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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
トットちゃん広場に保存された、もと長野電鉄車 [No.H211]
電車は古めかしいものの、きれいに整備されていることが見て取れます。背後の山は、北アルプスにつながる峰峰です。ここは信州にある安曇野ちひろ公園内で、2両の電車は今夏に整備された「トットちゃん広場」に保存されたもと長野電鉄のモハ604とデハニ201です。
いずれも、長野電鉄の小布施駅にある「ながでん電車の広場」で展示されたうえで、廃線になった長野電鉄屋代線の信濃川田駅に留置されていた電車です。安曇野ちひろ公園に「トットちゃん広場」を開設する案が具体化した際に、同所で展示する車両として白羽の矢が立ったのです。
「トットちゃん広場」は、タレントや司会者等で活躍されている黒柳徹子氏の著書「窓ぎわのトットちゃん」に登場する「電車の図書室」と「電車の教室」を再現した電車を、中心に据えた広場です。今年(2016年)7月23日にオープンしたばかりで、「安曇野ちひろ公園」内にあります。
「安曇野ちひろ公園」は、「窓ぎわのトットちゃん」の挿絵を担当した絵本画家・いわさきちひろ氏の作品を展示する「安曇野ちひろ美術館」を核施設とした公園です。
この写真からも、信州の安曇野にある良い雰囲気の場所にあることをご理解いただけると思います。
左の写真は、モハ604の車内です。ご覧の通り、車内には書棚を設けてあり、その先には椅子と机による読書スペースが用意してあります。
それでありながら、天井にはグローブ型照明を残し、網棚も残してあります。戦前に都内にあり、黒柳徹子氏が通ったという廃車体を利用した「電車の図書館」を再現するために、敢えて戦前製の電車を使い、車内外も当時の雰囲気を再現するようにしているわけです。
両端に運転席がありますが、どちらの内部もよく現役当時の様子を残していて、うれしくなります。
「安曇野ちひろ公園」は無料の公園で、この電車の図書館も無料で利用できます。というのも、地元の松川村が村立図書館の分室という位置づけで開設したのです。図書館ですので、書棚にある本は自由に手にとって読むことができます。その蔵書には、もちろん「窓際のトットちゃん」もあります。
安曇野ちひろ美術館を見学したついでに立ち寄り、読書に飽きたら新鮮な空気を吸いながら公園内を散策することができる素敵な場所です。
しっかりと時間をとって、ゆっくりと訪問したいですよね。
もう一方のデハニ201は、客室と荷物室がある合造車ですが、客室に黒柳徹子氏が戦前に通ったトモエ学園にあった「電車の教室」を再現しています。
一方、荷物室は現役当時のままの様子で自由に出入りでき、そこから「電車の教室」の様子を見ることができますし、客室の中ほどにある出入口扉の部分も一歩だけ車内に立ち入って、この教室の様子を見ることができるようになっています。
ご覧のとおり座席を取り外して机を並べ、網棚にはランドセルなどが置かれています。実際に、トモエ学園ではそのような使い方がされていたそうです。
「安曇野ちひろ公園」は、JR東日本の大糸線・信濃松川駅から約2. 5km東に行ったところにあります。徒歩では約30分を要しますが、駅前でレンタサイクルを借りると便利です。
また、大糸線の穂高駅からは4月下旬~11月上旬の土休日とGW,夏休み期間に「あづみ野周遊バス」が運行されています。また、大糸線の信濃大町駅からは7月~11月上旬の土休日を中心に「信濃大町ぐるりん号」が運転されています。
詳しくは、ちひろ美術館サイト内の「安曇野ちひろ美術館」への交通アクセスをご確認下さい。
掲載日:2016年10月28日
いずれも、長野電鉄の小布施駅にある「ながでん電車の広場」で展示されたうえで、廃線になった長野電鉄屋代線の信濃川田駅に留置されていた電車です。安曇野ちひろ公園に「トットちゃん広場」を開設する案が具体化した際に、同所で展示する車両として白羽の矢が立ったのです。
「トットちゃん広場」は、タレントや司会者等で活躍されている黒柳徹子氏の著書「窓ぎわのトットちゃん」に登場する「電車の図書室」と「電車の教室」を再現した電車を、中心に据えた広場です。今年(2016年)7月23日にオープンしたばかりで、「安曇野ちひろ公園」内にあります。
「安曇野ちひろ公園」は、「窓ぎわのトットちゃん」の挿絵を担当した絵本画家・いわさきちひろ氏の作品を展示する「安曇野ちひろ美術館」を核施設とした公園です。
この写真からも、信州の安曇野にある良い雰囲気の場所にあることをご理解いただけると思います。
左の写真は、モハ604の車内です。ご覧の通り、車内には書棚を設けてあり、その先には椅子と机による読書スペースが用意してあります。
それでありながら、天井にはグローブ型照明を残し、網棚も残してあります。戦前に都内にあり、黒柳徹子氏が通ったという廃車体を利用した「電車の図書館」を再現するために、敢えて戦前製の電車を使い、車内外も当時の雰囲気を再現するようにしているわけです。
両端に運転席がありますが、どちらの内部もよく現役当時の様子を残していて、うれしくなります。
「安曇野ちひろ公園」は無料の公園で、この電車の図書館も無料で利用できます。というのも、地元の松川村が村立図書館の分室という位置づけで開設したのです。図書館ですので、書棚にある本は自由に手にとって読むことができます。その蔵書には、もちろん「窓際のトットちゃん」もあります。
安曇野ちひろ美術館を見学したついでに立ち寄り、読書に飽きたら新鮮な空気を吸いながら公園内を散策することができる素敵な場所です。
しっかりと時間をとって、ゆっくりと訪問したいですよね。
もう一方のデハニ201は、客室と荷物室がある合造車ですが、客室に黒柳徹子氏が戦前に通ったトモエ学園にあった「電車の教室」を再現しています。
一方、荷物室は現役当時のままの様子で自由に出入りでき、そこから「電車の教室」の様子を見ることができますし、客室の中ほどにある出入口扉の部分も一歩だけ車内に立ち入って、この教室の様子を見ることができるようになっています。
ご覧のとおり座席を取り外して机を並べ、網棚にはランドセルなどが置かれています。実際に、トモエ学園ではそのような使い方がされていたそうです。
「安曇野ちひろ公園」は、JR東日本の大糸線・信濃松川駅から約2. 5km東に行ったところにあります。徒歩では約30分を要しますが、駅前でレンタサイクルを借りると便利です。
また、大糸線の穂高駅からは4月下旬~11月上旬の土休日とGW,夏休み期間に「あづみ野周遊バス」が運行されています。また、大糸線の信濃大町駅からは7月~11月上旬の土休日を中心に「信濃大町ぐるりん号」が運転されています。
詳しくは、ちひろ美術館サイト内の「安曇野ちひろ美術館」への交通アクセスをご確認下さい。
掲載日:2016年10月28日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。