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汽車旅ひろば - ひろやすの汽車旅コラム

汽車旅ひろば


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"鉄道フォーラム"代表の伊藤博康氏による鉄道コラム。
毎回幅広いテーマの中から、「乗ってみたい」「知って良かった」「へぇ~」な汽車旅関連の話題をご紹介します。お楽しみに!

トワイライトエクスプレスが超豪華になって再登場! [No.H140]

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特別な「トワイライトエクスプレス」一番列車が、駅長に見送られて下関駅を発車。ゆるキャラも応援に駆けつけた。
当コラムの本年2月20日付で記した通り、大阪~札幌間を走っていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」は、3月14日のダイヤ改正で廃止されました。その車両のうち一部は、来春開館予定の京都鉄道博物館で展示されることになり、現役を引退しました。ところが、一部の車両は編成を組み直して、特別な「トワイライトエクスプレス」として5月16日から復活運転をはじめています。
5-6月は、土曜日に大阪を出発し、琵琶湖を一周してから山陽本線を下り、日曜日に下関駅に到着。月曜日に下関駅を発車して、山陽本線を上ったあと火曜日に琵琶湖を一周したうえで京都駅に到着。という4日間で往復するコースとなっています。7月以降は、九州の湯布院へ行ったり、伯備線から山陰本線を回って下関へというコースなども予定されていて、今後1年間をめどとして、西日本を中心に走り続ける予定ということです。
すべて貸し切り列車で、旅行会社4社がそれぞれにツアーを企画して主催することになっています。その記念すべき一番列車は、もちろん日本旅行が担当しました。50歳以上の方を対象とした入会無料の会員組織「おとなび」の会員を対象とした、温泉旅館一泊を加えた2泊3日のツアーと、日本旅行として独自に募集した「トワイライトエクスプレス」1泊2日に乗るツアーでした。
その一番列車では、大阪駅・下関駅それぞれで、出発式も開催され、駅長に見送られての発車となりました。


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瀬戸内海を眺めながらの快適な汽車旅。牽引機は、琵琶湖一周を従来通りEF81だ担当し、京都~下関間はEF65形が担当する。
特別な「トワイライトエクスプレス」は、3編成あった「トワイライトエクスプレス」用編成から2号車をすべて抜き出し、第3編成の1号車とサロンカー、第2編成の食堂車、それに乗車クルー用のB寝台車と電源車という8両編成です。
1号車と2号車はA個室寝台で、それぞれにスイートルーム1室とロイヤルルーム4室があります。つまり、特別な「トワイライトエクスプレス」は、A個室スイートルーム4室とA個室ロイヤルルーム16室の計20室定員40名のための編成というわけです。スイートルームはツインベッドで、ロイヤルルームはダブルベッドとなっていて、全室にトイレとシャワーがついています。これにフリースペースとなるサロンカー「サロン・デュ・ノール」と食堂車「ダイナープレヤデス」が連結されているわけです。札幌行のときとは車両の向きを逆にして、各個室やサロン・デュ・ノールから瀬戸内海を眺めやすいようにしています。
これだけの豪華列車ですのでツアー料金は安くなく、1泊2日の「ご乗車プラン」ロイヤルルーム利用でも、大阪駅発着の片道新幹線利用で、2名1室が大阪発1人25万円、下関発1人20万円、1名1室だと追加料金18万円となっています。「おとなび」会員用の温泉旅館1泊付きだと、同じく大阪発着の片道新幹線利用で、2名1室スイートルームが34~36.5万円、ロイヤルルームが29~31.5万円です。これらのツアー料金には、全行程の食事代も含まれています。


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再登場した「トワイライトエクスプレス」の最大の特徴は、豪華個室とこだわりの食事。ドリンクフリーとなっている。
A個室寝台車だけの列車というだけでも豪華ですが、それに加えて特別な「トワイライトエクスプレス」ならではの特色が、フリースペースの「サロン・デュ・ノール」と食堂車「ダイナープレヤデス」でのサービスでしょう。もともと「ダイナープレヤデス」は本格派フレンチレストランとして、他の列車食堂とは一線を画す存在でした。それが、札幌まで行っていた頃よりさらにグレードアップしたメニューとしています。札幌行の頃は時間の制約から5品としていたのを、8品に増やしています。食材も、明石産穴子・但馬牛・長州黒かしわといった、沿線でとれるものを吟味して調理した内容となっています。モーニングに加えてランチは2回も提供されますが、モーニングは野菜中心、初日のランチは和食とすることで食べ疲れがおきないように配慮しています。
サロンカーには専属のホール担当がいて、ドリンクフリー…つまり飲み放題のサービスが受けられます。用意されているドリンクは、アルコール類にドン・ペリニオン、竹鶴17年、バランタイン17年など蒼々たるブランドが名を連ね、6月からは話題の日本酒「獺祭」も加わるとのことです。

この特別な「トワイライトエクスプレス」は、その後に続く新クルーズ・トレイン「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」へとつなぐ列車との位置づけです。最高級のベッド付きフレンチ列車と呼んでも良いでしょう。いま、次のツアーの募集がされています。一生の思い出に残る汽車旅に、あなたも出かけてみませんか。
※本コラム執筆時点での情報です。満室の場合はご容赦下さい。

●6月6日(土)発・7日(日)発 2泊3日
「おとなび」会員向け 『貸切トワイライトエクスプレス下関の旅』
●6月27日(土)発・28日(日)発 2泊3日
「赤い風船」 『貸切トワイライトエクスプレスで行く山口の旅』
●7月5日(日)発・7月6日(月)発 2泊3日
「おとなび」会員向け 『貸切トワイライトで行く大分・由布院の旅』


掲載日:2015年05月29日


●伊藤 博康(いとう ひろやす)
(有)鉄道フォーラム代表。愛知県犬山市生まれ。パソコン通信NIFTY-Serve草創期から鉄道フォーラムに関わり、1992年から運営責任者。(有)鉄道フォーラムを設立後、独自サーバでサービスを継続中。著書に「日本の “珍々”踏切」(東邦出版)「鉄道ファンのためのトレインビューホテル」「鉄道名所の事典」(東京堂出版)がある。現在、中日新聞社「達人に訊け」でもコラムを連載中。