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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!
黒磯駅直流化で、新白河駅ホーム中ほどに車止めが出現 [No.H260]
前回記したとおり、東北本線では交流と直流を黒磯駅構内で切り替える方式から、同駅の北側にデッドセクションを作り、走行しながら切り替える方式へと変更する工事がいま行われています。
そのために、10月14日のダイヤ改正から交流電車の黒磯駅乗入れを止めて、交直両用のE531系電車とキハ110系ディーゼルカーの使用をはじめたというのが、前回の主な内容でした。
このE531系とキハ110系は、黒磯~新白河間22. 1kmを専門に担当しています。どちらも1編成を使用し、朝晩ラッシュ時間帯はE531系、日中などはキハ110系が、黒磯駅と新白河駅で折り返すピストン運転をしているわけです。
その北の折返し駅となる新白河駅は東北新幹線との接続駅でもありますが、同時に、日本で唯一の「村」にある新幹線駅でもあります。住所は、福島県西白河郡西郷村です。とはいえ、白河市との境は駅のすぐ東側で、新白河駅新幹線ホームの仙台寄りも一部が白河市ですから、新白河という駅名が不自然なわけではありません。
そんな新白河駅の在来線改札を抜けると、嫌が上でも目に入る水色とオレンジ色の案内が続きます。水色は7番線白河・郡山方面、オレンジ色は黒磯方面のホーム案内です。ホーム2面に線路が3本あるだけの在来線で、どうしてこれほどの案内をするのか不思議になりますが、ホームに降りる階段まできて納得しました。
ホーム両面に線路があるのですが、向かって左が6,7番線、右が8番線なのです…?
ホームに降りて黒磯方面に進むと、水色の7番線案内は「←」と左を指し、オレンジ色の6番線案内は「↑」と前方を指しているところに来ました。左側の7番線には、郡山方面の電車が停まっています。そこに、黒磯方面からキハ110系が入線してきました。それも、郡山方面の電車と同じ側の線路です!?
このような案内の駅は他でもみかけます。しかし、その多くは切り欠きホームと呼ばれるホームの一部を細くして、そこに行き止まり線路を敷いた構造になっています。しかし、新白河駅はそうでなく、ホームの同じ側にキハ110系が進入してきました。
駅員さんがホームにいて、キハ110系から降りてきた利用者に、郡山方面はこの電車ですと案内をしています。ダイヤ改正から間もない時期でしたから、このように駅員による案内もしているのでしょう。
ちなみに、従来は対向ホームの5番線に入線していましたので、乗り換え客は跨線橋を渡る必要がありました。それに対して、このダイヤ改正で同じホームの水平移動で乗り換えられるようになりましたので、足腰の弱い高齢の方にも優しい乗換となったわけです。新白河の駅名から予想できるように、白河市の街の中心は、次の白河駅付近となります。それだけに、乗り換え客が多いわけです。
列車が停まっている線路に接続列車が入ってくるのは、万一の場合に心配との声が聞こえそうですが、そこは大丈夫です。従来つながっていた線路ですが、ホーム途中に車止めの大きなコンクリートブロックを新設したのです。
交流電車は、このさき黒磯方面には絶対に行かせないぞという強い意志が感じられる…かどうかは判りませんが(笑)、この車止めの設置により、より安全性が高くなっているのは事実でしょう。
なお、車止めがなくても、同一線路上に停まった前後の列車を乗り換える駅はあります。よく知られているところでは、JR四国の松山駅があります。改札口に面した便利なホームに特急列車を停車させることで、松山駅の乗降客が便利なだけでなく、両列車を乗り換える客もホーム上を歩くだけで、上下動がなく便利です。
同一ホームの乗換は、このような乗客の利便だけでなく、移動距離が短くしかも上下動もないことから、乗り継ぎ時間の短縮効果も期待できることでしょう。
右上の写真には、コンクリートブロックの奥に5番線ホームが写っています。いまも早朝の列車で使用していますが、日中には使用していません。しかし、筆者が新白河駅にいる間にも、貨物列車が豪快なスピードで無人の5番線を通過していきました。
乗換が便利になっただけでなく、利用者の安全性も向上したようです。
掲載日:2017年11月03日
そのために、10月14日のダイヤ改正から交流電車の黒磯駅乗入れを止めて、交直両用のE531系電車とキハ110系ディーゼルカーの使用をはじめたというのが、前回の主な内容でした。
このE531系とキハ110系は、黒磯~新白河間22. 1kmを専門に担当しています。どちらも1編成を使用し、朝晩ラッシュ時間帯はE531系、日中などはキハ110系が、黒磯駅と新白河駅で折り返すピストン運転をしているわけです。
その北の折返し駅となる新白河駅は東北新幹線との接続駅でもありますが、同時に、日本で唯一の「村」にある新幹線駅でもあります。住所は、福島県西白河郡西郷村です。とはいえ、白河市との境は駅のすぐ東側で、新白河駅新幹線ホームの仙台寄りも一部が白河市ですから、新白河という駅名が不自然なわけではありません。
そんな新白河駅の在来線改札を抜けると、嫌が上でも目に入る水色とオレンジ色の案内が続きます。水色は7番線白河・郡山方面、オレンジ色は黒磯方面のホーム案内です。ホーム2面に線路が3本あるだけの在来線で、どうしてこれほどの案内をするのか不思議になりますが、ホームに降りる階段まできて納得しました。
ホーム両面に線路があるのですが、向かって左が6,7番線、右が8番線なのです…?
ホームに降りて黒磯方面に進むと、水色の7番線案内は「←」と左を指し、オレンジ色の6番線案内は「↑」と前方を指しているところに来ました。左側の7番線には、郡山方面の電車が停まっています。そこに、黒磯方面からキハ110系が入線してきました。それも、郡山方面の電車と同じ側の線路です!?
このような案内の駅は他でもみかけます。しかし、その多くは切り欠きホームと呼ばれるホームの一部を細くして、そこに行き止まり線路を敷いた構造になっています。しかし、新白河駅はそうでなく、ホームの同じ側にキハ110系が進入してきました。
駅員さんがホームにいて、キハ110系から降りてきた利用者に、郡山方面はこの電車ですと案内をしています。ダイヤ改正から間もない時期でしたから、このように駅員による案内もしているのでしょう。
ちなみに、従来は対向ホームの5番線に入線していましたので、乗り換え客は跨線橋を渡る必要がありました。それに対して、このダイヤ改正で同じホームの水平移動で乗り換えられるようになりましたので、足腰の弱い高齢の方にも優しい乗換となったわけです。新白河の駅名から予想できるように、白河市の街の中心は、次の白河駅付近となります。それだけに、乗り換え客が多いわけです。
列車が停まっている線路に接続列車が入ってくるのは、万一の場合に心配との声が聞こえそうですが、そこは大丈夫です。従来つながっていた線路ですが、ホーム途中に車止めの大きなコンクリートブロックを新設したのです。
交流電車は、このさき黒磯方面には絶対に行かせないぞという強い意志が感じられる…かどうかは判りませんが(笑)、この車止めの設置により、より安全性が高くなっているのは事実でしょう。
なお、車止めがなくても、同一線路上に停まった前後の列車を乗り換える駅はあります。よく知られているところでは、JR四国の松山駅があります。改札口に面した便利なホームに特急列車を停車させることで、松山駅の乗降客が便利なだけでなく、両列車を乗り換える客もホーム上を歩くだけで、上下動がなく便利です。
同一ホームの乗換は、このような乗客の利便だけでなく、移動距離が短くしかも上下動もないことから、乗り継ぎ時間の短縮効果も期待できることでしょう。
右上の写真には、コンクリートブロックの奥に5番線ホームが写っています。いまも早朝の列車で使用していますが、日中には使用していません。しかし、筆者が新白河駅にいる間にも、貨物列車が豪快なスピードで無人の5番線を通過していきました。
乗換が便利になっただけでなく、利用者の安全性も向上したようです。
掲載日:2017年11月03日
●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。