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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


  • ひろやすの汽車旅コラム
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

乗ってみたい「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」 [No.H058]

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「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」は、どちらも
「あかまつ」と「あおまつ」の2両編成で走る。
あかまつ車両を利用するには、乗車整理券が必要。
北近畿タンゴ鉄道を知っていますか?
京都府北部の丹後地方にある第三セクター鉄道で、天橋立や丹後半島への足となっています。同鉄道では、今年4月から「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」という観光列車を走らせています。どちらも同じ編成で、「あかまつ」車両と「あおまつ」車両の2両編成で走ります。
「あかまつ」車両は、乗車券のほかに300円(おとな・こども共通)の乗車整理券が必要です。一方、「あおまつ」車両は自由席です。車体色が赤色と青色と、車両名に合わせた色で一目瞭然、だれでもすぐにそれとわかります。
「丹後あかまつ号」は西舞鶴~宮津~豊岡間、「丹後あおまつ号」は西舞鶴~宮津~福知山と福知山~宮津~天橋立を走る列車です。両列車は曜日に関係なく、毎日交互に運転となっています。また、定期検査のため、両列車とも一般車両で運転することもあります。それだけに、事前に北近畿タンゴ鉄道のホームページか時刻表を確認してから行きたいものです。


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「あおまつ」車内から若狭湾の絶景を眺める。
西舞鶴~宮津間の由良川橋梁と若狭湾の眺めが秀逸で 両区間では徐行・停車のサービスをしてくれる。

沿線風景は、大きく3つに分かれます。福知山~宮津の宮福線は、赤鬼青鬼伝説が残る大江山を越える山間の眺め。宮津線のうち宮津~豊岡は、天橋立付近を除くと典型的な里山の農村風景です。そして、最大のみどころは宮津線の西舞鶴~宮津です。この区間では、長大な由良川橋梁では徐行運転をし、若狭湾を一望にできる海岸沿いでは一時停車のサービスをしてくれます。その際、車内ではアテンダントさんによる解説もあります。
それぞれにお勧めしたい車窓ですが、時間が許すようであれば、やはり西舞鶴~宮津をお勧めします。幸いなことに、この区間は「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」が共に走る区間なので、基本的に毎日走っています。ただし、次の通り時刻が違う点が要注意です。

丹後あかまつ号 西舞鶴10:26→11:08宮津
丹後あおまつ号 西舞鶴12:29→13:10宮津

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自由席の「あおまつ」車両内のボックス席。
ウッディな椅子にテーブルもあり、
自由席車とは思えない快適さだ。
「あかまつ」「あおまつ」車両は、九州新幹線や和歌山電鉄の「たま電車」などのデザイナーとして知られる水戸岡鋭冶氏によるデザインだけに、内装に木をふんだんに使っています。もちろん、木は難燃化処理をしてあるので、安全面でも問題ありません。「松」をテーマにしたのは、天橋立に代表される日本海の白砂青松をイメージしてということです。
座席配置をみると、整理券が必要な「あかまつ」車両は2名以上で乗車すると快適に過ごせるよう工夫されているようです。一方、ひとりの場合は自由席の「あおまつ」車両で十分快適に過ごせる感じです。TPOに合わせて使い分けると良いのではないでしょうか。
ちなみに、「あかまつ」車両の乗車整理券は、日本旅行の各店舗で予約ができる(※旅行取扱料金がかかる場合があります。)ほか、北近畿タンゴ鉄道のホームページ内からも直接予約ができます。
なお、今年がデビュー初年の「あかまつ」「あおまつ」ですが、利用状況が好調とのことで、来春にも増備車が登場する予定と報じられました。車両名は「くろまつ」が有力で、車内で地元の魚介類を使った料理や地酒が味わえるカウンターの設置を検討中とのことです。楽しそうな計画で、正式発表が待ち遠しくなりますね。



掲載日:2013年10月04日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。