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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
神奈川県3月14日ダイヤ改正で「上野東京ライン」が運転を開始 [No.H129]
3月14日のダイヤ改正では、首都圏でも大きな変化があります。
長らく工事を続けていた「上野東京ライン」上野~東京~新橋~品川間の運転が始まり、宇都宮線(東北本線)・高崎線・常磐線の上野行の多くが、東京駅を経て新橋駅まで直通するようになるのです。さらに、宇都宮線・高崎線からの列車は、そのまま東海道本線に入って、小田原や熱海まで直通します。
埼玉県~神奈川県の直通ルートはすでに湘南新宿ラインで実現していますが、今回の上野東京ライン運転開始で、埼玉県~神奈川県は山手線部分で東西2ルートを有することになるわけです。同様に、常磐線の茨城県から上野にやってくる列車も、日中1時間に2本、ラッシュ時にはもっと多くが品川まで直通するようになります。
この結果、首都圏エリアでの快速・普通列車のグリーン車乗り継ぎの扱いが変わります。これまでも、総武線や宇都宮線・高崎線から、東海道本線や横須賀線に行く場合には、直通列車が無くても、途中駅でグリーン車を乗り継ぐことが認められ、通算の乗車距離で利用ができました。もちろん、逆方向でも構いません。そこに今回、常磐線が加わるのです。この結果、常磐線高萩駅~伊東線伊東駅の289.8kmを、Suicaで乗車前にグリーン券を購入すると、グリーン料金が980円で済みます。さらに、土休日などホリデー料金の日にはわずか780円でグリーン車を利用できるのです。お得感たっぷりですよね。
これまでも、黒磯駅~伊東駅間284.8kmを同様に利用できていますが、その範囲が常磐線にまで広がったのは嬉しいですよね。ただし、同一方向に乗り継ぐ場合という制限がありますので、常磐線~宇都宮線とか、総武線~高崎線という乗り継ぎには適用されません。ご注意下さい。
常磐線の中距離列車と快速列車は、上記の通り併せて日中1時間に2本が上野東京ラインで品川発着となります。さらに常磐線の特急列車も、これまではすべて上野発着でしたが、品川発着が基本で朝晩には上野発着便もあるというように大きく変わります。これで、東海道新幹線と常磐線特急を乗り継ぎしやすくなります。「のぞみ」は全列車が品川駅に停まりますので、品川駅での乗換が増えるかも知れませんね。ちなみに、東京~品川の所要時間は、新幹線が6分なのに対して、常磐線特急は東海道本線と同じ8分です。京浜東北線の快速は9分ですから、どれも似たり寄ったりの所要時間ですよね。
ところで、これまで常磐線特急は速達型の「スーパーひたち」と、主要駅に停まる「フレッシュひたち」の組合せでした。これが3月14日のダイヤ改正から、それぞれ「ひたち」と「ときわ」に列車名が変更となり、「スーパー」「フレッシュ」の冠がなくなります。この結果、上野駅行き止まりホームに発着する「スーパーひたち」「フレッシュひたち」は、3月13日で見納めとなります。
新たに登場する特急「ときわ」は、1958(昭和33)年6月1日から上野~平間で走りはじめた常磐線準急の名称でした。その後、準急の見直しが行われて、1966(昭和41)3月5日に急行へ格上げされます。急行「ときわ」は常磐線で活躍を続け、最盛期となる1971(昭和46)年には下り14本、上り12本も走っていました。ここで、今に続く優等列車主体の常磐線の原形ができあがったともいえましょう。
しかし、翌年エル特急「ひたち」が誕生すると、次々に特急へと格上げになり、1985(昭和60)年3月14日に最後まで残った急行「ときわ」も特急「ひたち」に格上げとなって、廃止されました。それからちょうど30年を経た今年の同月日に、特急として「ときわ」が復活し、「ひたち」とともに走ることになるのです。
かつては覇権を争っていた「ときわ」と「ひたち」ですが、これからは仲良く次の時代を作っていってくれることでしょう。
掲載日:2015年03月06日
長らく工事を続けていた「上野東京ライン」上野~東京~新橋~品川間の運転が始まり、宇都宮線(東北本線)・高崎線・常磐線の上野行の多くが、東京駅を経て新橋駅まで直通するようになるのです。さらに、宇都宮線・高崎線からの列車は、そのまま東海道本線に入って、小田原や熱海まで直通します。
埼玉県~神奈川県の直通ルートはすでに湘南新宿ラインで実現していますが、今回の上野東京ライン運転開始で、埼玉県~神奈川県は山手線部分で東西2ルートを有することになるわけです。同様に、常磐線の茨城県から上野にやってくる列車も、日中1時間に2本、ラッシュ時にはもっと多くが品川まで直通するようになります。
この結果、首都圏エリアでの快速・普通列車のグリーン車乗り継ぎの扱いが変わります。これまでも、総武線や宇都宮線・高崎線から、東海道本線や横須賀線に行く場合には、直通列車が無くても、途中駅でグリーン車を乗り継ぐことが認められ、通算の乗車距離で利用ができました。もちろん、逆方向でも構いません。そこに今回、常磐線が加わるのです。この結果、常磐線高萩駅~伊東線伊東駅の289.8kmを、Suicaで乗車前にグリーン券を購入すると、グリーン料金が980円で済みます。さらに、土休日などホリデー料金の日にはわずか780円でグリーン車を利用できるのです。お得感たっぷりですよね。
これまでも、黒磯駅~伊東駅間284.8kmを同様に利用できていますが、その範囲が常磐線にまで広がったのは嬉しいですよね。ただし、同一方向に乗り継ぐ場合という制限がありますので、常磐線~宇都宮線とか、総武線~高崎線という乗り継ぎには適用されません。ご注意下さい。
常磐線の中距離列車と快速列車は、上記の通り併せて日中1時間に2本が上野東京ラインで品川発着となります。さらに常磐線の特急列車も、これまではすべて上野発着でしたが、品川発着が基本で朝晩には上野発着便もあるというように大きく変わります。これで、東海道新幹線と常磐線特急を乗り継ぎしやすくなります。「のぞみ」は全列車が品川駅に停まりますので、品川駅での乗換が増えるかも知れませんね。ちなみに、東京~品川の所要時間は、新幹線が6分なのに対して、常磐線特急は東海道本線と同じ8分です。京浜東北線の快速は9分ですから、どれも似たり寄ったりの所要時間ですよね。
ところで、これまで常磐線特急は速達型の「スーパーひたち」と、主要駅に停まる「フレッシュひたち」の組合せでした。これが3月14日のダイヤ改正から、それぞれ「ひたち」と「ときわ」に列車名が変更となり、「スーパー」「フレッシュ」の冠がなくなります。この結果、上野駅行き止まりホームに発着する「スーパーひたち」「フレッシュひたち」は、3月13日で見納めとなります。
新たに登場する特急「ときわ」は、1958(昭和33)年6月1日から上野~平間で走りはじめた常磐線準急の名称でした。その後、準急の見直しが行われて、1966(昭和41)3月5日に急行へ格上げされます。急行「ときわ」は常磐線で活躍を続け、最盛期となる1971(昭和46)年には下り14本、上り12本も走っていました。ここで、今に続く優等列車主体の常磐線の原形ができあがったともいえましょう。
しかし、翌年エル特急「ひたち」が誕生すると、次々に特急へと格上げになり、1985(昭和60)年3月14日に最後まで残った急行「ときわ」も特急「ひたち」に格上げとなって、廃止されました。それからちょうど30年を経た今年の同月日に、特急として「ときわ」が復活し、「ひたち」とともに走ることになるのです。
かつては覇権を争っていた「ときわ」と「ひたち」ですが、これからは仲良く次の時代を作っていってくれることでしょう。
掲載日:2015年03月06日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。