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- [No.H290] 鉄道の父「井上勝」像でつながる山陰本線萩駅と東京駅
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- [No.H289] 鉄道の父「井上勝」像がある、山陰本線萩駅
- 2018年06月08日(金)掲載
- [No.H288] 大阪市営地下鉄は、民営化して Osaka Metro に
"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
「鉄道落語」を楽しんできました [No.H176]
中央線の高円寺駅界隈は、地元に根ざした文化活動が盛んな地域です。なかでも、落語会は地域ごとに開催されてきた定番。それを一つにまとめて「高円寺演芸まつり」としたのは、5年前ということです。その第6回が、今年2月5日(金)~14日(日)の10日間開催されました。
落語会が主ですが、紙切り、太神楽、奇術など“芸人”と呼ばれる方々の演芸全般が対象ですから、なにやら面白そうなことが毎日あちらこちらで行われるわけです。
第六回 高円寺演芸まつり
そのなかに、「駒次鉄道×駅すぱあと 鉄道落語」がありましたので、聴きに行ってきました。
「駒次鉄道」とは、鉄道落語家である古今亭駒次さんのことです。
「駅すぱあと」は、運賃計算・経路検索ソフトの老舗として知られていますが、その開発会社・ヴァル研究所は、高円寺にある会社なのです。
ヴァル研究所・ブランドサイト「駅すぱあとWORLD」
鉄道落語を鉄道コンテンツを作る会社で…というのは自然な成り行きでしょう。でも、高円寺演芸まつり六回目にして、初めて実現したことだそうです。
当日ヴァル研究所に着くと、「駅すぱあと」のキャラクターが描かれた看板が、「会場はこちら」と入口を案内していました。
19時開場、19時30分開演でしたが、開場すぐに行列ができ、一時は受付を済ませる人より列に並ぶ人の方が多いような状態に…。会場では慌てて椅子を増やし、募集50名のところへ、80名も集まる満員盛況となりました。
会場の正面には舞台が設けられ、その左手には「駅すぱあと」の路線図がプロジェクターで投影されています。やがて、時間となり、緑色の着物で表れた古今亭駒次さんは、前振りを経て鉄道落語「鉄道戦国絵巻」をはじめます。
この噺は、交通新聞社新書052「鉄道落語」の冒頭に収録されている、古今亭駒次さんオリジナルの新作落語です。その特長は、次から次へと鉄道路線名が出てくること。ふつーの人だと、ついていけなさそうな内容ですが、そこはこの高座に足を運んだ人たちだけあります。みなさん、間髪を入れず大笑いをしてウケまくり!
本で読むのと、創作したご本人の口調で聴くのではやはり違います。当然ですけど、生で聴いた方がより面白いものです。間合いの取り方や抑揚などが、本を黙読するのとでは全く違います。さらに、会場からは“笑い”という反応がありますから、その点でも本で読むのとは大きく違います。
さらに、オチの部分が本に掲載されているものから、さらに進化していました! …どんな進化かはあえて記しませんので、ぜひ機会をみて、古今亭駒次さんの鉄道落語を聴きに行って下さいね。
そんなわけで、あっという間の一席でした。
最初の噺が終わると、駒次さんは左手に投影されている「駅すぱあと」の路線図のところへ行き、ヴァル研究所で「駅すぱあと」の開発に携わっている社員2名とのトークセッションです。
トークの内容は、時節柄、北海道新幹線が主となります。投影されている路線図にも、北海道新幹線が描かれています…ん? 2月10日時点で最新バージョンの「駅すぱあと」には、北海道新幹線未掲載です。つまり、これは開発中の路線図を一足先に見せてくれたわけですね。ラッキー!
北海道新幹線が開業することで、「駅すぱあと」内部での列車検索の仕方が変わるとか、運賃計算の方法が変わるなど、担当者ならではの話が聞けますが、その担当者が持っているのは「渡島大野」の駅名標。函館本線の駅ですが、北海道新幹線が開業すると、その終点として「新函館北斗」に駅名が変わる駅です。そんな駅名標を持っているなんて、鉄分の濃い方ですね。
「駅すぱあと」のシステムを使った駅勢圏の表示機能の実演では、駒次さんが噺家ならではの突っ込みを入れるので、これまた爆笑の数々でした。
その後、休憩を挟んで当日の2話目「終着駅のエトランジェ」を披露。これで、この日の高座が終わりました。
落語は笑いで楽しむものですが、鉄道落語は、鉄道好きであればより楽しめる内容となっています。また、機会をみて高座に足を運びたいな…と思いながら、ヴァル研究所を後にしました。
掲載日:2016年02月19日
落語会が主ですが、紙切り、太神楽、奇術など“芸人”と呼ばれる方々の演芸全般が対象ですから、なにやら面白そうなことが毎日あちらこちらで行われるわけです。
第六回 高円寺演芸まつり
そのなかに、「駒次鉄道×駅すぱあと 鉄道落語」がありましたので、聴きに行ってきました。
「駒次鉄道」とは、鉄道落語家である古今亭駒次さんのことです。
「駅すぱあと」は、運賃計算・経路検索ソフトの老舗として知られていますが、その開発会社・ヴァル研究所は、高円寺にある会社なのです。
ヴァル研究所・ブランドサイト「駅すぱあとWORLD」
鉄道落語を鉄道コンテンツを作る会社で…というのは自然な成り行きでしょう。でも、高円寺演芸まつり六回目にして、初めて実現したことだそうです。
当日ヴァル研究所に着くと、「駅すぱあと」のキャラクターが描かれた看板が、「会場はこちら」と入口を案内していました。
19時開場、19時30分開演でしたが、開場すぐに行列ができ、一時は受付を済ませる人より列に並ぶ人の方が多いような状態に…。会場では慌てて椅子を増やし、募集50名のところへ、80名も集まる満員盛況となりました。
会場の正面には舞台が設けられ、その左手には「駅すぱあと」の路線図がプロジェクターで投影されています。やがて、時間となり、緑色の着物で表れた古今亭駒次さんは、前振りを経て鉄道落語「鉄道戦国絵巻」をはじめます。
この噺は、交通新聞社新書052「鉄道落語」の冒頭に収録されている、古今亭駒次さんオリジナルの新作落語です。その特長は、次から次へと鉄道路線名が出てくること。ふつーの人だと、ついていけなさそうな内容ですが、そこはこの高座に足を運んだ人たちだけあります。みなさん、間髪を入れず大笑いをしてウケまくり!
本で読むのと、創作したご本人の口調で聴くのではやはり違います。当然ですけど、生で聴いた方がより面白いものです。間合いの取り方や抑揚などが、本を黙読するのとでは全く違います。さらに、会場からは“笑い”という反応がありますから、その点でも本で読むのとは大きく違います。
さらに、オチの部分が本に掲載されているものから、さらに進化していました! …どんな進化かはあえて記しませんので、ぜひ機会をみて、古今亭駒次さんの鉄道落語を聴きに行って下さいね。
そんなわけで、あっという間の一席でした。
最初の噺が終わると、駒次さんは左手に投影されている「駅すぱあと」の路線図のところへ行き、ヴァル研究所で「駅すぱあと」の開発に携わっている社員2名とのトークセッションです。
トークの内容は、時節柄、北海道新幹線が主となります。投影されている路線図にも、北海道新幹線が描かれています…ん? 2月10日時点で最新バージョンの「駅すぱあと」には、北海道新幹線未掲載です。つまり、これは開発中の路線図を一足先に見せてくれたわけですね。ラッキー!
北海道新幹線が開業することで、「駅すぱあと」内部での列車検索の仕方が変わるとか、運賃計算の方法が変わるなど、担当者ならではの話が聞けますが、その担当者が持っているのは「渡島大野」の駅名標。函館本線の駅ですが、北海道新幹線が開業すると、その終点として「新函館北斗」に駅名が変わる駅です。そんな駅名標を持っているなんて、鉄分の濃い方ですね。
「駅すぱあと」のシステムを使った駅勢圏の表示機能の実演では、駒次さんが噺家ならではの突っ込みを入れるので、これまた爆笑の数々でした。
その後、休憩を挟んで当日の2話目「終着駅のエトランジェ」を披露。これで、この日の高座が終わりました。
落語は笑いで楽しむものですが、鉄道落語は、鉄道好きであればより楽しめる内容となっています。また、機会をみて高座に足を運びたいな…と思いながら、ヴァル研究所を後にしました。
掲載日:2016年02月19日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。