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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
九州ふっこう割第二期(9/9発売)で行く熊本の旅 [No.H204]
いよいよ、九州ふっこう割第二期がこのコラム公開と同時に発売となりました。
「九州ふっこう割クーポン」を獲得することで、宿泊が最大1万円引きに、往復の交通機関と宿泊を組み合わせたツアーにすると、最大1万5千円引きとなります。10月1日~12月28日までの出発予約が対象です。
詳しくは、「九州ふっこう割」をご覧下さい。
さて、前回は熊本市内で人気のくまモンを楽しむ方法を紹介しました。
今回は、熊本市から南下して八代(やつしろ)に行きます。八代から海岸沿いに鹿児島県の川内(せんだい)までを結ぶ、肥薩おれんじ鉄道に乗るのが目的です。八代~川内は、もともと鹿児島本線でした、それが九州新幹線の開業にともない、熊本県と鹿児島県などが出資する第三セクター鉄道となった路線です。
ここでも熊本県がらみということで、くまモンラッピング列車が走っています。1号と2号の2両があり、それぞれの運行スケジュールは、肥薩おれんじ鉄道のホームページ内で月別に公表されています。同ホームページ右下の「おれんじ鉄道×くまモン」のバナーをクリックしてみて下さい。
車体全面に、派手にくまモンがラッピングされていますが、車内も負けじとくまモンだらけです。座席には、くまモンが座っていたりもします。乗った時には、壁から天井までくまなく見て下さいね。シートカバーや空調ダクトの吹き出し口両端などに、これでもかというほどくまモンがいます。
肥薩おれんじ鉄道の沿線には、いろいろと見どころがあります。その中で、今回、筆者が訪れたのはつなぎ温泉「四季彩」です。津奈木駅から徒歩10分ほどで着く温泉施設で、入館料は大人400円、小学生300円ですが、展望露天風呂を利用するには追加で100円のモノレール往復乗車券がいります。
大浴場は追加料金不要で内湯と露天風呂があり、地元のリピーターはこちらだけを利用されているようです。泉温41. 1℃の単純泉を加温かけ流しにしていますので、刺激がない優しいお湯です。
展望露天風呂も同様の湯ですが、行くためにはモノレールと呼ばれているスロープカーに乗る必要があります。乗り場に行くとインターホンがあり、係の方を呼んで運転してもらいます。5分ほどで30mの高さを登りますので、そこから見下ろす景色はなかなか雄大です。
モノレールには新幹線通過予定時刻が書いてあったのですが、展望露天風呂に行ってみてその意味が分かりました。露天風呂に浸かると、眼下に広がる津奈木の町並みの先に不知火海(しらぬいかい)と呼ばれる八代海が見られ、その海をバックに走る九州新幹線が見られるのです。
単純泉でありながら、この展望露天風呂は少し濁っていて、大浴場よりも成分が少し濃い感じがしました。その点も含めて、なかなか満足ができる温泉でした。再びモノレールを呼んで地上に降りると、レストランへ。ここでは、地元産の海産物を使った食事を楽しめました。名物の太刀魚は、刺身・塩焼き・揚げ物などがありますし、しらす丼も美味でした。
津奈木駅のある津奈木町は、鹿児島県境にある水俣市の隣に位置しています。ここから再び約45km戻り、新八代駅に行きます。というのも、この日は金曜日なので、特別列車「おれんじ食堂」の4便(下り)「おれんじBAR」が走るのです。
「おれんじ食堂」は金土休日に走る食事列車で、通常は朝の上り、正午を挟んだ下り、夕方に走る上りの3便なのですが、金曜日だけ新八代18:41発出水行の下り4便として「おれんじBAR」が営業をします。運賃に加えて、座席指定料金大人1,400円、小人700円で利用できます。それも、飲食物の持込が自由。さらに、列車内でドリンク類のオーダーができます。つまり、ちょっと豪華なテーブルチャージが大人1,400円というイメージです。
そのドリンクで特筆されるのが、焼酎の種類の多さと安さ。米が中心の熊本県産と、芋が中心の鹿児島産の焼酎があわせて19種類もあります。それがすべて一杯税込み300円という安さ。なかには、宇宙焼酎ゼットン、HEAVY OZ(ヘビーオンス)といったレアものもありますが、他の焼酎と同価格です。
つい、次々と注文をしてしまいますが、その頃には車窓に八代海が見えてきます。夕暮れ時の海原を眺めながらの一杯は、何物にも代えがたい至福のひとときです。
終着の出水(いずみ)には20:06着ですが、この日は19:40着の新水俣駅で下車しました。
というのも、この日利用したのが「旅名人の九州満喫きっぷ」という、九州内の鉄道・軌道線(路面電車)の普通車自由席が乗り放題で3回(人)大人10,800円という切符だったのです。「青春18きっぷ」と同じく複数名で同時に使用できますので、2人で利用すると、残りが1回分となります。
この日の宿は、九州ふっこう割で熊本市内にとってあったので、熊本まで戻る必要があるのですが、終着の出水まで乗ると、新幹線を利用することになります。それが、新水俣であれば新幹線でも肥薩おれんじ鉄道とJR鹿児島本線を乗り継いでも帰ることができるのです。また「おれんじBAR」は、肥薩おれんじ鉄道の「1日フリー乗車券」や土休日発売の「わくわく切符」が使えないのですが、「旅名人の九州満喫きっぷ」は使えるのです。つまり、この日は朝から「旅名人の九州満喫きっぷ」だけで乗り歩いていたのでした。
熊本駅に戻り、「旅名人の九州満喫きっぷ」を使って熊本市電に乗り、予約していたホテルにチェックインしました。
掲載日:2016年09月09日
「九州ふっこう割クーポン」を獲得することで、宿泊が最大1万円引きに、往復の交通機関と宿泊を組み合わせたツアーにすると、最大1万5千円引きとなります。10月1日~12月28日までの出発予約が対象です。
詳しくは、「九州ふっこう割」をご覧下さい。
さて、前回は熊本市内で人気のくまモンを楽しむ方法を紹介しました。
今回は、熊本市から南下して八代(やつしろ)に行きます。八代から海岸沿いに鹿児島県の川内(せんだい)までを結ぶ、肥薩おれんじ鉄道に乗るのが目的です。八代~川内は、もともと鹿児島本線でした、それが九州新幹線の開業にともない、熊本県と鹿児島県などが出資する第三セクター鉄道となった路線です。
ここでも熊本県がらみということで、くまモンラッピング列車が走っています。1号と2号の2両があり、それぞれの運行スケジュールは、肥薩おれんじ鉄道のホームページ内で月別に公表されています。同ホームページ右下の「おれんじ鉄道×くまモン」のバナーをクリックしてみて下さい。
車体全面に、派手にくまモンがラッピングされていますが、車内も負けじとくまモンだらけです。座席には、くまモンが座っていたりもします。乗った時には、壁から天井までくまなく見て下さいね。シートカバーや空調ダクトの吹き出し口両端などに、これでもかというほどくまモンがいます。
肥薩おれんじ鉄道の沿線には、いろいろと見どころがあります。その中で、今回、筆者が訪れたのはつなぎ温泉「四季彩」です。津奈木駅から徒歩10分ほどで着く温泉施設で、入館料は大人400円、小学生300円ですが、展望露天風呂を利用するには追加で100円のモノレール往復乗車券がいります。
大浴場は追加料金不要で内湯と露天風呂があり、地元のリピーターはこちらだけを利用されているようです。泉温41. 1℃の単純泉を加温かけ流しにしていますので、刺激がない優しいお湯です。
展望露天風呂も同様の湯ですが、行くためにはモノレールと呼ばれているスロープカーに乗る必要があります。乗り場に行くとインターホンがあり、係の方を呼んで運転してもらいます。5分ほどで30mの高さを登りますので、そこから見下ろす景色はなかなか雄大です。
モノレールには新幹線通過予定時刻が書いてあったのですが、展望露天風呂に行ってみてその意味が分かりました。露天風呂に浸かると、眼下に広がる津奈木の町並みの先に不知火海(しらぬいかい)と呼ばれる八代海が見られ、その海をバックに走る九州新幹線が見られるのです。
単純泉でありながら、この展望露天風呂は少し濁っていて、大浴場よりも成分が少し濃い感じがしました。その点も含めて、なかなか満足ができる温泉でした。再びモノレールを呼んで地上に降りると、レストランへ。ここでは、地元産の海産物を使った食事を楽しめました。名物の太刀魚は、刺身・塩焼き・揚げ物などがありますし、しらす丼も美味でした。
津奈木駅のある津奈木町は、鹿児島県境にある水俣市の隣に位置しています。ここから再び約45km戻り、新八代駅に行きます。というのも、この日は金曜日なので、特別列車「おれんじ食堂」の4便(下り)「おれんじBAR」が走るのです。
「おれんじ食堂」は金土休日に走る食事列車で、通常は朝の上り、正午を挟んだ下り、夕方に走る上りの3便なのですが、金曜日だけ新八代18:41発出水行の下り4便として「おれんじBAR」が営業をします。運賃に加えて、座席指定料金大人1,400円、小人700円で利用できます。それも、飲食物の持込が自由。さらに、列車内でドリンク類のオーダーができます。つまり、ちょっと豪華なテーブルチャージが大人1,400円というイメージです。
そのドリンクで特筆されるのが、焼酎の種類の多さと安さ。米が中心の熊本県産と、芋が中心の鹿児島産の焼酎があわせて19種類もあります。それがすべて一杯税込み300円という安さ。なかには、宇宙焼酎ゼットン、HEAVY OZ(ヘビーオンス)といったレアものもありますが、他の焼酎と同価格です。
つい、次々と注文をしてしまいますが、その頃には車窓に八代海が見えてきます。夕暮れ時の海原を眺めながらの一杯は、何物にも代えがたい至福のひとときです。
終着の出水(いずみ)には20:06着ですが、この日は19:40着の新水俣駅で下車しました。
というのも、この日利用したのが「旅名人の九州満喫きっぷ」という、九州内の鉄道・軌道線(路面電車)の普通車自由席が乗り放題で3回(人)大人10,800円という切符だったのです。「青春18きっぷ」と同じく複数名で同時に使用できますので、2人で利用すると、残りが1回分となります。
この日の宿は、九州ふっこう割で熊本市内にとってあったので、熊本まで戻る必要があるのですが、終着の出水まで乗ると、新幹線を利用することになります。それが、新水俣であれば新幹線でも肥薩おれんじ鉄道とJR鹿児島本線を乗り継いでも帰ることができるのです。また「おれんじBAR」は、肥薩おれんじ鉄道の「1日フリー乗車券」や土休日発売の「わくわく切符」が使えないのですが、「旅名人の九州満喫きっぷ」は使えるのです。つまり、この日は朝から「旅名人の九州満喫きっぷ」だけで乗り歩いていたのでした。
熊本駅に戻り、「旅名人の九州満喫きっぷ」を使って熊本市電に乗り、予約していたホテルにチェックインしました。
掲載日:2016年09月09日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。