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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

黒磯駅直流化で、東北本線に常磐線用E531系の定期運用 [No.H259]

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東北本線黒磯駅に入線してきた、常磐線用E531系。行き先表示が「東北本線」となっている。
JR東日本の東北本線は、黒磯駅以南が直流1500V、以北が交流20000Vで電化されています。その直流-交流の切替は、これまで地上設備で行ってきました。駅構内の各線ごとに直流と交流が切り替えられるようにしてあり、駅に停車している間に直流-交流を変更するのです。
このため、これまで旅客用電車はすべて黒磯止まりとして、上り方面は直流車、下り方面は交流車を使用していました。また、貨物列車は原則として黒磯駅に停車して交直切替を行っています。
ただし、かつての寝台特急などは専用装置を搭載することで、停車せずに走り抜けられるようにしていました。
しかし、これでは手間がかかるうえ、構内配線も複雑です。そこで、他の交流-直流切替箇所と同様に、黒磯駅の北側にデッドセクションと呼ばれる無電化区間を設けることで、列車が走りながら交流-直流を切り替えられるようにすることになりました。これにより、黒磯駅構内はすべて直流電化となります。
そのためのダイヤ改正が、去る10月14日に行われました。
このダイヤ改正で登場したのは、常磐線用の交直両用電車E531系です。行き先表示部分には「東北本線」と表示されています。


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E531系は利用が多い朝晩だけで、日中はキハ110系ディーゼルカー2両編成が担当する。
黒磯発着の交直流車E531系は、黒磯~新白河間22. 1kmを担当します。栃木県と福島県の県境をまたぐ区間で、東北新幹線も並行していることから、利用者は多くありません。
そこで、利用の多い朝晩は5両編成のE531系が走りますが、日中はキハ110系ディーゼルカーが2両編成でワンマン運転をすることになりました。
電化方式の違いが車両を選別するわけですが、ディーゼルカーであれば電化方式に関係なく走ることができます。このため、交流電化の初期には、直流電化区間との境目付近でディーゼルカーを使用するケースが割とありました。その再現となったわけです。ただ、複線電化区間を走るディーゼルカーですので、やや違和感があることは否めないでしょう。
使用車両がE531系かキハ110系かは、時刻表の列車番号を見れば判ります。E531系使用列車は「4129M」のように列車番号の末尾が「M」、キハ110系使用列車は「4133D」のように「D」となっています。
なお、E531系と違い、キハ110系は「ワンマン 普通」の表示だけで、この区間を走る列車だという表示は特にないようです。


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ダイヤ改正以前に走っていた交流電車719系。キハ110系と同じ場所で撮影している。
ダイヤ改正前は、交流専用の電車が黒磯駅から北を担当していました。
右の写真は、10年ほど前に撮影した719系交流電車です。上に掲載しているキハ110系とまったく同じ場所で撮影していることがわかります。
719系は近年数を減らし、昨今は後継となる701系やE721系が担当してきました。しかし、今回の交直切替方式の変更により、今後はこれら交流専用車は走ることがなくなります。
代わって交直両用車かディーゼルカーが走ることになったわけですが、このダイヤ改正で登場したE531系とキハ110系は、近隣からかき集めてきた印象です。
駅の北側にデッドセクションを設置して、黒磯駅構内をすべて直流電化とするのは今年度末の予定となっています。割と早く対応工事が終わるようですね。その後も引き続きこれらの車両を使用するのか、どこかの時点で新たな車両を投入することになるのか、しばらく気になる存在となりそうです。
一方、黒磯駅構内の交流関係機器の撤去工事は、数年を要するということです。複雑な配線だけに、単純な配線に直すには手間がかかるのでしょうか。


掲載日:2017年10月27日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。