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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
特急「花嫁のれん」…北陸の新観光列車 その1 [No.H161]
10月から、北陸デスティネーションキャンペーン(DC)がはじまりました。DCとは、JRグループと沿線の自治体等がタイアップして行うキャンペーンです。国鉄時代からはじまり、3か月ごとに全国各地を巡っています。この秋から初冬にかけては、北陸新幹線開業から半年が経った北陸3県で展開中です。
その北陸DCにあわせて、石川県と富山県で新たな観光列車が走りはじめました。これらについて、今回から紹介していきます。
まずは、10月3日から走りはじめた特急「花嫁のれん」です。
金沢駅と和倉温泉駅を結ぶ観光列車で、ご覧の通り派手な塗装の車両が使われています。花柄も含めて、漆や金箔を使った加賀や能登の伝統工芸を彷彿とさせるデザインですよね。
先頭部に掲げられているヘッドマークは、加賀水引をモチーフにしたデザインだそうです。一方、2両編成の連結面あたりには、加賀友禅を思い起こさせるデザインも施されています。
ところで、車両の左側に目をやると、ホーム上にのれんが掛かっています。これが「花嫁のれん」で、嫁入りする娘の幸せを願い、色鮮やかなのれんを持たせる伝統がこの地にあるのだそうです。
特急「花嫁のれん」は、金沢駅~和倉温泉駅間を土休日を中心に1日2往復しています。ただし北陸DC開催中は、基本的に金曜日から火曜日までの週5日間運転です。
途中、羽咋(はくい)、七尾の2駅にしか停まらないにもかかわらず、71. 0kmを1時間20分前後かけて走っています。定期特急「能登かがり火」には所要1時間を切る列車もあるだけに、いささか遅い感じがします。
しかしそこは観光列車です。のどかな車窓を楽しみ、車内を快適に過ごせば、あっという間です。実際、筆者が乗車した際にも、特別な列車ということで好評なようで、所要時間について話題にしている乗客は見られませんでした。
それどころか、この列車に乗るために「みどりの窓口」に通ったとか、私が乗った「花嫁のれん4号」しか席が取れなくて…というような声も聞きました。
運転時間は次の通りです。
予約状況をみると、2号と3号が人気で予約をしづらいようです。
3号で和倉温泉駅にいき、そのまま投宿。翌日の復路は、宿を出て2号に乗って帰るのでしょうね。
ちなみに全車指定席で、乗車券のほかに指定席特急券が必要ですが、料金は他の特急と同額です。
車内は、右の写真のとおり華やかです。これは2号車端の様子ですが、2号車の反対側には窓に向かって座る一人席が並んでいます。また、1号車には8つの半個室と物販用カウンタースペースがあります。
駅を発車すると、車内アナウンスでまず次のように語られます。
「女性の幸せを願う列車、花嫁のれんにご乗車いただきありがとうございます。」
続いて、停車駅の案内や車内サービスの案内となるのです。
とはいえ、男性が乗ってはいけないということではありませんので、ご安心下さい。列車のコンセプトから、女性乗客の比率がとても高い列車なのですが、私と同じく、男性もチラホラと乗っていました。
車内には、車掌さんとは別にアテンダントさんが3名乗務されていますが、そのうちの1名は、和倉温泉を代表する人気旅館「加賀屋」の客室係。また、他の2名も加賀屋で研修を受けている方々だそうです。
さらに、予約すると2号と4号の車内で食べられる料理も、加賀屋の総料理長が監修したものということです。1号と3号は、予約をすると有名パティシエによるスイーツセットが食べられます。
これら「食事券」は、JR西日本・四国・九州の「みどりの窓口」のほか、JR東日本管内のびゅうプラザ、それに全国の主な旅行会社で4日前まで予約できます。また、JR西日本が開設する「ごよやくダイヤル」0088-24-5489 で電話予約もできます。
ちょっと優雅に能登路を旅するのに、「花嫁のれん」を使ってみてはいかがでしょう。
掲載日:2015年10月30日
その北陸DCにあわせて、石川県と富山県で新たな観光列車が走りはじめました。これらについて、今回から紹介していきます。
まずは、10月3日から走りはじめた特急「花嫁のれん」です。
金沢駅と和倉温泉駅を結ぶ観光列車で、ご覧の通り派手な塗装の車両が使われています。花柄も含めて、漆や金箔を使った加賀や能登の伝統工芸を彷彿とさせるデザインですよね。
先頭部に掲げられているヘッドマークは、加賀水引をモチーフにしたデザインだそうです。一方、2両編成の連結面あたりには、加賀友禅を思い起こさせるデザインも施されています。
ところで、車両の左側に目をやると、ホーム上にのれんが掛かっています。これが「花嫁のれん」で、嫁入りする娘の幸せを願い、色鮮やかなのれんを持たせる伝統がこの地にあるのだそうです。
特急「花嫁のれん」は、金沢駅~和倉温泉駅間を土休日を中心に1日2往復しています。ただし北陸DC開催中は、基本的に金曜日から火曜日までの週5日間運転です。
途中、羽咋(はくい)、七尾の2駅にしか停まらないにもかかわらず、71. 0kmを1時間20分前後かけて走っています。定期特急「能登かがり火」には所要1時間を切る列車もあるだけに、いささか遅い感じがします。
しかしそこは観光列車です。のどかな車窓を楽しみ、車内を快適に過ごせば、あっという間です。実際、筆者が乗車した際にも、特別な列車ということで好評なようで、所要時間について話題にしている乗客は見られませんでした。
それどころか、この列車に乗るために「みどりの窓口」に通ったとか、私が乗った「花嫁のれん4号」しか席が取れなくて…というような声も聞きました。
運転時間は次の通りです。
金 沢 | 和倉温泉 | ||||
花嫁のれん1号 | 10:15 | → | 11:37 | ||
花嫁のれん2号 | 13:21 | ← | 12:07 | ||
花嫁のれん3号 | 14:15 | → | 15:32 | ||
花嫁のれん4号 | 17:53 | ← | 16:30 |
予約状況をみると、2号と3号が人気で予約をしづらいようです。
3号で和倉温泉駅にいき、そのまま投宿。翌日の復路は、宿を出て2号に乗って帰るのでしょうね。
ちなみに全車指定席で、乗車券のほかに指定席特急券が必要ですが、料金は他の特急と同額です。
車内は、右の写真のとおり華やかです。これは2号車端の様子ですが、2号車の反対側には窓に向かって座る一人席が並んでいます。また、1号車には8つの半個室と物販用カウンタースペースがあります。
駅を発車すると、車内アナウンスでまず次のように語られます。
「女性の幸せを願う列車、花嫁のれんにご乗車いただきありがとうございます。」
続いて、停車駅の案内や車内サービスの案内となるのです。
とはいえ、男性が乗ってはいけないということではありませんので、ご安心下さい。列車のコンセプトから、女性乗客の比率がとても高い列車なのですが、私と同じく、男性もチラホラと乗っていました。
車内には、車掌さんとは別にアテンダントさんが3名乗務されていますが、そのうちの1名は、和倉温泉を代表する人気旅館「加賀屋」の客室係。また、他の2名も加賀屋で研修を受けている方々だそうです。
さらに、予約すると2号と4号の車内で食べられる料理も、加賀屋の総料理長が監修したものということです。1号と3号は、予約をすると有名パティシエによるスイーツセットが食べられます。
これら「食事券」は、JR西日本・四国・九州の「みどりの窓口」のほか、JR東日本管内のびゅうプラザ、それに全国の主な旅行会社で4日前まで予約できます。また、JR西日本が開設する「ごよやくダイヤル」0088-24-5489 で電話予約もできます。
ちょっと優雅に能登路を旅するのに、「花嫁のれん」を使ってみてはいかがでしょう。
掲載日:2015年10月30日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。