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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
北陸新幹線のビュースポットが北陸各地に出現 [No.H132]
前回の最後に、北陸新幹線のビュースポットが各地にできていることに触れました。今回は、それらのビュースポットをご紹介します。
まずは、前回紹介した「新幹線が見える丘公園」です。金沢駅から北東約13kmの位置にあります。最寄り駅はIRいしかわ鉄道の津幡(つばた)駅ですが、同駅からでも約3kmありますので、公共交通でいく場合には、路線バスを使うなどすると良いでしょう。ちなみに、津幡町営バス旭山線の終点となる旭山公園前バス停を下車するとすぐですが、平日の朝晩に片道2本ずつがあるだけです。そこで、相窪線の旭山工業団地バス停や、九折線の杉瀬バス停から1km前後歩くことを考えると良いでしょう。
津幡町の公式サイト内にある「都市建設課からのお知らせ」に、3月19日付で「新幹線が見える丘公園について」が掲載され、案内図もあります。
ちなみに、安全のための柵がありますが、目の高さは柵をなくしてあり、とても見学しやすくなっています。
富山市の市街地西側には、呉羽山(くれはやま)があります。その呉羽山公園から望む富山市街地と、その背後に聳える立山連峰は、富山市民の憩いの場としても親しまれているところです。その風景の中を北陸新幹線が走るようになったことから、ここにもまた代わる代わる新幹線を眺める人たちが詰めかけています。左の写真の真ん中右手に新幹線が写っているのが判りますでしょうか。写真をクリックすると拡大されますので、どうぞご覧下さい。この日は霞んでいましたが、晴れて空気が澄んでいる日は、5月頃まで残雪の立山連峰と北陸新幹線の雄大な景色を楽しめます。
アクセスは容易で、富山駅前バスターミナル7番乗り場から、呉羽山老人センター行き富山地方鉄道の路線バスに乗り、終点の一つ手前となる富山市民俗民芸村バス停で下車。そこから坂を登ると10分ほどで着きます。富山県はこの呉羽山を境に呉東(ごとう)と呉西(ごせい)に分けて語られることがあります。そんな呉羽山です。
金沢~富山間は「かがやき」「はくたか」に加えて「つるぎ」も走るので、頻繁に新幹線が行き来しています。さらに、富山駅に近いことから速度が遅く、じっくりとその光景を眺められるのも嬉しいところです。
富山~黒部宇奈月温泉間にある「したがら散歩道」は、右手に立山連峰、左手に日本海を望むことができる高台でしたが、その真下を北陸新幹線が通過することから、地元の手軽なビュースポットとして注目されています。「したがら」というのは、「下に河原」という言葉がなまったもののようです。川によって削られた窪地を新幹線が高架橋で横切っているのです。
整備された散歩道には東屋もあり、そこは高速で走る新幹線を、トンネルの真上から見下ろすことができるという珍しい立地です。そのため、地元の方々が入れ代わり立ち代わり来ては、通過する新幹線を一本だけ見送って、満足げに帰って行かれます。新幹線待ちの間は井戸端会議をしている様子なのも、微笑ましい光景です。
場所は北陸自動車道魚津インターチェンジから東へ約1.5kmと至近ですので、車でのアクセスが便利です。公共交通の場合は、あいの風とやま鉄道の魚津駅(富山地方鉄道の新魚津駅も併設)の駅前から魚津市民バス上野方ルートのバスで大海寺野3区バス停下車。そこから歩いて約1kmですが、1日わずか5便で日曜日は運転していないなど、いささかアクセスしづらいのが難点です。
最後に、黒部宇奈月温泉を見下ろすビュースポットをご紹介します。
筆者が行ったときには、たまたま曇ってしまったので発色が良くありませんが、富山平野を象徴する散居村を見下ろす絶景が眺められる場所です。散居村とは、各家が屋敷林を巡らし、その周囲に自分の農地があるという、集落を形成しない村の形態です。砺波平野の散居村が特に有名ですが、このように砺波から少し離れた富山平野東部でも見られます。
その散居村を北陸新幹線と北陸自動車道が横切っています。黒部宇奈月温泉駅のすぐ下には、富山地方鉄道の新黒部駅もありますので、宇奈月温泉への電車も見られるスポットです。
その一番見下ろしやすいところに、ご覧の通り「ビュースポットはこちら」と書いた札が掲げられていました。黒部市が開設した宮野運動公園の一角で、公共交通はありませんが、駅から2km弱ですので片道30分ほど歩けばたどり着けます。
以上、誰でも安全に北陸新幹線を眺めることができるビュースポットを4箇所ご紹介しました。北陸へ行くなら、スケジュールにあうビュースポットに寄ってみてはいかがでしょう。
掲載日:2015年03月27日
まずは、前回紹介した「新幹線が見える丘公園」です。金沢駅から北東約13kmの位置にあります。最寄り駅はIRいしかわ鉄道の津幡(つばた)駅ですが、同駅からでも約3kmありますので、公共交通でいく場合には、路線バスを使うなどすると良いでしょう。ちなみに、津幡町営バス旭山線の終点となる旭山公園前バス停を下車するとすぐですが、平日の朝晩に片道2本ずつがあるだけです。そこで、相窪線の旭山工業団地バス停や、九折線の杉瀬バス停から1km前後歩くことを考えると良いでしょう。
津幡町の公式サイト内にある「都市建設課からのお知らせ」に、3月19日付で「新幹線が見える丘公園について」が掲載され、案内図もあります。
ちなみに、安全のための柵がありますが、目の高さは柵をなくしてあり、とても見学しやすくなっています。
富山市の市街地西側には、呉羽山(くれはやま)があります。その呉羽山公園から望む富山市街地と、その背後に聳える立山連峰は、富山市民の憩いの場としても親しまれているところです。その風景の中を北陸新幹線が走るようになったことから、ここにもまた代わる代わる新幹線を眺める人たちが詰めかけています。左の写真の真ん中右手に新幹線が写っているのが判りますでしょうか。写真をクリックすると拡大されますので、どうぞご覧下さい。この日は霞んでいましたが、晴れて空気が澄んでいる日は、5月頃まで残雪の立山連峰と北陸新幹線の雄大な景色を楽しめます。
アクセスは容易で、富山駅前バスターミナル7番乗り場から、呉羽山老人センター行き富山地方鉄道の路線バスに乗り、終点の一つ手前となる富山市民俗民芸村バス停で下車。そこから坂を登ると10分ほどで着きます。富山県はこの呉羽山を境に呉東(ごとう)と呉西(ごせい)に分けて語られることがあります。そんな呉羽山です。
金沢~富山間は「かがやき」「はくたか」に加えて「つるぎ」も走るので、頻繁に新幹線が行き来しています。さらに、富山駅に近いことから速度が遅く、じっくりとその光景を眺められるのも嬉しいところです。
富山~黒部宇奈月温泉間にある「したがら散歩道」は、右手に立山連峰、左手に日本海を望むことができる高台でしたが、その真下を北陸新幹線が通過することから、地元の手軽なビュースポットとして注目されています。「したがら」というのは、「下に河原」という言葉がなまったもののようです。川によって削られた窪地を新幹線が高架橋で横切っているのです。
整備された散歩道には東屋もあり、そこは高速で走る新幹線を、トンネルの真上から見下ろすことができるという珍しい立地です。そのため、地元の方々が入れ代わり立ち代わり来ては、通過する新幹線を一本だけ見送って、満足げに帰って行かれます。新幹線待ちの間は井戸端会議をしている様子なのも、微笑ましい光景です。
場所は北陸自動車道魚津インターチェンジから東へ約1.5kmと至近ですので、車でのアクセスが便利です。公共交通の場合は、あいの風とやま鉄道の魚津駅(富山地方鉄道の新魚津駅も併設)の駅前から魚津市民バス上野方ルートのバスで大海寺野3区バス停下車。そこから歩いて約1kmですが、1日わずか5便で日曜日は運転していないなど、いささかアクセスしづらいのが難点です。
最後に、黒部宇奈月温泉を見下ろすビュースポットをご紹介します。
筆者が行ったときには、たまたま曇ってしまったので発色が良くありませんが、富山平野を象徴する散居村を見下ろす絶景が眺められる場所です。散居村とは、各家が屋敷林を巡らし、その周囲に自分の農地があるという、集落を形成しない村の形態です。砺波平野の散居村が特に有名ですが、このように砺波から少し離れた富山平野東部でも見られます。
その散居村を北陸新幹線と北陸自動車道が横切っています。黒部宇奈月温泉駅のすぐ下には、富山地方鉄道の新黒部駅もありますので、宇奈月温泉への電車も見られるスポットです。
その一番見下ろしやすいところに、ご覧の通り「ビュースポットはこちら」と書いた札が掲げられていました。黒部市が開設した宮野運動公園の一角で、公共交通はありませんが、駅から2km弱ですので片道30分ほど歩けばたどり着けます。
以上、誰でも安全に北陸新幹線を眺めることができるビュースポットを4箇所ご紹介しました。北陸へ行くなら、スケジュールにあうビュースポットに寄ってみてはいかがでしょう。
掲載日:2015年03月27日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。