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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


  • ひろやすの汽車旅コラム
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

新築時の輝きで人気の、国宝姫路城天守の眺めを楽しむ [No.H160]

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姫路駅前からは、姫路城の大天守と西小天守が真っ正面に見られる。約1.5kmの距離が、意外に近く感じられる。
世界文化遺産であり、日本の国宝でもある姫路城は、今年(平成27年)3月27日に平成の大修理を終えて、その全容の公開が再開されました。このとき、白鷺城と命名された真っ白な外観が、江戸初期に創建された時のように甦ったことから、大いに話題となり、いまも大勢の観光客が連日ぞくぞくと訪れています。
ちなみに、この白さは次第にくすんでいくため、3年程度しか見られないと言われています。
本格的な城郭が残っている、日本を代表する姫路城ですが、その様子を新幹線も停まる姫路駅の駅前からいつでも簡単に見られるのも大きな特色でしょう。なにせ、駅前にあるペデストリアンデッキから、真っ正面に延びる道の先に姫路城の大天守と西小天守が見られるのです。
こんなに近いんだ…と思って歩いても、駅から1.5キロほど離れていますので、大天守にたどり着くまでには意外と時間がかかります。普通はバスを使うのですが、駅から2つ目が最寄りバス停となります。



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駅のホームからも大天守が見られる。ただし、角度の関係で西小天守は見られない。
左の写真は、姫路駅の在来線上りホームから、姫新線・播但線ホームをみたところです。画面を横切る人たちは、姫新線の列車から降りた乗客達です。足元に黄色い点字ブロックがあることで、ホームだということが判るかと思います。
そのホームの先に、姫路城の大天守が見えています。写真の右側に建物の壁が見えていますが、この建物の関係で、ホームから姫路城が見られるのはこの一角だけです。その角度の関係で、駅前からは見られた西小天守が見えなくなっています。
それでも、駅のホームから無理なく国宝の城が見られるのは素晴らしいですよね。
いま、国宝の城は5つ、二条城を含めると6城ありますが、いずれも駅から少し離れているうえ、城の周囲に町並みが広がっているため、姫路城以外は駅ホームから見られません。姫路城以外で比較的よく見えるのは、名鉄犬山線が木曽川を渡る時の犬山城でしょう。また、彦根城も東海道本線の彦根駅前後で望遠できます。


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山陽新幹線と姫路城が一緒に見られる手柄山。姫路市営モノレールの保存車見学と併せて訪れてみたい。
姫路駅と姫路城の関係だけでは、「どうも鉄分が不足する」という方にお勧めなのが、姫路駅の南西約1.5kmのところにある手柄山(てがらやま)です。山全体が姫路市の公園となっていて、その北端にある展望台から、右の写真の光景が眺められるのです。天守閣と二つの小天守ばかりか、城郭全体の石垣と塀、隅櫓なども見て取れますよね。
その画面下を横切っているのは、色からわかる通り、九州新幹線に直通する「さくら」です。もちろん、「のぞみ」なども走っています。また、この写真を写した場所で視線を下げると東海道本線があり、視線を左に移すと姫新線も見られます。
さらに、ここから歩いて5分ほどのところにある手柄山交流ステーションには、半世紀近く前となる1966~1974年に、姫路駅とこの手柄山を結んでいた姫路市営モノレールの車両が保存されています。この施設とモノレールの廃線跡については、当コラムの2013年4月26日付

   姫路市営モノレールの保存車と廃線跡 [No.H035]

で紹介していますので、そちらも参考にしてお出かけ下さいね。


掲載日:2015年10月23日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。