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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
万葉線の「ドラえもんトラム」と「ハイブリッドトラム」 [No.H101]
富山県の高岡駅は、JR西日本の北陸本線、城端(じょうはな)線、氷見(ひみ)線のターミナル駅であるとともに、路面電車の万葉線の始発駅にもなっています。来春、北陸新幹線が金沢駅まで開業すると、城端線の高岡駅~二塚駅間に新高岡駅が開業する予定です。その新幹線と城端線が接続する新駅は建設中ですが、高岡駅は一足早く今年3月に完成しました。
これまで、駅前にあった万葉線の高岡駅前電停は、高岡駅完成によりその1階に高岡駅電停ができて、営業距離が100m増えました。この新電停は右の写真のとおり2面2線で、通常は一方だけを利用し、ラッシュ時間帯や臨時列車運転の際には2線とも利用する形となっています。
その万葉線には、人気の電車が走っています。「ドラえもんトラム」です。2012(平成24)年9月からドラえもん誕生100年前記念として走りはじめています。作者である藤子・F・不二雄氏が高岡市出身という縁によるものです。当初は1年間の限定運用だったのですが、あまりに人気なため、3年間に期間を延長し、来年(2015年)夏までの運行となったことは、昨年6月21日付の「"ドラえもんトラム"と"動物電車"が走る万葉線 [No.H043]」にて記した通りです。
万葉線の高岡駅電停の横には、待合室があります。その待合室の一角にあるのが、銅製の「ドラえもんポスト」です。「ドラえもんトラム」が入線したときには、左の写真のとおり、両者の共演を待合室から楽しむことができます。銅器は高岡の伝統産業のため、その技術を使い、藤子・F・不二雄氏生誕80周年を記念して昨年造ったものです。
当初は、高岡市美術館で展示されていましたが、その後、この待合室ができたため移設されたものです。本物の郵便ポストとして使われているもので、今年11月29日までに投函すると、「藤子・F・不二雄 生誕80th記念」の消印が押されて配達されることになっています。高岡へ行く際には、投函用の郵便物と切手を忘れないようにしたいですよね。
万葉線では、今年7月26日~8月13日のうち計14日間に、右の写真の「ハイブリッドトラム」実走実験がありました。往復4区間で各20人ずつ希望者が試乗できるもので、期間中には車内の展示公開もありました。
この電車は「Hi-Tram(ハイ!トラム)」という愛称で、鉄道総合技術研究所が開発した試験車両です。蓄電池を載せることで、架線から充電して走ったあと、架線がない路線に乗り入れて走ることができるというものです。2007年11月から翌年3月までの厳冬期に札幌市電で走行試験をし、さらに2009年11月にはJR四国の予讃線と高徳線で、時速80kmまでの高速走行実験にも成功しています。
高岡の場合、冒頭に記したとおり新幹線駅は高岡駅から少し離れた新高岡駅となります。高岡駅と同駅を結ぶJR城端線は非電化線ですので、このハイブリッドトラムを万葉線からJR城端線に乗り入れることで、市内から新幹線駅まで乗り換えなしでいけることを構想しているようです。また、万葉線の途中ではJR氷見線と立体交差しています。この氷見線も非電化線ですので、同線への乗り入れも構想されているようです。
夢のある話で、考えているだけでワクワクしてきますよね。構想が実現することを期待したいところです。
掲載日:2014年08月15日
これまで、駅前にあった万葉線の高岡駅前電停は、高岡駅完成によりその1階に高岡駅電停ができて、営業距離が100m増えました。この新電停は右の写真のとおり2面2線で、通常は一方だけを利用し、ラッシュ時間帯や臨時列車運転の際には2線とも利用する形となっています。
その万葉線には、人気の電車が走っています。「ドラえもんトラム」です。2012(平成24)年9月からドラえもん誕生100年前記念として走りはじめています。作者である藤子・F・不二雄氏が高岡市出身という縁によるものです。当初は1年間の限定運用だったのですが、あまりに人気なため、3年間に期間を延長し、来年(2015年)夏までの運行となったことは、昨年6月21日付の「"ドラえもんトラム"と"動物電車"が走る万葉線 [No.H043]」にて記した通りです。
万葉線の高岡駅電停の横には、待合室があります。その待合室の一角にあるのが、銅製の「ドラえもんポスト」です。「ドラえもんトラム」が入線したときには、左の写真のとおり、両者の共演を待合室から楽しむことができます。銅器は高岡の伝統産業のため、その技術を使い、藤子・F・不二雄氏生誕80周年を記念して昨年造ったものです。
当初は、高岡市美術館で展示されていましたが、その後、この待合室ができたため移設されたものです。本物の郵便ポストとして使われているもので、今年11月29日までに投函すると、「藤子・F・不二雄 生誕80th記念」の消印が押されて配達されることになっています。高岡へ行く際には、投函用の郵便物と切手を忘れないようにしたいですよね。
万葉線では、今年7月26日~8月13日のうち計14日間に、右の写真の「ハイブリッドトラム」実走実験がありました。往復4区間で各20人ずつ希望者が試乗できるもので、期間中には車内の展示公開もありました。
この電車は「Hi-Tram(ハイ!トラム)」という愛称で、鉄道総合技術研究所が開発した試験車両です。蓄電池を載せることで、架線から充電して走ったあと、架線がない路線に乗り入れて走ることができるというものです。2007年11月から翌年3月までの厳冬期に札幌市電で走行試験をし、さらに2009年11月にはJR四国の予讃線と高徳線で、時速80kmまでの高速走行実験にも成功しています。
高岡の場合、冒頭に記したとおり新幹線駅は高岡駅から少し離れた新高岡駅となります。高岡駅と同駅を結ぶJR城端線は非電化線ですので、このハイブリッドトラムを万葉線からJR城端線に乗り入れることで、市内から新幹線駅まで乗り換えなしでいけることを構想しているようです。また、万葉線の途中ではJR氷見線と立体交差しています。この氷見線も非電化線ですので、同線への乗り入れも構想されているようです。
夢のある話で、考えているだけでワクワクしてきますよね。構想が実現することを期待したいところです。
掲載日:2014年08月15日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。