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- 2018年07月20日(金)掲載
- [No.H294] 拙著「東海鉄道散歩」が7月21日に発刊されます
- 2018年07月13日(金)掲載
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- 2018年07月06日(金)掲載
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- 2018年06月22日(金)掲載
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- 2018年06月15日(金)掲載
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- 2018年06月08日(金)掲載
- [No.H288] 大阪市営地下鉄は、民営化して Osaka Metro に
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
「ゆら~り眺めて清流列車」で長良川鉄道を楽しむ [No.H079]
長良川鉄道は、環境省が選定した名水百選に名を連ねる長良川沿いを、忠実に走っています。自然の地形に沿った路線だけに、東西を山に囲まれた風光明媚な車窓を展開します。なかでも、線区半ばの湯の洞温泉口~郡上八幡間24.6kmでは、7つの鉄橋を渡る見逃せない区間です。「ゆら~り眺めて清流列車」は、その各鉄橋上や川沿いを走る区間で敢えて速度を落とし、ゆっくりと景色を楽しめる列車です。
眺めの良いところで速度を落とすサービスは、観光客が多い時期に特定の列車で行うケースが多いのですが、長良川鉄道はそれを定期列車で行っています。しかも、料金不要・予約不要で、普通運賃だけで楽しめてしまうのですから、嬉しいですよね。
湯の洞温泉口~郡上八幡間の所要時間は、下りの「ゆら~り眺めて清流列車1号」が43分、上りの同2号は41分です。他の列車はほぼ下り39分、上り37分ですので、それぞれ4分よけいに時間をかけていることが判ります。ちなみに、同1号は高山本線との接続駅である美濃太田を10時28分に発車して、終点の北濃には11時50分に到着します。同2号は、北濃を14時10分に発車して、美濃太田着は16時12分です。どちらも、沿線を観光するには良い時間帯ですよね。(注:いずれも執筆時点での時刻です。)
長良川鉄道は、国鉄時代からの駅を大事に使用していて、木造駅舎はもちろんのこと、ホームも構内配線も国鉄時代の様子を色濃くのこす駅が多くあります。その一つに、郡上八幡駅があります。上りホームの外れには、腕木式信号機を使用していた頃の信号機テコがそのまま残り、軒下の電気配線には碍子が使われているなど、年配の方であれば懐かしい思いがする駅です。その駅舎内には、「ふるさとの鉄道館」という、越美南線時代に使用していた物を展示する一角があります。毎日午前9時から午後5時まで無料で公開されているので、長良川鉄道に行ったら寄ってみたいポイントです。
郡上八幡は、郡上おどりという盆踊りが有名で、特にお盆期間中の徹夜踊りは大勢の人が押しかけます。でも、この町はそれ以外の時期でも見どころがいっぱいです。城下町の職人町と加治屋町は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているのをはじめ、豊富な水を活かした伝統的な町並みがしっかりと残っています。食品サンプルを自作できるお店など、ちょっと気になるお店も点在しています。駅から1-2キロの距離がありますが、「まめバス」というコミュニティバスが1時間に2本程度運行されていて、1乗車100円と気軽に利用できます。
長良川鉄道でさらに北上して、終点の北濃駅まで行くと、国の登録有形文化財となっている転車台が見られます。1902(明治35)年にアメリカから輸入して岐阜駅で使われたあと、1934(昭和9)年に北濃駅ができる際に移転したものということです。珍しいのは、転車台内に水が流れていることです。ここにはもともと水路があったため、転車台を造る際に内部を水路にしたということです。雪解け水が流れる季節は、写真のように特に水量が多くなります。水が豊富な土地柄だけありますよね。
この転車台だけでなくここ北濃駅全体も、先に述べた郡上八幡駅と同様、駅構内や駅舎が国鉄時代の面影を色濃く残しているものです。その全体の雰囲気を感じているだけで、折り返し列車の発車時刻となってしまいます。なお、駅舎内にはお好み焼きや五平餅などを売る食堂があり、良心的な価格で腹ごしらえをすることもできます。休店日ははっきりしませんが、週末は基本的に開いているようです。
掲載日:2014年03月14日
眺めの良いところで速度を落とすサービスは、観光客が多い時期に特定の列車で行うケースが多いのですが、長良川鉄道はそれを定期列車で行っています。しかも、料金不要・予約不要で、普通運賃だけで楽しめてしまうのですから、嬉しいですよね。
湯の洞温泉口~郡上八幡間の所要時間は、下りの「ゆら~り眺めて清流列車1号」が43分、上りの同2号は41分です。他の列車はほぼ下り39分、上り37分ですので、それぞれ4分よけいに時間をかけていることが判ります。ちなみに、同1号は高山本線との接続駅である美濃太田を10時28分に発車して、終点の北濃には11時50分に到着します。同2号は、北濃を14時10分に発車して、美濃太田着は16時12分です。どちらも、沿線を観光するには良い時間帯ですよね。(注:いずれも執筆時点での時刻です。)
長良川鉄道は、国鉄時代からの駅を大事に使用していて、木造駅舎はもちろんのこと、ホームも構内配線も国鉄時代の様子を色濃くのこす駅が多くあります。その一つに、郡上八幡駅があります。上りホームの外れには、腕木式信号機を使用していた頃の信号機テコがそのまま残り、軒下の電気配線には碍子が使われているなど、年配の方であれば懐かしい思いがする駅です。その駅舎内には、「ふるさとの鉄道館」という、越美南線時代に使用していた物を展示する一角があります。毎日午前9時から午後5時まで無料で公開されているので、長良川鉄道に行ったら寄ってみたいポイントです。
郡上八幡は、郡上おどりという盆踊りが有名で、特にお盆期間中の徹夜踊りは大勢の人が押しかけます。でも、この町はそれ以外の時期でも見どころがいっぱいです。城下町の職人町と加治屋町は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているのをはじめ、豊富な水を活かした伝統的な町並みがしっかりと残っています。食品サンプルを自作できるお店など、ちょっと気になるお店も点在しています。駅から1-2キロの距離がありますが、「まめバス」というコミュニティバスが1時間に2本程度運行されていて、1乗車100円と気軽に利用できます。
長良川鉄道でさらに北上して、終点の北濃駅まで行くと、国の登録有形文化財となっている転車台が見られます。1902(明治35)年にアメリカから輸入して岐阜駅で使われたあと、1934(昭和9)年に北濃駅ができる際に移転したものということです。珍しいのは、転車台内に水が流れていることです。ここにはもともと水路があったため、転車台を造る際に内部を水路にしたということです。雪解け水が流れる季節は、写真のように特に水量が多くなります。水が豊富な土地柄だけありますよね。
この転車台だけでなくここ北濃駅全体も、先に述べた郡上八幡駅と同様、駅構内や駅舎が国鉄時代の面影を色濃く残しているものです。その全体の雰囲気を感じているだけで、折り返し列車の発車時刻となってしまいます。なお、駅舎内にはお好み焼きや五平餅などを売る食堂があり、良心的な価格で腹ごしらえをすることもできます。休店日ははっきりしませんが、週末は基本的に開いているようです。
掲載日:2014年03月14日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。