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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
“超”快速が走る、北越急行ほくほく線 [No.H154]
今年3月のダイヤ改正の目玉は、なんといっても北陸新幹線の金沢延伸でしたよね。そのとき、首都圏と金沢を上越新幹線接続で結んでいた特急「はくたか」が廃止となりました。「はくたか」は、北陸新幹線の列車名となりましたよね。
在来線の特急「はくたか」は俊足で知られましたが、その象徴だったのが、第三セクター鉄道「北越急行」のほくほく線での最高時速160km運転でした。京成スカイライナーとともに、新幹線以外では国内最速を誇っていましたが、スカイライナーは軌間(レールとレールの幅)が新幹線と同じ標準軌1435mmなのに対して、北越急行はJR在来線と同じ狭軌1067mmという点でも特筆されました。
その「はくたか」なきあとの北越急行には、料金不要の最速列車として「超快速」が登場しました。従来から走っている「快速」列車を越えるとして、「超快速」の列車名になったそうです。また、「はくたか」の北越急行編成が名乗っていた「スノーラビット」も継承しました。
その超快速スノーラビットは、越後湯沢駅~直江津駅間を、途中、十日町駅だけに停車して、一日一往復が運転されています。
北越急行の「超快速スノーラビット」運転時刻は、次の通りです。
所要時間は、午前の直江津行が57分、夕方の越後湯沢行が58分と、いずれも1時間をきっています。他の列車が1時間20分前後なのに比べると、その速さが際だちます。越後湯沢駅~直江津駅間の営業距離は84. 2kmですので、停車時間も含めた表定時速は約88. 6kmと約87. 1kmになります。かなりの俊足ですよね。
ところで、越後湯沢駅~六日町駅間はJR東日本の上越線、犀潟駅~直江津駅間はJR東日本の信越本線です。その両端区間を除いた北越急行線内59. 5kmに限ると、表定時速は約99kmにもなります。使用する車両KH100形は最高時速が110kmですから、いかにがんばって走っているかが予想できますよね。
ちなみに、今年は7月26日~9月13日にほくほく線沿線で「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」という、3年に一度の芸術祭が行われています。
その期間中の直江津行超快速は、途中まつだい駅にも停車しています。それにも関わらず時刻は変わりません。まつだい発9:51ですが、同駅は無人駅で、さらに超快速はワンマン運転ですので、下車客の車内精算が必要です。その時間も含めて時刻変更なしで運転していますので、まさに北越急行線内はスピードを落とさず力行し続けています。
ところで、車両に表示される超快速の列車種別表示が、なかなかおもしろいのでご紹介しましょう。
右の写真は、2枚の写真を上下に組み合わせたものですが、上が運転席上の車外表示。下は車内のモニター表示です。
車外表示では、「超快速」の「超」の字を大きく表示したうえで、すぐ下に“Cho”のルビを振っています。そのうえで、列車愛称名の「スノーラビット」も表示しています。
車内モニターでも同じような表示をしますが、この写真はその英訳部分です。“Cho”を敢えて“Super”とかに訳さず、“Cho”のまま採用し、その後に「rapid train」としています。「超カワイイ」の表現が、日本のみならず世界中の若者に知られていることからでしょうか、鉄道業界としては異例の訳とみて良いと思います。
ちなみに、左上の写真に写っている行先表示は、
と、これまたユニークな表現をしています。
超快速スノーラビットに乗る機会には、ぜひ、こんなところも見てきて下さいね。
掲載日:2015年09月04日
在来線の特急「はくたか」は俊足で知られましたが、その象徴だったのが、第三セクター鉄道「北越急行」のほくほく線での最高時速160km運転でした。京成スカイライナーとともに、新幹線以外では国内最速を誇っていましたが、スカイライナーは軌間(レールとレールの幅)が新幹線と同じ標準軌1435mmなのに対して、北越急行はJR在来線と同じ狭軌1067mmという点でも特筆されました。
その「はくたか」なきあとの北越急行には、料金不要の最速列車として「超快速」が登場しました。従来から走っている「快速」列車を越えるとして、「超快速」の列車名になったそうです。また、「はくたか」の北越急行編成が名乗っていた「スノーラビット」も継承しました。
その超快速スノーラビットは、越後湯沢駅~直江津駅間を、途中、十日町駅だけに停車して、一日一往復が運転されています。
北越急行の「超快速スノーラビット」運転時刻は、次の通りです。
所要時間は、午前の直江津行が57分、夕方の越後湯沢行が58分と、いずれも1時間をきっています。他の列車が1時間20分前後なのに比べると、その速さが際だちます。越後湯沢駅~直江津駅間の営業距離は84. 2kmですので、停車時間も含めた表定時速は約88. 6kmと約87. 1kmになります。かなりの俊足ですよね。
ところで、越後湯沢駅~六日町駅間はJR東日本の上越線、犀潟駅~直江津駅間はJR東日本の信越本線です。その両端区間を除いた北越急行線内59. 5kmに限ると、表定時速は約99kmにもなります。使用する車両KH100形は最高時速が110kmですから、いかにがんばって走っているかが予想できますよね。
ちなみに、今年は7月26日~9月13日にほくほく線沿線で「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」という、3年に一度の芸術祭が行われています。
その期間中の直江津行超快速は、途中まつだい駅にも停車しています。それにも関わらず時刻は変わりません。まつだい発9:51ですが、同駅は無人駅で、さらに超快速はワンマン運転ですので、下車客の車内精算が必要です。その時間も含めて時刻変更なしで運転していますので、まさに北越急行線内はスピードを落とさず力行し続けています。
ところで、車両に表示される超快速の列車種別表示が、なかなかおもしろいのでご紹介しましょう。
右の写真は、2枚の写真を上下に組み合わせたものですが、上が運転席上の車外表示。下は車内のモニター表示です。
車外表示では、「超快速」の「超」の字を大きく表示したうえで、すぐ下に“Cho”のルビを振っています。そのうえで、列車愛称名の「スノーラビット」も表示しています。
車内モニターでも同じような表示をしますが、この写真はその英訳部分です。“Cho”を敢えて“Super”とかに訳さず、“Cho”のまま採用し、その後に「rapid train」としています。「超カワイイ」の表現が、日本のみならず世界中の若者に知られていることからでしょうか、鉄道業界としては異例の訳とみて良いと思います。
ちなみに、左上の写真に写っている行先表示は、
と、これまたユニークな表現をしています。
超快速スノーラビットに乗る機会には、ぜひ、こんなところも見てきて下さいね。
掲載日:2015年09月04日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。