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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


  • ひろやすの汽車旅コラム
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

「あまちゃん」のロケ地、三陸鉄道をめぐる旅 1 [No.H096]

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NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」に出てくる袖ケ浜駅は、ここ堀内駅が使われた。
右の写真をみて、あれ、見たことがある…と思った方もおいでではないでしょうか。今からちょうど一年前に、大人気となったNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」のなかで、袖ヶ浜駅として使われた駅です。三陸鉄道北リアス線の堀内駅ですが、駅名は「ほりない」と読みます。ドラマ内の袖ヶ浜駅は、北限の海女で知られる小袖海岸に由来してつけられたドラマ上の駅名ですが、小袖海岸は北リアス線の起点となる久慈駅から8kmほどの場所で、堀内駅からだと15kmほど離れています。
写しているのは線路より少し上を通っている国道で、ここから細い道を降りて駅ホームに着きます。堀内駅から少し久慈側へ行ったところにある安家川橋梁は、高さが33mと三陸鉄道で最も高い鉄橋です。三陸鉄道の列車は、その眺望を見てもらうために、鉄橋上で一時停車してくれます。それほど高いところを走っている区間だけに、この付近の線路は津波の被害に遭わずに済みました。


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堀内駅のホームには、「あまちゃん」のロケ地だとPRする横断幕が掲げられていた。
さて、堀内駅に行ってみましょう。片面1本のホームに待合室があるだけの無人駅ですが、トイレも併設されていて、しかもきれいに清掃されていることに好感が持てます。ホームがゆるいカーブを描いているところが特徴ですが、「あまちゃん」の袖ヶ浜駅でもその様子が何度も映っていましたので、ご記憶の方もおいでかと思います。
ホームの柵には、ご覧の通り「あまちゃん」のロケ地であることをアピールする横断幕が掲げられていました。平成25年4月1日~9月28日の放送予定としているところから、同ドラマが放映されている頃から掲げられていたのでしょうね。ちなみに、ホームの先に見えたトンネルは、この写真の後ろ側…つまり宮古方面にあります。


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たまたま乗り合わせたロケに使用した車両には、あまちゃんのポスターが大きく掲げられていた。
北リアス線ではいくつかの車両に乗りましたが、そのなかに、右の写真にあるような「あまちゃん」のポスターが掲げられている車両がありました。36形207号という車両です。三陸鉄道の車両はすべて36形ですので、200形の7号車と呼んだ方が良いかも知れません。
「あまちゃん」出演者が並んでいるポスターに向かって、お客さんが一人一人を指差して「あの演技はうまかったなぁ」などと同行者と話している様子も見られました。そのポスターの右下には

   じぇじぇじぇ~!
   この汽しゃ~
   あまちゃんのロゲさ
   使ったのでぇ~!!

と地元の言葉で書いてあります。その下に、小さな字で標準語でも同じ内容が記してあるのですが… なかなか楽しい掲示ですよね。




掲載日:2014年07月11日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。