夜景遺産」に認定されています。
それほどのところですので、来年から走りはじめると話題のJR東日本の豪華クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」でも、1泊2日コースでは、1日目の夜に乗客がこの姨捨駅を訪れることになっています。
そのために、いま姨捨駅に「夜景バー」を建設中です。この「夜景バー」は駅舎のある下りホームに建てるとのことで、眼下に広がる夜景を一望できる上りホームは、今のまま楽しめるそうです。
夜景を眺めながらグラスを傾けるのは素敵ですが、いまのところ、同列車利用者以外でも利用できるのかどうかは発表されていません。気になるところです。
もっとも、右上の写真のような光景になれば、何も要らなそうですが…


掲載日:2016年08月05日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。